
(画像=SBI証券)
この記事は2025年4月23日にSBI証券で公開された「Daily米株速報 毎営業日午前更新予定」を転載したものです。 掲載記事(最新版):Daily米株速報 毎営業日午前更新予定 |

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関税交渉への期待が高まって大幅反発
4月22日(火)の米国株式市場は、関税交渉への期待が高まり、FRBの独立性に対する懸念から大幅に売り込まれた前日の水準から大幅に反発した。ベッセント財務長官は、将来行われる見通しの中国との貿易交渉は「長期戦」になる可能性が高いものの、米中貿易摩擦は緩和されると確信していると述べた。また、バンス副大統領がインドのモディ首相と会談したことも交渉進展への期待を高めた。
前日はトランプ大統領のパウエルFRB議長に対する激しい放言に市場は驚いたものの、原則としては大統領にはFRB議長を正当な理由なく解任する権限がないことから、やや落ち着きを取り戻したとみられる。
経済指標では、IMFが世界経済成長率見通しを2025年は1月時点の3.3%から2.8%に、2026年は3.3%から3.0%に引き下げた。トランプ米大統領の関税措置が世界的な貿易戦争を引き起こし始めているため、見通しはさらに悪化する恐れがあると警告した。米国については、今年が1.8%、2026年が1.7%の見通しで、それぞれ0.9%ポイント、0.4%ポイント引き下げた。
債券利回りは年限によりまちまち。10年国債利回りは反落して、「米国売り」の一服を示唆した。ドル指数は反発、ドル円も141円台半ばに反発。原油価格は、対イラン追加制裁の発動や米国株高を眺めて買いが入って反発。金価格は利食いが優勢となって前日に更新した最高値水準から小幅に反落。
個別銘柄では、スリーエム(MMM)の1-3月期決算はコスト削減によって市場予想を上回った。通期の調整後EPSガイダンスは7.60~7.90ドルで維持したが、関税によるマイナスの影響が0.2~0.4ドル出る可能性があるとした。株価は+8.2%。
航空機エンジンのGE エアロスペース(GE)は、1-3月期の利益が市場予想を上回り、通期の利益見通しも維持した。航空機不足が同社の部品やメンテナンスサービスに対する需要を押し上げている。株価は+6.2%。
ベライゾン コミュニケーションズ(VZ)の1-3月期決算は売上・EPSとも市場予想を上回ったものの、料金の上昇やライバル企業の販促を受けて携帯電話の契約者数純増(後払い契約)が市場予想を下回って株価は+0.6%。
ロッキード マーチン(LMT)は、ミサイルシステムと戦闘機の堅調な需要に支えられて1-3月期決算が市場予想を上回り、また、通期業績見通しを維持したことから株価は+0.9%。
引け後に決算を発表したテスラ(TSLA)は、1-3月期の売上・EPSとも市場予想を大幅に下回ったが、市場が注目する低価格モデルは予定通り上半期に生産開始できるとした。関税政策の事業に対する影響を推し量ることは難しいとコメントした。また、マスクCEOは来月から政府関係の仕事を大きく減らす意向とした。株価は通常取引で4.6%上昇、時間外取引でも5%以上上昇。
【4月23日(水)の米国市場】
主な経済イベント:auじぶん銀行日本製造業PMI(4月)、HCOBユーロ圏製造業PMI(4月)
S&Pグローバル米国製造業PMI(4月)、米新築住宅販売件数(3月)
地区連銀経済報告(ベージュブック)
5年国債入札
シカゴ連銀グールズビー総裁のあいさつ、セントルイス連銀ムサレム総裁のあいさつ
FRBウォラー理事のあいさつ
主な企業イベント:(寄り前)AT&T(T)、フィリップ モリス インターナショナル(PM)、ボーイング(BA)、ネクステラ エナジー(NEE)
(引け後)IBM(IBM)、サービスナウ(NOW)、テキサス インスツルメンツ(TXN)
~見通し~
トランプ大統領が、パウエルFRB議長について解任するつもりはないと明言したことから、「米国売り」の動きは後退すると期待され、さらなる相場の戻りが見込まれよう。相場の注目はマクロイベントから企業決算に向くと見込まれる。
SBI証券 投資情報部 榮 聡
主要株価指数

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債券・商品市況

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主要通貨

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S&P500日中足チャート

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ナスダック日中足チャート

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S&P500セクター別

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S&P100種騰落率ランキング

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その他主要銘柄

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※本レポートはBloombergデータをもとにSBI証券が作成。
※銘柄名はBloomberg表記によるもの。
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