
(画像=SBI証券)
この記事は2025年4月28日にSBI証券で公開された「新製品が伸びるボストンサイエンティフィック、堅調な需要を確認したサービスナウほか」を転載したものです。 掲載記事:新製品が伸びるボストンサイエンティフィック、堅調な需要を確認したサービスナウほか |
先週の米国株式市場は、パウエルFRB議長の解任懸念後退、米中関税交渉に対する期待、利下げ期待の台頭、テクノロジー株への見直し買いなどから、大幅な反発となりました。今週の株価材料として、米中対立の行方、1-3月期決算発表、1-3月期実質GDP、などが注目されます。
今回は先週に好調な1-3月期決算を発表したボストン サイエンティフィック(BSX)、サービスナウ(NOW)、アンフェノール A(APH)、ゼネラル ダイナミックス(GD)、フィリップ モリス インターナショナル(PM)を選んでご紹介いたします。
図表1 S&P500指数のローソク足(週足、2年)

(画像=SBI証券)
週足の一目均衡表では、「雲」の中でのもみ合いとなっています。雲の上限では上値抵抗が想定されます。移動平均線のチャートでも5,700ポイント辺りに50週移動平均線があり、上値抵抗が想定されます。
※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
(画像=SBI証券)
先週の米国株式市場
S&P500指数は週間で4.6%、ダウ平均は2.5%、ナスダック指数は6.7%の大幅な反発となりました。
4/21(月)には、トランプ大統領のパウエルFRB議長に関する投稿が、議長解任につながり、FRBの独立性を損なうのではとの懸念から「米国売り」が再燃、大幅な下落となりました。
一方、4/22(火)は、前日引け後にトランプ大統領がパウエルFRB議長の解任は考えていないと明言したほか、ベッセント財務長官が中国との関税交渉進展を示唆したことから大幅に反発しました。
4/23(水)は、米政権が現在適用中の対中関税の大幅引き下げを検討しているとの報道が好感され、4/24(木)はサービスナウの決算が大手テクノロジー株を刺激したほか金融当局者発言から6月利下げに対する期待が台頭して上昇、4/25(金)もテクノロジー株の上昇が続きました。
業種指数は、大手テクノロジー株が相場上昇をけん引したことから、これら銘柄の寄与が大きい情報技術、一般消費財・サービス、コミュニケーションサービスの上昇が大きくなりました。一方、これまで堅調となっていた生活必需品が唯一のマイナスとなり、ディフェンシブ業種の上昇が小さくなりました。
個別銘柄で上昇率が最も大きいテスラ(TSLA)は、1-3月期の売上が前年同期比9%減、EPSが同40%減、それぞれ市場予想を10%、38%下回って惨憺たる決算でした。しかし、マスクCEOが来月から政府関係の仕事を減らして、テスラの経営に割く時間を増やすとコメントしたことが好感されたとみられます。
今週の米国株式市場
S&P500指数は4/25(金)終値が5,525.21ポイントで、相互関税の発表を受けて相場が急落する前の4/2(水)終値5,670.97ポイントに近づいてきました。テクニカル的には、ここから上は戻り待ちの売りが多くなると考えられます。
また、ファンダメンタルズ的に考えても、関税の影響で足もとの経済成長は低下、企業業績も下方修正が進んでいるところです。どの程度まで悪化するか見極めるためには数ヵ月かかるとみられますので、それまでは相場の全値戻しは期待できないと考えておいたほうが良いでしょう。
今週の株価材料として、米中対立の行方、1-3月期決算発表、1-3月期実質GDP、などが注目されます。
米中対立については、米国側の態度は軟化しつつある印象ですが、中国側にはいまのところ軟化の兆しはありません。しかし、100%以上の関税をかけあうのは、お互いに持続不可能とみられるため、どのように折り合いをつけるか注目されます。
1-3月期の決算発表はピーク週を迎えます。マイクロソフト、メタプラットフォームズ、アップル、アマゾンのマグニフィセント7銘柄の一部に加え、コカコーラ、ビザ、イーライリリィ、エクソンモービルなどが発表予定です。S&P500指数採用銘柄の予想EPS(発表済企業の実績と未発表企業の予想を混合した予想)は前年同期比10.1%増で、先週時点の同7.2%増から高まって実績は好調です。
ただし、通期の予想EPSは、関税の影響が考慮されて3月末の約270ポイントから266ポイントへ1.5%下方修正されています。今後発表が続くにつれて下方修正が続くと考えられます。
1-3月期実質GDPは、前期比年率+0.4%の予想で、10-12月期の同+2.4%から大幅に減速の見込みです。ただし、この大幅な成長減速は関税引き上げ前の輸入急増が要因とされ、米国内の経済活動がこれほど弱まっているわけではないとみられます。
また、米国経済のリセッション入り懸念の文脈の中で言及されていたアトランタ連銀のGDPNowは4/24(木)時点で同-2.5%の予想でかけ離れていますが、金(ゴールド)の輸出入を調整したベースでは同-0.4%と市場予想に近づきます。
経済指標では上記のほか、4/29(火)に米国の4月消費者信頼感指数(前月の92.9から87.6に悪化の予想)、4/30(水)に米国の4月ADP雇用統計(前月比+12.4万人の予想)、米国の3月個人消費支出物価指数(総合指数は前年比+2.2%の予想、前月は同+2.5%、コア指数は前年比+2.6%の予想、前月は同+2.8%)、5/1(木)に米国の4月ISM製造業景気指数(前月の49.0から48.0に改善の予想)、米国の4月非農業部門雇用者数(前月比+13.0万人の予想)、米国の3月製造業受注(前月比+4.5%の予想)、などの発表が予定されています。
今週の5銘柄
今回は先週に好調な1-3月期決算を発表したボストン サイエンティフィック(BSX)、サービスナウ(NOW)、アンフェノール A(APH)、ゼネラル ダイナミックス(GD)、フィリップ モリス インターナショナル(PM)を選んでご紹介いたします。
図表3 米10年国債利回りの一目均衡表(日足、3ヵ月)

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
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今週の注目銘柄

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、いずれも2025年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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主要イベントの予定

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
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