
(画像=SBI証券)
この記事は2025年8月12日にSBI証券で公開された「残高最大+過去最高値 S&P500ファンドを20%上回った 6ヵ月好成績ファンドは?」を転載したものです。 掲載記事:残高最大+過去最高値 S&P500ファンドを20%上回った 6ヵ月好成績ファンドは? |
残高8兆円達成と過去最高値更新のS&P500ファンド
国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)で残高首位ファンドのeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(以下、S&P500ファンド)が、2025年8月1日に純資産総額8兆円を突破しました。また、同日の基準価額(34,806円)は、これまでの高値となっていた2025年1月24日の34,638円を抜き、過去最高値を更新しました。
代表的な米国の株価指数であるS&P500は、今年の3月から4月にかけてはトランプ関税への不透明感などで下落したものの、その後は不透明感解消などによって回復し、6月下旬に過去最高値を更新していました(図表1)。
一方で、投資信託の基準価額の計算に使われているドル円TTMは、S&P500とは異なり、5月以降の戻りが弱く、年初よりも円高ドル安水準となっていたため、S&P500ファンドにおける基準価額の高値更新はS&P500よりも約1ヵ月の遅れとなりました(図表1)。
なお、過去最高値をつけた8月1日の基準価額の計算においては海外株式の株価は現地7月31日のデータが反映されています。
2025年は4月上旬が底になってV字回復となっているS&P500ファンドですが、今回はS&P500ファンドの保有者が下落局面と反発局面を経験した6ヵ月間(2025年1月末から7月末まで)のリターンに着目し、S&P500ファンドの6ヵ月リターンを大きく上回ったファンドを取り上げます。
SBI証券取り扱いのNISAで買えるS&P500ファンドを20%も上回る6ヵ月好成績ファンドの一覧が図表2となります。これらのファンドの2025年の基準価額チャートを見ると、V字回復というよりは右肩上がり上昇チャートといえます(各ファンドの基準価額チャートはファンド詳細ページの基準価額推移をご確認ください)。それぞれのファンドの特徴についてコメントします。
図表1 S&P500、S&P500ファンド、ドル円レートのパフォーマンス比較 (2024/12/30~2025/8/6 2024/12/30=100)

※QUICKデータをもとにSBI証券作成
※S&P500ファンドは eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のデータ
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
(画像=SBI証券)
図表2 NISAで買える S&P500ファンドを20%も上回る 6ヵ月好成績ファンド

※NISA・成長投資枠対象ファンド(SBI証券ネット取り扱い、運用期間3年以上)を6ヵ月リターン順に表示(2025年7月末基準)
※同じ投資助言会社による同一運用方針のファンド、同じマザーファンドに投資しているファンドは、6ヵ月リターンのトップファンドのみを表示(為替ヘッジあり・なしは別カウント)
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
(画像=SBI証券)
S&P500ファンドを20%上回った6ヵ月好成績ファンドの特徴は?
6ヵ月リターン1位の中欧株式ファンドは、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキアを中心に、それらの周辺諸国の株式等に投資しているファンドです。投資国比率は、ポーランド74.9%、ハンガリー10.2%、チェコ4.4%となっています(※)。安定した経済成長などを背景に投資している3ヵ国の株価指数は好パフォーマンスとなっていることから、1年・3年でも好成績のファンドです。 2位のカレラ日本小型株式ファンドは、日本の小型株式に投資、事業内容、成長性、収益性、財務健全性などを勘案して銘柄を厳選しているファンドです。組入上位銘柄は名村造船所、ジャパンエンジンコーポレーション、中北製作所、ダイハツインフィニアース、中国塗料などとなっており、組入銘柄数は30銘柄です(※)。
3位の厳選ジャパンは、優れた経営者の質・ビジョン、新しいビジネスモデル等により企業価値の増大が期待できる企業の中から、20銘柄程度に厳選して投資しているファンドです。組入上位銘柄は東京エレクトロン、東宝、関電工、日本電気、ソニーグループなどとなっており、組入銘柄数は21銘柄です(※)。国内株式ファンドの中で1年リータンはトップクラスの実績です。 4位のSBI日本小型成長株選抜ファンド(愛称:センバツ)は、エンジェルジャパン・アセットマネジメントによる企業調査力を活かして有望企業を厳選しているファンドです。組入上位銘柄は、守谷輸送機工業、ビーイングホールディングス、ワンキャリア、INTLOOP、ライズ・コンサルティング・グループなどとなっており、組入銘柄数は50銘柄です(※)。
5位のブラックロック・ゴールド・ファンドは、南アフリカ・オーストラリア・カナダ・アメリカ等の金鉱企業の株式に投資を行うファンドです。金鉱株の株価と金価格は長期では同じ方向に動く傾向が見られ、金価格の上昇を受けて1年、3年でも好成績となっていますが、値動きの振れ幅を示す標準偏差が大きいのが特徴といえます。
6位の東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジあり)、7位の東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)は、高い技術力や競争力等を持つ宇宙関連企業の株式等に投資しています。組入上位銘柄は、ビッグデータ解析のソフトウェアプラットフォームを提供する米国のパランティア・テクノロジーズ、米国の公共安全テクノロジー企業のアクソン・エンタープライズ、エヌビディア、光通信と産業用レーザー製品が主力の米国企業であるルメンタム・ホールディングス、米国の宇宙開発企業のロケット・ラブなどとなっており、組入銘柄数は64銘柄です(※)。1年・3年でも好成績のファンドですが、為替ヘッジなしのSBIセレクトのファンドである東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)の方が3年リターンでは好成績となっています。 8位のグローバル・スペース株式ファンド(為替ヘッジあり・1年決算型)は、日本を含む世界の株式の中から宇宙関連ビジネスを行なう企業およびその恩恵を受ける企業の株式に投資しているファンドです。組入上位銘柄は、小型ドローンを米軍向けに提供しているクラトス・ディフェンス&セキュリティー、ロケット・ラブ、小型無人航空機大手のエアロバイロンメント、米国の衛星通信会社のイリジウム・コミュニケーションズ、電動垂直着陸機の開発を手掛けるアーチャー・アビエーションなどとなっており、組入銘柄数は30銘柄です(※)。為替ヘッジなしのグローバル・スペース株式ファンド(1年決算型)は図表2の一覧にはありませんが、僅差で好成績です。
9位のアジア・ヘルスケア株式ファンドは、中長期的に高い成長が見込まれるアジア(日本を除く)のヘルスケア関連株式に投資しているファンドです。組入上位国は中国・香港が37.5%、インドが32.2%、韓国が22.8%などとなっています(※)。
図表3では主な6ヵ月好成績ファンドとS&P500ファンドを新NISAの期間となる約1年7ヵ月間でパフォーマンスを比較しました。図表3で取り上げた5ファンドは新NISA期間においてもS&P500ファンドを上回る実績となっており、S&P500ファンドと異なる値動きが確認できます。
S&P500ファンド保有者は、これらの6ヵ月好成績ファンドなどを組み合わせて分散投資することが有効と考えます。特に国内株式ファンドはリスク(標準偏差)が相対的に小さく、為替変動リスクを直接受けない資産として注目といえます。
(※)組入銘柄の情報は6月末基準。個別銘柄の取引を推奨するものではありません。
図表3 主な6ヵ月好成績ファンドの2023年末からのパフォーマンス比較 (2023年12月29日~2025年8月6日 2023年12月29日=100)

※QUICKデータをもとにSBI証券作成
※ファンド名は一部略称または愛称
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
(画像=SBI証券)
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