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タイ不動産投資の最適な売却タイミング!6〜9年目が狙い目

今回は「出口戦略」について考察していきたいと思います。

前回の成功&失敗談でも書きましたが、不動産投資において「成功」や「失敗」という定義は、「購入した物件が購入した金額以上に売却ができて利益を得る、もしくは損失を出すこと」ですので、不動産投資は「売却」をしない限り利益確定・損失確定となりません。

では、具体的に出口戦略について見ていきましょう。

まず、そもそも「出口戦略」とは何か?ということですが、「出口=売却」です。

「入口」が購入とするならば、入口時点で不動産の売却を考えておかないと、売却時に失敗してしまう可能性が高くなります。

非常に大切なことなのですが、出口戦略を重視する方は決して多くありません。どうしても海外不動産ということで、テンションが上がってしまって、「まずは購入する」ということに意識が向いてしまうのでしょう。

そのため、不測の事態が起きても「出口」の観点を持った投資が非常に重要です。今回はタイの不動産投資における出口戦略について解説していきます。

1.<物件購入前>出口戦略を考える前に覚えておきたいこと

  1. 物件を保有する期間
  2. 最終的な売却先のターゲット
  3. 物件購入価値と売却価格
  4. 物件のコンディション
  5. 物件の立地

物件購入前に上記の5つはきちんと押さえておきたいものです。特に1の「物件を保有する期間」については、意識しておかないと気がつけば損をしていたことがあります。ぜひ上記5つを意識した購入をお勧めします。

2.<物件売却時>最適なタイミング

不動産投資の収入は前回も書きましたが、「インカムゲイン(家賃収入)」と「キャピタルゲイン(売却益)」の2種類があります。特に海外では「キャピタルゲインの最大化」を目的にする投資家が多いため、売却タイミングに関しては非常に重要です。

⚫️竣工後、最低でも5年経過後が大前提

まず、日本在住の投資家は海外不動産を売却するケースでも日本の税制に基づいて譲渡所得税が課税されます。

日本の税制では譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の物件から得られた利益を短期譲渡所得、5年を超える物件から得られた利益を長期譲渡所得と分類され、以下のような税率がかかります。

・短期譲渡所得(5年以下):税率39.63%
・長期譲渡所得(5年超) :税率20.315%

そのため、日本在住の方であれば、「運用開始から5年以上経過した」タイミングで売却した方が税制的には有利となります。これは覚えておいてください。

その上で、タイの不動産売却時の税金は以下4つの税金がかかります。

  1. 移転登記税
  2. 印紙税
  3. 特別事業税
  4. 源泉所得税

それぞれ説明していきます。

  • 移転登記税

    移転登記税とは、売主から買主に登記が移転する際に発生する税金で、支払い額は土地局による物件の評価額の2%となります。ただ、基本的には移転登記税は売主と買主の折半というケースが多いですが、これは買主との交渉次第でもあります。

    • 印紙税

    印紙税とは、契約書などの重要書類に貼付する印紙や税務署に納付する印紙代となり、タイの不動産売買の場合、印紙税率は不動産の売買価格か土地評価額のどちらか高額な方の0.5%となっています。

    • 特別事業税

    特別事業税とは不動産の短期売買を抑制するために設定された税金です。そのため、購入後5年以内に売却される時に課税され、売却価格もしくは土地局の評価額の高い方の3.3%が課税されます。

    • 源泉所得税

    不動産物件を売却し、売却益が出た際にはタイでは源泉税が発生します。

    タイの源泉税は、不動産所有年数10年を上限として、物件を所有すればするほど課税率が上がります。源泉税は物件所有年数と、土地局による物件の評価額によって、0~35%の間で課税がされます。

    この計算方法はかなり複雑になりますので、実際には現地の税理士や土地局に確認しながらの判断となります。

    上記をまとめると以下のような税金がかかってくることとなります。

    税金の種類税率備考
    移転登記税2.0%買主と売主で1%ずつ折半されることが多い
    印紙税0.5%不動産価格か評価額で高額な方に合わせて課税される
    特別事業税3.3%物件購入後、5年以内に売却した場合に課税される
    源泉所得税0%-35%売却益が出た際に課税される

    <注意点>

    日本でもタイでも税金がかかるようになっていますが、タイと日本は日タイ租税条約を締結していますので、外国税額控除制度を使うことができます。これは双方の国での二重課税を回避するための制度ですが、複雑でわかりにくいことも多いので専門家に必ず確認をして進めるようにしてください。

    これらの情報を持って最低でも考えておくべきなのは、

    1. 物件購入してから最低でも5年以上保有した上で売却すること
    2. タイの源泉税や物件のメンテナンス状態を考えると10年以上持つのは要検討

    だと考えています。つまり、物件購入後から6年目〜9年目くらいが売却タイミングだと私は考えています。もちろん、その時の不動産マーケットの状況もあると思いますが、海外不動産で長引かせれば長引くほど「管理面」において心配な部分もあります。

    最近のバンコクにおける高級物件はそういった管理面も良くなってきたケースも増えてきましたが、それでも外国人である我々がタイの不動産投資で、出口戦略として考えるのは購入後6年目〜9年目が1番メリットは大きいと思います。

    ぜひご参考にしてください。

    心友不動産

    タイ・バンコクを拠点に、日本人向けの不動産購入・管理・売却支援を行う不動産会社。
    日系大手デベロッパーとの提携を活かし、現地の優良物件を特別条件で紹介するほか、移住支援やビザ取得、賃貸運用などをワンストップでサポート。専門コンサルタントによる丁寧なヒアリングと透明性の高い対応に定評があり、日本とタイをつなぐ“不動産の架け橋”として信頼を集めている。

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