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アナリスト注目の銘柄は?相場先読み!米株特集 2025年10月

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米株特集

(画像=SBI証券)

この記事は2025年10月3日にSBI証券で公開された「アナリスト注目の銘柄は?相場先読み!米株特集」を転載したものです。
掲載記事(最新版):アナリスト注目の銘柄は?相場先読み!米株特集

9月の米国株式市場は下記の材料を主な背景として好調で、S&P500指数など主要株価3指数は史上最高値を更新する場面が見られました。S&P500とナスダックの9月上昇率は2010年以来最高のパフォーマンスとなりました。

・CPI(消費者物価指数)の前年比の伸びが市場予想一致となり、トランプ関税のインフレへの影響がマーケットの想定内に収まったこと

・FOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを再開したほか、今後も金利を引き下げる見通しを示したこと

恐怖指数で知られるVIX指数は10月2日時点で16.63と注目ラインである20を引き続き下回っており、ボラティリティは総じてフェイバーです。月間ベースではNYダウとS&P500指数が5カ月続伸、ナスダックは6カ月続伸と堅調な推移が続いています。S&P500の11業種における月間ベースのセクターパフォーマンスでは情報技術やコミュニケーション・サービス、公益などが上げて、素材や生活必需品などが下げました。

AIへの期待感から半導体のSOX指数が9日続伸して2017年以来の最長記録となる場面があり、SOX指数は史上最高値圏で推移しています。特にオープンAIを巡るニュース(例えばエヌビディアが同社への最大1,000億ドル投資計画を発表)が目立ったことがその背景の1つと考えられます。個別株ではエヌビディア(NVDA)やラムリサーチ(LRCX)、マイクロン テクノロジー(MU)などが上場来高値圏で、フォード モーター(F)やウィン リゾーツ(WYNN)などが52週高値圏です。

10月の米国株は次の4点がポイントになると考えています。

①CPI(15日発表予定ですが、政府機関一部閉鎖が長期化すれば公表先送りの可能性)
②7-9月期決算発表シーズン
③FOMC(28-29日開催予定)
④米中首脳会談(10月末から開催されるAPEC首脳会談にあわせて米中首脳会談予定)

つなぎ予算不成立を受けた政府機関一部閉鎖の影響で、3日に発表予定だった雇用統計はその公表が先送りされる見通しです。ポイント1つ目のCPIに関しては、トランプ関税のインフレへの影響はこれまでのところマーケットの予想の範囲内にとどまっていますが、今回のCPIは市場予想で前年比3.1%増と前回(同2.9%増)からインフレ高進見通しです。CPIが市場予想上振れとなれば利下げ観測後退につながりやすく、マーケットの急変動リスクに注意が必要です。ただし、政府機関一部閉鎖が長期化すれば、CPIの公表も先送りされるリスクが残ります。

ポイント2つ目の企業業績に関しては、7-9月期のS&P500指数採用銘柄における市場予想EPSは情報技術や金融の牽引を背景に前年比でおよそ7%増益が見込まれています。年初来の米国株上昇はEPS成長率拡大がその要因の1つであり、事前予想を上回る増益率を達成できるかどうか注視されます。ポイント3つ目のFOMCは市場予想で0.25%ポイントの利下げが見込まれており、米国の金融政策は利下げサイクルに入る見通しです。なお、雇用統計とCPI公表がともに先送りとなるケースでは、FOMCでの金融政策決定に大きな影響を与える可能性があります。ポイント4つ目の米中首脳会談は対面で実施される見通しで、関税などを巡り好材料が発表されるかどうか注視されます。

今回のコンテンツのテーマは「AI投資関連」です。生成AI市場は2032年に1.8兆ドルに達する可能性があると見られています。2022年にオープンAIがチャットGPTを発表して以降、AIが株式市場の大きなテーマになりました。足元ではオープンAIを巡るより具体的なニュースが多くなっていることから、「AIフェーズ2」の様相を見せつつあり、投資家の注目が集まりやすいと考えられます。

当コンテンツはBloombergデータ、各社資料、各種報道、当社Webサイトを基にSBI証券が作成

投資情報部 齊木 良

SBI証券 アナリスト注目銘柄

今回の5銘柄の選定ポイントは次の3点です。

1.AI投資関連
2. 市場予想で今期・来期EPSが増益見通しあるいは赤字縮小見通し
3.アナリストの投資判断で、買いと中立が過半数

1.アリスタ ネットワークス(ANET)
カリフォルニア州に本社があり、大規模AI・データセンター向けクラウドネットワーキングを提供しています(スイッチとルーティング・プラットフォーム)。顧客数は1万社強で、売上高比率はマイクロソフト20%、メタ プラットフォームズ A15%です(2024年12月期)。高速データセンター・スイッチング市場で、同社が市場シェアでシスコ システムズ(CSCO)を追い抜きました。中長期的な観点では、クラウドインフラ需要やAIがサポート材料です(マイクロソフトやメタ プラットフォームズ Aは積極的な設備投資が見られます)。なお、四半期売上高は右肩上がり傾向で、調整後ベースの粗利益率は64.6%、同営業利益率は47.5%と好採算です(24年12月期)。
1.クラウドネットワーキング
2. 今期は24%増益見通し、来期は16%増益見通し(市場予想)
3.買いが22人、中立5人、売り1人

(画像=SBI証券)

2.ブロードコム(AVGO)
カリフォルニア州に本社があり、ネットワーキングやワイヤレス分野などの設計・開発・供給を行う大手半導体メーカーです。24年10月期の売上高比率は半導体ソリューションが58%、インフラストラクチャ・ソフトウェア42%です。地域別では米国25%、中国20%、シンガポール19%、その他36%です。25年5-7月期は売上高が前年比22%増で、EPSが同36%増となり市場予想を上回る増収増益でした。カスタムAI需要を背景にAI売上高が同63%増と牽引し、また、設備投資環境が力強く会社側は8-10月期もAI半導体は好調を見込んでいます。オープンAIからと思われる大型受注を獲得。上場企業時価総額ランキングでトップ10入りしています(10月2日時点)。
1.カスタムAI半導体
2. 今期は38%増益見通し、来期は39%増益見通し(市場予想)
3.買いが52人、中立4人、売り0人

(画像=SBI証券)

3.コンステレーション エナジー(CEG)
メリーランド州に本社があり、米国最大級のクリーンエネルギー発電企業です。米国の家庭や企業、公的部門に電力を供給しており、原子力や太陽光、水力発電などを手掛けています。AI需要を背景にデータセンターなどでのエネルギー需要が急増しており、24年9月にはマイクロソフトとの20年間に及ぶ電力購入契約を発表したほか、25年6月にはメタ プラットフォームズAと20年間の電力購入契約締結を発表しました。高まる電力需要を受けて米国では原子力発電の拡大が期待されており、中長期での成長期待が業績や株価への支援材料になり得ると考えられます。
1.電力供給
2.今期は10%増益見通し、来期は22%増益見通し(市場予想)
3.買いが12人、中立6人、売り0人

(画像=SBI証券)

4.コアウィーブ(CRWV)
ニュージャージー州に本社があるAIクラウド企業です。エヌビディアが出資しており、マイクロソフトが最大の顧客です(24年12月期売上高の62%)。売上高が急成長中で(24年12月期は前年比で約8倍増収)、2024年末時点で32のデータセンターが稼働しています。25年9月にはオープンAIとのデータセンター容量を供給する契約を最大65億ドル拡大すると発表したほか、エヌビディアが63億ドル相当のクラウドサービス購入で合意しました。また、メタ プラットフォームズ Aと大型契約締結と報じられており、これまでのマイクロソフトへの依存が今後低下していくと見られます。顧客のバランス改善がマーケットで好感される可能性があります。
1.AIクラウド
2.今期・来期と赤字縮小見通し(市場予想)
3.買いが14人、中立12人、売り3人

(画像=SBI証券)

5.オラクル(ORCL)
テキサス州に本社があり、企業向けアプリケーションやインフラストラクチャといった製品・サービスを提供しています。2025年5月期の事業別売上高比率は、クラウド及びライセンスが86%、ハードウェア5%、サービス9%です。クラウドが業績を牽引しています。地域別では米州が63%、欧州・中東・アフリカ25%、アジア太平洋12%です。受注の目安である残存履行義務は25年6-8月期に4,550億ドルで、3-5月期の1,380達ドルから急拡大しています。
1. クラウド
2.今期は13%増益見通し、来期は17%増益見通し(市場予想)
3.買いが34人、中立13人、売り1人

    (画像=SBI証券)

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