
(画像=SBI証券)
米国株式市場のポイントや注目銘柄として個別株5銘柄をご紹介いたします。コンテンツは毎月1回の更新予定ですので、ぜひご参考になさってください。3月のコンテンツのテーマは「ディフェンシブ・スタンス」です。
この記事は2025年3月3日にSBI証券で公開された「アナリスト注目の銘柄は?相場先読み!米株特集」を転載したものです。 掲載記事:アナリスト注目の銘柄は?相場先読み!米株特集 |
2月の米国株式市場を振り返ると、S&P500指数やナスダック100指数が史上最高値を更新する場面も見られましたが、トランプ関税や景気への不透明感などからその後はやや軟調な展開となりました。米株を牽引するマグニフィセント7指数は昨年12月のピークから1割強下落し、調整局面入りとなりました。また、注目のエヌビディア(NVDA)の決算発表は2-4月期の売上高見通しが市場予想を上回りましたが、粗利益率見通しが下回り、まちまちの内容でした。セクター(S&P500の11業種)の動きでは生活必需品や不動産、エネルギーなどが上げて、一般消費財・サービスやコミュニケーション・サービスなどが下げました。個別株ではバークシャー ハサウェイ B(BRKB)やビザ A(V)、アッヴィ(ABBV)などが上場来高値圏で、スターバックス(SBUX)やギリアド サイエンシズ(GILD)などが52週高値圏です。
3月の米国株の注目点は、①トランプ関税、②雇用統計(7日発表予定)、③CPI(12日発表予定)、④つなぎ予算期限(14日予定)、⑤FOMC(18-19日予定)と考えています。トランプ関税はカナダとメキシコからの輸入品への関税が3月4日に発動する見通しです。中国からの輸入品にもさらに追加で10%関税を発動する見通しです。また12日には鉄鋼・アルミニウム輸入関税が発動する見通しです。マーケットのセンチメントを下押しする可能性があります。雇用統計は非農業部門雇用者数の増加が市場予想で前月比16.0万人増と前回(同14.3万人増)からやや増加見通しで、失業率は4.0%と前回並みの見通しです。雇用者数増加が市場予想と大きく乖離するようだと利下げ観測が急変動する可能性がありそうです。なお、CPI(消費者物価指数)は市場予想で前年比3.0%増と前回並みの見通しです。14日期限のつなぎ予算に関しては、その行方が注目されます。場合によっては金利急騰リスクにつながりかねないので、注意が必要です。FOMCでは市場予想で政策金利の据え置きが見込まれていますが、米金融当局者の経済・政策金利見通しが発表されるため、マーケットからの注目は高いと思われます。万が一、インフレ見通しを引き上げ、利下げ見通しが後退となればマーケットへの下押し圧力になる可能性もあります。
今回のコンテンツのテーマは「ディフェンシブ・スタンス」です。上記の通り、3月から4月にかけてのマーケットは総じて急変動リスクが高まりやすいと思われます。足元ではNY金先物価格が史上最高値圏にあり、S&P500指数のセクター別の年初来騰落率ではヘルスケアや生活必需品などが好パフォーマンスです(2月28日時点)。投資家のディフェンシブ・スタンスを示唆しているものと思われるため、ディフェンシブ関連は引き続き注目されやすいと考えます。
当コンテンツはBloombergデータ、各社資料、各種報道、当社Webサイトを基にSBI証券が作成
投資情報部 齊木 良
SBI証券 アナリスト注目銘柄
今回の5銘柄の選定ポイントは次の3点です。
1.ディフェンシブ・スタンス関連
2. 年初来パフォーマンスがS&P500指数を上回る(2月28日まで、1.2%高)
3.アナリスト評価が「買い」と「中立」で全体の5割以上
1バリック ゴールド(GOLD)
カナダのトロントに本社がある世界的な産金大手です。金のみならず銅の生産も手掛けています。2024年12月期の金の地域別生産比率は北米(61.5%持ち分のネバダ・ゴールド・マインズ含む)が46%、南米&アジア太平洋17%、アフリカ&中東38%です。銅は南米&アジア太平洋が21%、アフリカ&中東79%です。地域別売上高比率は米国が51%、ドミニカ共和国11%、マリ10%、ザンビア7%、タンザニア10%、アルゼンチン5%、カナダ2%、コートジボアール3%です。2024年12月期のEPS成長率は前年比50%増で、25年は市場予想で同26%増見通しとファンダメンタルズは好調と言えそうです。なお、2月に最大10億ドルの自社株買い計画を発表しました。 1.金関連銘柄 2. 年初来パフォーマンスは14.5%高 3.アナリスト評価は買い12人、中立10人、売り0人
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2ニューモント(NEM)
コロラド州に本社がある産金世界最大手です。米国やカナダ、メキシコ、ドミニカ共和国、ペルー、アルゼンチン、チリ、豪州、パプアニューギニアなどで事業展開しています。銅や銀、鉛、亜鉛の生産も手掛けています。上記1のバリック ゴールドと同社との合弁事業ネバダ・ゴールド・マインズの権益比率はそれぞれ61.5%、38.5%です。2024年12月期の売上高比率は金が84%とメインで、銅7%、銀4%、鉛1%、亜鉛3%です。2024年12月期のEPS成長率は金価格上昇と生産量拡大などで前年比2.2倍と好調で、25年は市場予想で同1%増見通しです。なお、会社側はインフレ圧力や設備投資を背景に、今年のコストが上昇すると見込んでいます。 1.金関連銘柄 2. 年初来パフォーマンスは15.1%高 3.アナリスト評価は買い13人、中立8人、売り0人
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3ギリアド サイエンシズ(GILD)
カリフォルニア州に本社があり、過去30年以上にわたり数々のブレイクスルーを成し遂げてきたバイオ医薬品企業です。HIVやウイルス性肝炎、COVID-19、がんといった生命を脅かす疾患領域に注力しており、およそ世界35カ国で事業展開しています。2024年12月期の売上高比率は抗HIV治療薬(「ビクタルビ」など)が68%、肝疾患治療薬(「ソホスブビル」など)11%、腫瘍学(「イエスカルタ」など)11%などで、地域別では製品売上高の7割強を占める米国が主力です。同社の年2回投与型HIV感染予防薬「レナカパビル」について、FDA(米食品医薬品局)から優先審査指定を受けました。承認されれば、最初で唯一の年2回投与型予防薬になる見通しです。2025年12月期のEPS成長率は市場予想で約7割と好成長見通しです。 1.ヘルスケア関連銘柄 2.年初来パフォーマンスは23.8%高 3.アナリスト評価は買い21人、中立11人、売り0人
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4インテューイティブ サージカル(ISRG)
カリフォルニア州に本社があり、手術支援ロボット「ダビンチ(一般外科や泌尿器科などで患者さんへの負担が少ない低侵襲手術を可能にする)」で有名です。1995年に設立され、ロボット手術支援システムの開発・製造・販売を行っています。日本の大学病院でも導入されています。2024年現在で、世界で9,100台以上のダビンチが稼働し、これまでにダビンチ手術を受けた患者さんは世界で1,400万人以上にのぼります。地域別売上高では米国が主力です。なお、24年10-12月期におけるダビンチ手術症例数は前年比18%増でした。市場予想の長期EPS成長率は約16%で、ファンダメンタルズは健全と言えそうです。メドテック(医療とテクノロジーの融合)の代表的な銘柄としてマーケットの期待も高く、株価は史上最高値圏です。 1.ヘルスケア関連銘柄 2.年初来パフォーマンスは9.8%高 3.アナリスト評価は買い22人、中立11人、売り1人
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5コカ-コーラ(KO)
ジョージア州に本社があり、コカ・コーラやスプライト、ファンタ、ミニッツメイドなどに代表される飲料会社です。200を超える国・地域で販売されています。2024年12期の売上高比率は欧州・中東・アフリカが17%、南米13%、北米39%、アジア太平洋12%、グローバル・ベンチャーズ6%、ボトリング投資13%などです。過去数四半期では値上げと製品ミックスが業績に寄与しています。今後のアルミニウム関税の影響は注視する必要があるものの、会社側は25年12月期のEPS成長を前年比2-3%増と見込んでいます。株主還元に積極的で63年連続増配を同社取締役会で承認しており、この長期増配傾向は注目されやすいと考えられます。なお、バークシャー ハサウェイが同社株の約9%を保有しており、ポートフォリオの主力銘柄のひとつです。 1. 生活必需品関連銘柄 2.年初来パフォーマンスは14.4%高 3.アナリスト評価は買い28人、中立3人、売り1人
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