
(画像=SBI証券)
この記事は2025年2月3日にSBI証券で公開された「アナリスト注目の銘柄は?相場先読み!米株特集」を転載したものです。 掲載記事:アナリスト注目の銘柄は?相場先読み!米株特集 |
1月の米国株式市場を振り返ると、10日発表の雇用統計(非農業部門雇用者数増加)が市場予想を大幅に上回りネガティブ材料視されましたが、15日発表のコアCPIの伸びが前年比および前月比ともに市場予想を下回りインフレ鈍化を示し、その後は持ち直しの動きを強めました。さらに21日発表のソフトバンクグループとオープンAIなどによる超巨大AIインフラ投資計画(4年で5,000億ドル)を好感した大型ハイテク株の牽引などでS&P500指数は史上最高値を更新する場面がありました。一方、中国の新興企業「ディープシーク」が開発した低コストのAIモデルが米ハイテク企業への脅威になるとの懸念で27日の米国株式市場でAI関連銘柄が急落しました。なお、FOMC声明文において前回記載の「インフレは2%の目標に向かっている」との文言が削除され、インフレへの警戒をやや強めました。セクター(S&P500の11業種)の動きではコミュニケーション・サービスやヘルスケア、金融などが上げて、情報技術が下げました。個別株ではメタ プラットフォームズ A(META)やマスターカード A(MA)、ゴールドマン サックス(GS)などが上場来高値圏で、AT&T(T)やカーニバル(CCL)などが52週高値圏です。
2月の米国株の注目点は、①報復関税、②雇用統計(7日発表予定)、③CPI(12日発表予定)、④決算発表(アルファベット A、アーム ホールディングス ADR、アマゾン ドットコム、エヌビディア)と考えています。トランプ大統領が2月1日にカナダとメキシコからの輸入品に25%、中国に10%の追加関税を賦課する大統領令に署名したことで(関税発効は4日予定)、報復関税への懸念からマーケットのボラティリティが高まる可能性があります。雇用統計は非農業部門雇用者数の増加が市場予想で前月比17.0万人増と前回(同25.6万人増)から大幅鈍化見通しで、失業率は4.1%と前回並みの見通しです。雇用者数増加が市場予想と大きく乖離するようだと利下げ観測が急変動する可能性がありそうです。なお、CPIは市場予想で前年比2.9%増と前回並みの見通しです。決算発表関連では上記4社の決算発表が特に注目されます。アルファベット A(4日予定)とアマゾン ドットコム(6日予定)はクラウドの成長、アーム ホールディングス ADR(5日予定)とエヌビディア(26日予定)はAIや「ディープシーク」に関するコメントが投資家の注目を集めると思われます。
今回のコンテンツのテーマは「好業績で株価好調」です。S&P500指数採用銘柄の中で179社が決算発表済みで、EPSが市場予想を上回るポジティブサプライズ比率は78%とヒストリカルにみても堅調です。好業績関連銘柄についてはマーケットの業績期待値が今後高まる可能性があり、投資対象として有望と考えられます。
当コンテンツはBloombergデータ、各社資料、各種報道、当社Webサイトを基にSBI証券が作成
投資情報部 齊木 良
SBI証券 アナリスト注目銘柄
今回の5銘柄の選定ポイントは次の3点です。
1.直近四半期実績の業績(売上高、EPSまたは純利益)が増収増益で市場予想を上回る
2. 株価が史上最高値圏
3.アナリスト評価が「買い」と「中立」で全体の過半数以上
1デルタ エアーラインズ(DAL)
ジョージア州に本社がある米国を代表する航空大手です。世界6大陸、280を超える目的地に毎日4,000以上のフライトを実施しています。アトランタやボストン、デトロイト、ロンドン(ヒースロー)、LA、メキシコシティ、NY(JFK)、パリ(シャルル・ド・ゴール)、シアトル、東京などが主要拠点です。なお、24年12月のCPIにおいて航空運賃は前年比7.9%増とCPI全体の伸びを上回っており、航空会社にとっては追い風を示唆していると見られます。会社側は25年の旅行需要を好調と見込んでおり、同社100年の歴史の中で最高の業績が期待できると強気姿勢を示しています。競合のユナイテッド エアラインズ(UAL)も1-3月期は明るい業績見通しです。株価は史上最高値圏です。 1.24年10-12月期は売上高が前年比6%増、EPSが同45%増で市場予想を上回る 2. 株価が史上最高値圏で推移 3.アナリスト評価は買い23人、中立0人、売り1人
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2ゴールドマン サックス(GS)
NYに本社がある世界的な金融機関で持ち株会社です。2024年12月期の純収入比率はグローバルバンキング&マーケッツ(投資銀行やトレーディングなど)が65%、アセット&ウェルスマネジメント(プライベートバンキングなど)30%、プラットフォームソリューションズ5%です。地域別では米州が64%、欧州・中東・アフリカ23%、アジア13%です。24年10-12月期は投資銀行業務と株式業務が業績を牽引しました。特に株式業務は24年通年の純収入が過去最高と好調でした。IPOやM&A市場の回復期待なども同社にとってはポジティブ材料です。なお、2024年の同社株価上昇率はJPモルガン チェースなど米大手金融6社の中で最も高いパフォーマンスで、マーケットの評価が高いです。株価は史上最高値圏です 。 1.24年 10-12月期は純収入が前年比23%増、EPSが同2.2倍で市場予想を上回る 2. 株価が史上最高値圏で推移 3.アナリスト評価は買い17人、中立9人、売り1人
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3ネットフリックス(NFLX)
カリフォルニア州に本社があり、世界大手のエンタテインメント・サービス会社です(ドラマや映画などのストリーミング)。収益源は月額利用料金で、2024年12月期の地域別売上高比率は米国&カナダが45%、欧州・中東・アフリカ32%、南米12%、アジア太平洋11%です。世界で3億人を超えるサービス加入者がいます。24年10-12月期の会員数増加(1,891万人)は過去最大と勢いがあります。オリジナルコンテンツが強みで、同社史上最大のヒット「イカゲーム」続編が24年12月下旬から配信スタートし、25年に最終編配信の予定です。また、アメフトなどのスポーツ中継も強化しており、継続的な加入者数拡大が期待されます。株価は史上最高値圏で、1,000ドルの大台が視野に入り、将来的な株式分割の可能性もあると思われます。 1.24年10-12月期は売上高が前年比16%増、EPSが同2倍で市場予想を上回る 2.株価が史上最高値圏で推移 3.アナリスト評価は買い46人、中立15人、売り2人
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4台湾セミコンダクター ADR(TSM)
台湾に本社がある世界最大のファウンドリー(半導体受託生産)です。2024年には522の顧客にサービスを提供し、ハイ・パフォーマンス・コンピューティングやスマートフォン、IoT、自動車、デジタル家電など様々な最終市場をカバーする11,878の製品を製造しました。同社は半導体業界において重要なポジションを占めており、顧客にはアップルやエヌビディア、アドバンスト マイクロ デバイシズ、クアルコムなどを抱えています。日本の熊本県にある第1工場が2024年末に量産を開始しており、第2工場の建設は今年開始予定です。また、米国アリゾナ州の第1工場も量産を開始しており、第2工場と第3工場の計画も順調に進んでいます。AI需要が強く、会社側は2024年からの5年平均売上高成長率が米ドルベースで20%に近づくとの見通しを示しました。「ディープシーク・ショック」を背景に1/27の米国株式市場で同社株は急落したものの、AI関連銘柄の中核を成す同社のファンダメンタルズは健全で(会社側の1-3月期米ドルベース売上高見通しは市場予想を上回る)、株価は史上最高値圏です。 1. 24年10-12月期は売上高が前年比39%増、純利益が同57%増で市場予想を上回る 2.株価が史上最高値圏で推移 3.アナリスト評価は買い25人、中立1人、売り0人
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5インテューイティブ サージカル(ISRG)
カリフォルニア州に本社があり、手術支援ロボット「ダビンチ(一般外科や泌尿器科などで患者さんへの負担が少ない低侵襲手術を可能にする)」で有名です。1995年に設立され、ロボット手術支援システムの開発・製造・販売を行っています。日本の大学病院でも導入されています。2024年には世界で約9,900台のダビンチが稼働し、これまでにダビンチ手術を受けた患者さんは世界で1,694万人以上にのぼります。地域別売上高では米国が主力です。なお、24年10-12月期におけるダビンチ手術症例数は前年比18%増でした。市場予想の長期EPS成長率は約16%で、ファンダメンタルズは健全と言えそうです。メドテック(医療とテクノロジーの融合)の代表的な銘柄としてマーケットの期待も高く、株価は史上最高値圏です。 1.24年10-12月期は売上高が前年比25%増、EPSが同38%増で市場予想を上回る 2.株価が史上最高値圏で推移 3.アナリスト評価は買い22人、中立11人、売り1人
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