
(画像=SBI証券)
米国株式市場のポイントや注目銘柄として個別株5銘柄をご紹介いたします。コンテンツは毎月1回の更新予定ですので、ぜひご参考になさってください。4月のコンテンツのテーマは「好決算期待」です。
この記事は2025年4月1日にSBI証券で公開された「アナリスト注目の銘柄は?相場先読み!米株特集」を転載したものです。 掲載記事:アナリスト注目の銘柄は?相場先読み!米株特集 |
3月の米国株式市場を振り返ると、トランプ関税による景気減速懸念やインフレ懸念などを背景に軟調な展開となり、ナスダックが調整局面入りしました。また、3/31時点でS&P500指数はピークから約9%安で調整局面入りが視野に入りつつあります。米株を牽引してきたマグニフィセント・セブン指数はピークから約21%下落して弱気相場入りしています。トランプ大統領が米国産以外の自動車への輸入関税賦課を命じる布告に署名したほか、ミシガン大学消費者マインド指数が市場予想を下回り、1年期待インフレ率が市場予想を上回ったことで米国経済への不透明感が高まった事もネガティブ材料視されました。セクター(S&P500の11業種)の動きではエネルギーや公益が上げて、一般消費財・サービスや情報技術、コミュニケーション・サービスなどが下げました。個別株ではバークシャー ハサウェイ B(BRKB)やデューク エナジー(DUK)、マクドナルド(MCD)などが上場来高値圏で、アルトリア グループ(MO)やAT&T(T)などが52週高値圏です。
4月の米国株の注目点は、①相互関税(2日発表見通し)と自動車関税、②雇用統計(4日発表予定)、③CPI(10日発表予定)、④決算発表シーズン、⑤1-3月期実質GDP成長率(30日発表予定)と考えています。トランプ大統領は4/2に相互関税について発表する見通しです。対象国との関税応酬につながる可能性もありこの点は注意が必要です。自動車関税も発動が見込まれており、2つの関税発動後のマーケットの反応が注視されます。これら関税をネガティブ材料視して米国株は先行して下げてきたため一旦出尽くしになるのか、引き続き懸念されるのか4月の米国株式市場で最大級のポイントになりそうです。雇用統計は非農業部門雇用者数の増加が市場予想で前月比14.0万人増と前回(同15.1万人増)からやや減速見通しで、失業率は4.1%と前回(同4.1%)並みの見通しです。また、CPI(消費者物価指数)は市場予想で前年比2.6%増と前回(同2.8%増)からインフレ鈍化見通しです。実質GDPに関しては、プラス成長を維持できるかどうか注目されます。これらの点から、4月はトランプ関税の悪影響がインフレや景気全体に波及しているのかどうかを確認する非常に重要な時期となりそうです。経済指標が市場予想並みに落ち着き、影響があまり出ていないことが確認できれば株式市場はポジティブ材料視する可能性があります。
今回のコンテンツのテーマは「好決算期待」です。S&P500指数採用銘柄の25年1-3月期EPS成長率は前年比で約7%増の見通しです。セクター別ではヘルスケアが約36%増、情報技術が約15%増と全体の伸びを上回る2桁の好成長見通しです。4月は決算発表シーズンでもあり、投資家の注目がトランプ関税から企業業績に徐々に移行することが想定され、好決算期待銘柄は関心を集めやすいと考えられます。
当コンテンツはBloombergデータ、各社資料、各種報道、当社Webサイトを基にSBI証券が作成
投資情報部 齊木 良
SBI証券 アナリスト注目銘柄
今回の5銘柄の選定ポイントは次の3点です。
1.1-3月期の市場予想EPS成長率がS&P500指数全体を上回る見通し(黒字転換を含む)
2. 年初来パフォーマンスがS&P500指数を上回る(3月31日まで、4.6%安)
3.アナリスト評価が「買い」と「中立」で全体の5割以上
1ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMY) ニュージャージー州に本社がある世界的な大手製薬企業です。開発や製造、マーケティングなどに従事しています。2024年12月期の売上高比率はグロース・ポートフォリオ(がん免疫治療薬「オプジーボ」や関節リウマチ治療薬「オレンシア」など)が47%、レガシー・ポートフォリオ(抗凝固薬「エリキュース」など)が53%です。地域別では米国が71%、海外27%、そのほか(ロイヤルティなど)2%です。昨年9月には米国において成人向け統合失調症治療薬「コベンフィ」の承認を取得し、新たな成長ドライバーとして期待が高まります。また、2027年末までにさらに約20億ドルのコスト削減を計画しています。今期市場予想配当利回りは約4.1%で、好配当銘柄としても注目されそうです。 1.1-3月期EPSは黒字転換見通し 2. 年初来パフォーマンスは7.8%高 3.アナリスト評価は買い7人、中立21人、売り2人
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2ギリアド サイエンシズ(GILD) カリフォルニア州に本社があり、過去30年以上にわたり数々のブレイクスルーを成し遂げてきたバイオ医薬品企業です。HIVやウイルス性肝炎、COVID-19、がんといった生命を脅かす疾患領域に注力しており、およそ世界35カ国で事業展開しています。2024年12月期の売上高比率は抗HIV治療薬(「ビクタルビ」など)が68%、肝疾患治療薬(「ソホスブビル」など)11%、腫瘍学(「イエスカルタ」など)11%などで、地域別では製品売上高の7割強を占める米国が主力です。同社の年2回投与型HIV感染予防薬「レナカパビル」について、FDA(米食品医薬品局)から優先審査指定を受けました。承認されれば、最初で唯一の年2回投与型予防薬になる見通しです。2025年12月期のEPS成長率は市場予想で約7割と好成長見通しです。 1.1-3月期EPSは黒字転換見通し 2.年初来パフォーマンスは21.3%高 3.アナリスト評価は買い19人、中立12人、売り0人
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3イーライ リリィ(LLY) インディアナ州に本社がある大手製薬企業です。開発や製造、マーケティングに従事しています。米国を始め、欧州やアジアに製造拠点があり、製品はおよそ95カ国で販売されています。2024年12月期の売上高比率は糖尿病治療薬「マンジャロ」が26%、乳がん治療薬「ベージニオ」12%、肥満症治療薬「ゼップバウンド」11%、糖尿病治療薬「ジャディアンス」7%などです。地域別では米国が67%、海外33%です。調整後粗利益率や営業利益率が改善し(2024年12月期はぞれぞれ前年比1.8pts上昇の82.5%、11.2pts上昇の31.8%)、豊富な製品パイプラインがあります。なお、2月には米国での製造拠点4つの建設計画を明らかにしました。この計画で2020年以降の投資額が500億ドルを超え、積極投資となる見込みです。 1.1-3月期EPSは前年比81%増の見通し 2. 年初来パフォーマンスは7.0%高 3.アナリスト評価は買い28人、中立6人、売り1人
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4フォーティネット(FTNT) カリフォルニア州に本社があるサイバーセキュリティ企業です。パロ アルト ネットワークス(PANW)やチェックポイント ソフトウェア テクノロジ(CHKP)などが競合です。顧客数はおよそ83万社で、米国内特許数は業界トップクラスです。2009年のIPO以降、GAAPベースで毎年黒字を達成しており、優良企業と評価できそうです。企業向けのネットワークセキュリティが強みで(ネットワークファイアウォールの市場シェアは5割強)、金融やヘルスケア、製造業、小売り、テクノロジーなど幅広い産業で同社サービスが採用されています。潜在市場規模は2024年の1,830億ドルから2028年には2,840億ドルへの拡大が見込まれています。アナリストのコンセンサス目標株価は$115.39と3/31終値からおよそ2割のアップサイドの可能性があります。 1.1-3月期EPSは前年比24%増の見通し 2.年初来パフォーマンスは1.9%高 3.アナリスト評価は買い17人、中立26人、売り2人
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5KLA(KLAC) カリフォルニア州に本社があり、検査・測定などを手掛ける半導体関連企業です(半導体企業向けのプロセス制御や歩留まり管理など)。競合はアプライド マテリアルズやASML ホールディングス NYRSなどです。2024年6月期の地域別売上高比率は中国が43%、台湾18%、北米11%、日本10%、韓国9%などです。ファウンドリ大手の台湾セミコンダクター(TSMC)は2024年6月期売上高の1割強を占める主要顧客です。TSMCの25年1月及び2月売上高成長率が24年通年の成長率をそれぞれ上回っており、主要顧客の堅調なファンダメンタルズが同社にとってポジティブ材料と考えられます。中長期的にはAIと高パフォーマンスコンピューティングへの投資拡大が成長のけん引役として期待されます。 1. 1-3月期EPSは前年比54%増の見通し 2.年初来パフォーマンスは7.9%高 3.アナリスト評価は買い19人、中立11人、売り0人
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