
外国債券投資は、高利回りや通貨分散の効果が期待できる一方で、国内債券にはないコストが必要になります。
本記事では、外国債券投資におけるコストや手数料の仕組みをわかりやすく解説します。
目次
1-1. 為替手数料
1-2. 外国証券管理料(カストディフィー)
1-3. スプレッド(売買価格差)
1-4. 利益への課税
2-1. 利子にかかる税金
2-2.譲渡益・償還差益にかかる税金
2-3.損益通算について
1.外国債券投資にかかる手数料等一覧
外国債券への投資は、日本国内の低金利環境において魅力的な選択肢となりますが、国内債券とは異なる特有のコストが発生します。
この章では、外国債券投資に際して投資家が実際に負担することになる各種手数料やコストについて解説します。
これらを正確に理解することは、投資判断や期待リターンの計算において非常に重要です。
1-1. 為替手数料
外国債券への投資では、外貨が必要になります。投資対象の外貨をすでに保有している場合を除き、日本円から投資対象通貨への両替が必要となります。この際に発生するのが為替手数料です。
主要通貨である米ドルやユーロの場合、1通貨単位あたりの手数料は約25銭〜1円が一般的です。一方で、新興国通貨の場合、相対的に高い為替手数料が設定されていることも珍しくなく、100万円を両替すると数万円の為替手数料が発生することになります。
外貨建て商品を選ぶ際は、利回りの高さだけでなく、為替手数料を事前に確認し、実質的な運用成績にどの程度影響するかを見極めるようにしましょう。
1-2. 外国証券管理料(カストディフィー)
外国債券を保有する際には、「外国証券管理料(カストディフィー)」という保有コストが発生する場合があります。これは、債券を保管・管理するために、海外の保管機関(カストディアン)や国際的な証券決済機関に対して支払う費用で、証券会社が投資家に転嫁する形で徴収されます。
具体的には、債券の名義管理、利金・償還金の受け渡し、コーポレートアクションの処理などの業務の対価として、保有期間中に継続して発生するもので、長期保有する場合は特に無視できないコストとなります。
手数料の水準は証券会社ごとに異なり、無料の場合もありますが、たとえば年間3,300円〜11,000円程度の定額制を採用しているケースもあるため、事前の確認が大切です。
1-3. スプレッド(売買価格差)
債券の取引では、購入時の価格(オファー価格)と売却時の価格(ビッド価格)の間にスプレッドが存在し、これが実質的な取引コストとなります。
債券のスプレッドは、マーケットメーカーや証券会社が担うリスクや取引コストをカバーするために設定され、主に以下の要素によって影響を受けます。
・流動性 取引量が少ない債券ほどスプレッドは拡大する
・信用力 発行体の信用力が低いほどスプレッドは拡大する
・残存期間 長期債ほどスプレッドが拡大する傾向がある
・市場環境 市場の不安定性が高まるとスプレッドは拡大する
米国債や欧州の主要国国債など流動性の高い債券では、スプレッドは比較的小さく設定されています。一方、社債や新興国債券、流動性の低い債券では、スプレッドが大きくなるのが一般的であり、市場環境の悪化時にはさらに拡大することがあります。
このようなスプレッドの存在は、短期売買を繰り返す投資戦略には大きなコスト負担となるため、外国債券投資では中長期的な保有を前提とした戦略が有効となるでしょう。
1-4. 利益への課税
外国債券から得られる収益は、国内の税制に基づいて課税されます。
外国債券投資における課税対象は主に以下の2つです。
・利子(利子所得):定期的に支払われる利子
・譲渡益・償還差益(上場株式等の譲渡所得等):債券の売却や償還による日本円換算での差益
これらの所得に対しては、一律20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)の税率で課税されます。
外国債券への投資を検討する際には、これらの税金や手数料などのコストを総合的に考慮し、実質的な期待リターンを慎重に見積もることが重要です。また、外国証券管理料は長期保有を前提とした投資でも継続的に発生するため、投資期間全体での影響を考慮する必要があります。
2.外国債券にかかる税金について
投資によって得られる利益には、税金が課されます。