宮田成華インタビュー 前編「不安なときこそ自分を鼓舞する」重圧と向き合うためのメンタル術の後編です。

【不安や重圧と向き合うためのメンタル術】
━━ゴルフはメンタルの比重が大きいスポーツですが、プレーをするうえで意識していることはありますか
メンタルトレーニングもしています。不安を感じたときに、いかに自分を信じてプレーできるかが大切だと思っています。
私はあまり気持ちが強いほうではないので、試合中も自分に言い聞かせるように、ブツブツと言葉を口にするんです。脳に錯覚させるような感覚ですね。
試合中に持ち歩いているメモにも、自分を鼓舞するシンプルな言葉を書いています。ネガティブに考えてしまうことがあるので、できるだけポジティブな方向に気持ちを持っていけるような言葉を選んでいます。
━━常に重圧と背中合わせだと思いますが、どのように向き合っていますか
もともと、一人になると、いろいろ考え込むタイプなんです。ある程度まで考えたら一度寝て、最終的には「まあ、仕方ないか」と思えるところまで気持ちを整理するようにしています。
毎年、シード権を獲得できるかどうかの瀬戸際で戦っているので、後悔しないように、その時にできることをやり切ろうと考えています。

━━ゴルフや、それ以外のことで相談したり、助言をもらったりする存在はいますか
試合から帰ってきたら、ゴルフとは関係のない友達と会って、話を聞いてもらっています。
家族は、厳しいことも含めて意見を言ってくれる存在ですね。
━━移動時間はどのようにして過ごしていますか
音楽を聴いたり、動画配信サービスで映画を観たりしています。飛行機では基本的に寝ます。どこでも何時間でも寝られるのは才能だと思っています(笑)。
飛行機ではいつも爆睡していますし、海外に行っても時差ぼけになったことがないくらいです。
【次世代につなげたい「憧れ」の存在】
━━女子プロゴルフは長く高い人気を誇っていますが、選手として、その人気の高さを実感することはありますか
あります。若い選手も増えていますし、試合数やメディアへの露出も増えていますよね。活躍した選手がバラエティ番組に出演する機会も増えて、すごく注目してもらえているんだなと感じます。
業界全体でSNSを活用するなど、情報発信の工夫をしていることも人気につながっていると思います。
━━ご自身がジュニアの頃と比べても、環境は変わってきていますか
今後、子どもたちの競技人口がさらに増えたら嬉しいですね。
私たちの世代は宮里藍さん、その少し下の世代は渋野日向子さんに憧れてゴルフを始めた人が多いと思います。今の小学生くらいの子どもたちが、誰に憧れているのかは気になりますね。

━━ご自身もキャリアを重ねてきた中で、周囲の変化などは感じますか
後輩が増えたなとは思います。でも、自分や自分の周囲は、あまり変わっていないですね。
【不安定な職業だからこそ向き合うお金】
━━お金の使い方や考え方は、年齢を重ねる中で変わりましたか
変わりましたね。ちゃんと貯めておかないと、と思うようになりました。不安定な職業ですし、退職金もありません。
今から考えておかないと40代、50代になって試合に出られなくなったときに困るなと思っています。
━━お金の管理はご自身でされていますか
基本的には、母と兄にお願いしています。初めてスポンサーについてもらうことになったときに、お金の管理は母に任せると決めました。その当時はまだ実家にいましたし、もともと派手に使うタイプでもなかったので。
貯蓄や運用など、お金について相談するときは、金融関係の仕事をしている兄に相談しています。
━━現在、資産運用もされていますか
全世界の株式に投資する「オール・カントリー」を積み立てています。兄に相談したところ、「運用は若いうちからした方がいい」と勧められたことがきっかけです。
私はゴルフ一筋でやってきたので、お金について詳しいわけではありません。兄にいろいろ教えてもらいながら、最近は自分でも少しずつ勉強しています。
ゴルフに全力を注ぐのはもちろんですが、将来のことを考えると、資産運用も大切だと思っています。
【ゴルフの先に描く、これからのキャリア】
━━プロゴルファーとして、これから先もゴルフを続けていく中で、目標としていることはありますか
やっぱり優勝したいです。
━━もしプロゴルファーでなかったとしたら、どんな仕事をしていたと思いますか
体育の先生とか、スポーツ選手をサポートする仕事をしていたと思
〈プロフィール〉

宮田 成華(みやた なるは)
1997年11月7日生まれ。日本の女子プロゴルファー。東京都町田市出身。
共立女子第二高校卒業。幼少期は水泳やクラシックバレエなど多彩な競技を経験し、10歳でゴルフを始める。2017年から単年登録でプロトーナメントに出場して経験を積み、2019年に4度目の挑戦でJLPGAプロテストに合格。
平均飛距離240ヤードのドライバーと、攻めの姿勢を貫くプレースタイルを武器にツアーで活躍。2023年の「資生堂レディス」で4位、2025年の「ヨネックスレディス」で自己最高位の3位タイに入るなど幾度も上位進出を果たしている。2023年からは日立建機日本に所属し、レギュラーツアー初優勝へ向けて第一線で躍動し続けている。
