M&Aの手数料相場と、契約前の確認事項|基準額で金額が変わる仕組み

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M&Aの手数料相場と、契約前の確認事項|基準額で金額が変わる仕組み

M&Aを検討する経営者が最初に直面する疑問の1つが、「仲介会社やアドバイザーに支払う手数料は、結局いくらになるのか」というものです。実はこの問いに即答できないのには理由があります。

手数料は複数の費目に分かれており、しかも成功報酬の計算では「何に料率を掛けるか」という基準額の定義が会社によって異なるため、同じ売却価格でも支払総額が大きく変わる可能性があります。

本記事では、中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」(2024年8月改訂)の内容を軸に、手数料の仕組みと金額が変わる理由、そして契約前に確認すべき事項を整理します。

なお、本記事は特定のM&A仲介会社・アドバイザーの利用を推奨・勧誘するものではなく、公的なガイドラインに基づいてご自身で確認・判断いただくための材料を中立的に整理することを目的としています。

1. M&Aの手数料は何にいくらかかるのか

1-1. 手数料は主に6つの費目に分かれる

M&A仲介会社・FA(フィナンシャル・アドバイザー)に支払う費用は、1つの金額ではなく、発生するタイミングの異なる複数の費目で構成されています。中小企業庁「中小M&Aガイドライン」では、仲介者・FAの手数料の基本体系として、①着手金(契約時に支払う)、②月額報酬(定額を毎月支払う)、③中間金(基本合意締結時など案件完了前の一定時点に支払う)、④成功報酬(案件完了時に支払う)の4つに分類されることが基本とされています。

実務ではこれに、契約前の⑤相談料と、交通費や外部専門家への支払いなどの⑥実費を加えた6つの費目に分けて考えると、M&Aにかかる費用の全体像を把握しやすくなります。重要なのは、同ガイドラインも指摘するとおり、これらすべてを請求する会社もあれば、成功報酬を中心とした料金体系を採用している会社もあります。

つまり「手数料はいくらか」は、費目ごとの有無と金額を確認して初めて答えが出る問いなのです。

※出典:中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)-第三者への円滑な事業引継ぎに向けて-」(令和6年8月)
https://www.meti.go.jp/press/2024/08/20240830002/20240830002-b.pdf

1-2. 総額は売却価格や基準額によって異なる

費目の中で最も金額が大きくなるのが、通常は成功報酬です。成功報酬の算定には、「レーマン方式」と呼ばれる計算方法が実務上多く用いられています。

レーマン方式とは、基準となる価額を金額の階層に分け、階層ごとに異なる料率を掛けて合算する方式です。「中小M&Aガイドライン」では一般的な例として、基準となる価額が5億円以下の部分に5%、5億円超10億円以下の部分に4%、10億円超50億円以下の部分に3%——というように、金額が大きくなるほど料率が下がる設定が紹介されています。

例えば基準となる価額が8億円の場合、5億円×5%=2,500万円と、残り3億円×4%=1,200万円を合算した3,700万円が成功報酬となります(ガイドライン記載の計算例)。

ここで注意すべきは、料率を掛ける「基準となる価額」はすべてのM&A仲介会社・FAで同じとは限らないという点です。この基準額の違いこそが、同じ売却価格でも手数料が変わる最大の理由です。これは第2章で詳しく見ていきます。

1-3. 完全成功報酬でも実費は発生する

「完全成功報酬制」を掲げる会社の場合、着手金・月額報酬・中間金は発生せず、成約まで手数料を支払う必要はありません。ただし、「完全成功報酬=成約まで支出ゼロ」とは限らない点には注意が必要です。

M&Aのプロセスでは、手数料とは別に、士業専門家への依頼費用が発生する場面があります。代表的なものが、譲り受け側が実施するデューデリジェンス(買収監査:対象会社の財務・法務等の調査)への対応や、契約書の確認を自社側の弁護士・税理士に依頼する場合の費用です。

また、契約内容によっては交通費などの実費が別途請求される場合もあります。「成功報酬以外にどのような名目の費用が発生しうるか」を契約前に書面で確認しておくことが、想定外の支出を防ぐ第一歩になります。

2. 同じ売却価格でも手数料が変わる理由

複数の会社から同じ「レーマン方式・料率5%」という説明を受けても、実際の支払額は同じになるとは限りません。本章では、その仕組みを3つの理由に分けて解説します。

理由①:何を基準に料率を掛けるかが会社によって違う

レーマン方式の計算結果を左右するのは、料率そのものよりも、「料率を何に掛けるか」という基準となる価額の定義です。第1章で挙げたガイドラインでも、成功報酬の算定基準には複数の考え方が存在するとされており、代表的なものとして次のような基準があります。

・譲渡額(株式価値)基準:株式譲渡の対価そのものを基準とする考え方
・移動総資産基準:譲渡額に負債総額を加えた、譲り受け側に移動する資産全体を基準とする考え方
・企業価値基準:譲渡額に有利子負債を加えた金額を基準とする考え方

同じ「料率5%」でも、掛け算の元になる金額がこれだけ異なれば、結果は当然変わります。基準となる価額が大きい定義を採用している会社ほど、同じ売却価格に対する成功報酬は大きくなります。契約書や提案書で「レーマン方式」という言葉だけを確認して安心せず、「基準となる価額はどれか」まで確認することが不可欠です。

理由②:負債が大きいほど基準額の差が開く

基準額の定義の違いは、負債の大きい会社ほど重大な意味を持ちます。仮の計算例で確認してみます。

例えば、株式の譲渡額が1億円、負債が4億円の会社を考えます。譲渡額基準であれば、基準となる価額は1億円であり、料率5%なら成功報酬は500万円です。一方、移動総資産基準であれば、基準となる価額は譲渡額1億円+負債4億円=5億円となり、同じ料率5%でも成功報酬は2,500万円——譲渡額基準の5倍に達します。

このように、売却価格(譲渡額)に対する負債の比率が高い会社ほど、基準額の定義による手数料の差は拡大します。借入で設備投資を行ってきた製造業や、不動産を多く保有する会社など、事業の性質上負債が大きくなりやすい会社の経営者は、とりわけこの点の確認が重要になります。

逆に言えば、無借金に近い会社では基準額による差は小さくなります。自社の貸借対照表と照らして、基準額の違いが自社の場合いくらの差になるのかを試算してみることが重要です。

理由③:最低報酬額が設定されている

3つ目の理由が、最低報酬額(最低手数料)の存在です。

多くの仲介会社・FAは、レーマン方式の計算結果がいくら小さくても、一定額を下回らない「最低報酬額」を設定しています。「中小M&Aガイドライン」でも、最低手数料は設定されることが多いものとして取り上げられており、第3版では、その金額の分布状況や適用事例の紹介が盛り込まれました。

最低報酬額が実質的な意味を持つのは、譲渡額が小さい案件です。例えば最低報酬額が2,000万円と設定されている場合、レーマン方式の計算上は500万円にしかならない小規模な譲渡でも、支払う成功報酬は2,000万円になります。

譲渡額に対する手数料の比率で見ると、案件が小さいほど負担率は重くなる構造です。最低報酬額の水準は仲介会社・FAによって大きく異なるため、自社の想定譲渡規模に照らして、「レーマン方式の計算結果」と「最低報酬額」のどちらが適用されるのかを契約前に把握しておく必要があります。

3. 契約前の確認事項

手数料の仕組みが会社によって異なる以上、契約前の確認が決定的に重要になります。この点について、2024年8月に改訂された中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」では、仲介者・FA側に対する説明のルールが明確化されました。

依頼者である経営者にとっては、「何を説明してもらえるはずか」を知っておくことが、M&A仲介会社・FAを選ぶ際の判断材料になります。

3-1. 2024年8月から契約前の書面交付が求められている

中小M&Aガイドライン第3版では、仲介者・FAは、仲介契約・FA契約の締結前に、契約に係る重要な事項を記載した書面を交付して、依頼者に明確な説明を行い、納得を得ることが求められています。

つまり、口頭説明だけで契約を迫られる状況は、ガイドラインが想定する手続きから外れているということです。ガイドラインは法律ではありませんが、後述するとおりM&A支援機関登録制度の要件と結びついており、登録機関に対しては実質的な行動基準として機能しています。

依頼者側から見れば、「重要事項を記載した書面を契約前に受け取り、説明を受け、不明点を解消してから契約する」という手順がガイドライン上の標準であり、書面を求めても交付されない場合は、それ自体が契約先を見直す判断材料になります。

※出典:中小企業庁「中小M&Aガイドライン改訂(第3版)に関する概要資料」(令和6年8月)
https://www.meti.go.jp/press/2024/08/20240830002/20240830002-ar.pdf

3-2. 説明の対象には相手方の手数料も含まれる

第3版の重要なポイントの1つが、説明すべき手数料の範囲です。

仲介者は、譲り渡し側・譲り受け側の双方と契約する場合、両当事者から手数料を受領することがあります。このとき依頼者(例えば譲り渡し側)にとっては、自分が支払う手数料だけでなく、相手方(譲り受け側)が支払う手数料も無関係ではありません。

中小企業庁のガイドライン第3版に関するQ&Aでは、着手金・月額報酬・中間金・成功報酬といった報酬の発生タイミングについて、相手方を含めた手数料の総額がM&Aの成立やその条件(譲渡額等)に影響を与える可能性がある旨も含めて、依頼者に説明することが求められています。

※出典:中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)に関するQ&A」
https://www.meti.go.jp/press/2024/08/20240830002/20240830002-e.pdf

譲り受け側が支払う手数料総額が大きければ、その分、譲り受け側が譲渡対価に充てられる資金は圧縮されうる——この構造を踏まえると、「相手方はいくら払うのか」は、譲り渡し側の手取りに関わる確認事項だと言えます。

3-3. 業務の内容と手数料の対応関係も対象

もう1つのポイントが、「その手数料でどのような支援を受けられるか」の説明です。

中小M&Aガイドライン第3版では、手数料に関する説明とあわせて、提供される業務に関する事項——プロセスごとに提供される業務の内容、マッチングの難易度、仲介者・FAのネットワークや担当者の専門的知見・経験年数・成約実績等——を確認することの重要性が示されています。手数料の金額だけを比較しても、その対価として提供される業務の範囲と質が異なれば、比較として成立しないためです。

バリュエーション(企業価値の算定)、相手先の探索、交渉支援、契約書作成の支援——どこまでが手数料に含まれ、どこからが別料金や外部専門家の領域なのか。金額と業務内容をセットで説明してもらい、支払う金額に見合った支援を受けられるかを判断することが、M&A仲介会社・FAを選ぶうえで重要なポイントになります。

3-4. ガイドラインの遵守は登録制度の要件になっている

「ガイドラインに法的拘束力がないなら、守られる保証もないのでは?」という疑問に対しては、M&A支援機関登録制度が答えになります。

国は、M&A支援機関の登録制度を設けており、登録を受けるにはガイドラインの遵守を宣言することが要件とされています。さらに2024年度からは、登録機関が自らの手数料体系を登録制度のホームページ上で公表する仕組みも導入されました。つまり、登録機関については、①ガイドライン遵守を公に宣言しており、②標準的な手数料体系を事前にウェブ上で確認できる、という2つの担保があることになります。

※出典:中小企業庁「M&A支援機関登録制度ホームページにおいて、登録支援機関の手数料体系の公表を開始しました」(令和6年8月30日)
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2024/240830_02.html

依頼者側としては、契約を検討している会社が登録機関かどうか、そして登録制度上で公表されている手数料体系が、実際の提案内容と一致しているかを確認する——この2段階のチェックが、ガイドラインを「自分を守る道具」として使う具体的な方法です。

4. 仲介とFAでは立場が違う

手数料の話を正確に理解するには、その手数料を受け取る側の「立場」を知っておく必要があります。M&Aの支援者は、大きく「仲介者」と「FA(フィナンシャル・アドバイザー)」に分かれ、両者は契約の構造がまったく異なります。「中小M&Aガイドライン」でも、この違いは契約前に説明すべき重要事項の筆頭に挙げられています。

4-1. 仲介は双方から、FAは片側から手数料を受け取る

仲介者とは、譲り渡し側・譲り受け側の双方と契約を締結し、双方に助言する立場です。中立的な立場で両者の間に立ち、マッチングから成約までを取り持ちます。この場合、手数料は両当事者から受領することがあります。

一方、FAは、一方の当事者のみと契約を締結し、契約した側のみに助言する立場です。譲り渡し側と契約したFAは譲り渡し側の利益のために、譲り受け側と契約したFAは譲り受け側の利益のために働き、手数料も契約した側からのみ受け取ります。

どちらが優れているという話ではなく、性質の異なる支援形態です。仲介は双方の合意形成を重視する中小M&Aの実務で広く用いられており、FAは自社側の利益を追求する助言者を明確に置きたい場合に選ばれます。ガイドラインでも、この違いとそれぞれの特徴は、契約前の書面交付・説明の対象とされています。

4-2. 双方から受け取る場合に利益相反が生じうる

仲介という形態には、その構造上、利益相反のリスクがあります。譲り渡し側は「できるだけ高く売りたい」、譲り受け側は「できるだけ安く買いたい」——両者の利益は、譲渡額を巡って正面から対立します。

その双方から手数料を受け取る仲介者は、どちらか一方の利益だけを追求できない立場にあり、ここに利益相反(一方の利益が他方の不利益になりうる状況)が生じうるのです。

これは仲介という支援形態そのものが不適切だという意味ではなく、双方代理という構造に内在する性質です。だからこそガイドラインは、仲介者に対し、利益相反のおそれがある事項を認識した場合には依頼者へ適時かつ明示的に開示することなどを求めています。依頼者側は、この構造を前提として理解したうえで、仲介者が管理・開示についてどのような方針をとっているかを確認することが大切です。

4-3. 禁止される行為が具体的に示されている

ガイドライン第3版では、利益相反の懸念に対応するため、仲介者・FAが行ってはならない行為が具体化されました。

代表的なものが、譲渡額の誘導の禁止です。中小企業庁の改訂概要資料およびQ&Aでは、仲介者について、追加の手数料を支払う者やリピーター(繰り返し取引のある譲り受け側等)を優遇し、当事者のニーズに反したマッチングを優先的に実施することや、譲渡額を誘導することなどの禁止が明記され、さらに、これらの禁止事項を仲介契約書に仲介者の義務として定める旨も示されています。

つまり、「手数料を多く払ってくれる側に有利な条件へ誘導する」という、依頼者が最も懸念する行為が、明文で禁止行為として位置づけられたということです。

加えて第3版では、譲り渡し側の名称を譲り受け側へ開示(ネームクリア)する前に譲り渡し側の同意を取得することなど、情報の取り扱いに関する規律も明確化されました。仲介契約書にこれらの禁止事項・義務がどのように反映されているのか確認することは、支援者の姿勢を見極める重要なチェックポイントです。

5. 契約前に確認しておくこと

ここまでの内容を、契約前のチェックリストとして整理します。いずれもガイドラインが書面交付・説明の対象としている事項であり、確認の際は口頭ではなく、書面・契約書のどこに記載されているかを特定しながら進めることが大切です。不明な点があれば契約前に質問し、内容を理解したうえで契約することが重要となります。

5-1. 料率を掛ける基準額はどれか

最初に確認すべきは、料率を掛ける「基準となる価額」の定義です。第2章で見たとおり、この定義の違いは、特に負債の大きい会社では手数料額を数倍変えうる、最も影響の大きい確認事項です。

確認内容としては、定義の名称を聞くだけでなく、自社の直近の貸借対照表を前提に「仮に譲渡額が◯円だった場合、基準となる価額はいくらで、成功報酬はいくらになるか」という具体的な試算を書面で示してもらうことが契約後の認識のズレを防ぎやすくなります。複数の会社を比較する場合も、同じ想定譲渡額での試算を並べることで、初めて実質的な比較が可能になります。

5-2. 最低報酬額はいくらか

2つ目は、最低報酬額(最低手数料)の有無と水準です。

自社の想定譲渡規模に対してレーマン方式の計算結果と最低報酬額のどちらが適用されるのか、その場合の手数料が譲渡額の何割に相当するのかを確認します。「最低報酬額の適用で、譲渡対価の相当部分が手数料に充てられる」という事態を契約後に知ることがないよう、この確認は契約前に済ませておく必要があります。

5-3. 成功報酬以外に発生する費用はあるか

3つ目は、費目の全体像です。第1章で見た6つの費目(相談料・着手金・月額報酬・中間金・成功報酬・実費)について、それぞれの有無・金額・発生タイミングを確認します。

あわせて確認したいのが、着手金や中間金を支払った後にM&Aが成立しなかった場合の扱い(返金の有無)と、成立した場合にそれらが成功報酬の一部に充当されるのか、それとも成功報酬とは別に支払う必要があるのか、という点です。

また、契約終了後一定期間内に成約した場合に手数料を請求される条項(テール条項)の有無・期間・対象範囲も、ガイドラインが規律の対象とした事項であり、契約書上で確認しておくべき項目です。

5-4. 相手方から受領する手数料の体系・条件

4つ目は、仲介者が相手方から受領する手数料です。

第3章・第4章で見たとおり、相手方を含めた手数料の総額は、M&Aの成立や譲渡額等の条件に影響を与える可能性があるものとして、依頼者への説明の対象とされています。自分が支払う手数料と同じ解像度で、相手方の手数料の体系・条件についても説明を求め、あわせて利益相反への対応方針と禁止事項の契約書への反映状況を確認する——この段階に達して、契約前の確認は一通り完了します。

なお、これらの確認に対する相手の応じ方そのものが、支援者を見極める材料になります。ガイドラインが標準的な手続きを示している以上、書面での説明に誠実に応じることは、登録機関であれば本来当然の対応です。

6. まとめ

M&Aの手数料が「分かりにくい」と言われる理由は、単一の金額ではなく複数の費目で構成されていること、そして最大の費目である成功報酬が、料率を掛ける「基準となる価額」の定義によって大きく変わることにあります。同じレーマン方式・同じ料率でも、譲渡額基準か移動総資産基準かどうかで手数料が数倍変わる可能性があります。

特に負債の大きい会社ほどこの差は開きます。さらに最低報酬額の存在により、譲渡規模が小さい案件では、計算式とは別の水準が適用される点にも注意が必要です。

こうした構造を踏まえ、2024年8月改訂の中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」は、契約締結前の重要事項を記載した書面を交付し、その内容を明確に説明することを仲介者・FAに求めています。説明の対象には、自分が支払う手数料だけでなく、仲介の場合の相手方の手数料、手数料に対応する業務の内容も含まれます。

そしてガイドラインの遵守はM&A支援機関登録制度の要件とされ、登録機関の手数料体系は事前にウェブ上で確認できるようになりました。仲介とFAの立場の違いと、仲介に構造的に内在する利益相反、譲渡額の誘導などの禁止事項が明文化されたことも、依頼者が知っておくべき前提です。

契約前の確認事項は、①基準となる価額の定義(自社の数字での試算)、②最低報酬額の有無と水準、③成功報酬以外の費目と返金・充当・テール条項の扱い、④相手方から受領する手数料の体系・条件——の4点に集約されます。

M&Aは多くの経営者にとって一度きりの取引であり、契約後に手数料の仕組みを知っても遅いのが実情です。公的なガイドラインという物差しを手に、書面で確認し、納得してから契約する。本記事がそのための準備材料となれば幸いです。

ファーストパートナーズでは、富裕層・資産形成層の方々に対して、ニーズに寄り添ったさまざまなサービスのご提案を行っております。

※ご相談は無料で承っておりますが、その内容により、個別の商品・銘柄・売買の方法・時期等に言及する場合があります。

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長竹 祐樹

大学卒業後、新卒で銀行へ入行。支店業務(担当地域の個人・法人のお客様へ資産運用や融資の提案を主に実施)を経験後、本部へ異動し富裕層や相続・事業承継業務及び支店管理、提携先との連携や折衝を経験。頭取表彰や本部長表彰等受賞。銀行の求めるものとお客様の求めるものとのずれを感じ、株式会社ファーストパートナーズへ転職。現在は幅広いサービスや金融商品をお客様に案内できる環境にあり、お客様のニーズから真に求めるものを提案できるよう日々行動している。

保有資格:証券外務員一種、内部管理責任者、生命保険協会認定保険募集人、FP二級技能検定資格

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