
(画像=SBI証券)
この記事は2025年8月18日にSBI証券で公開された「1分でチェック!今週の米国株式 」を転載したものです。 掲載記事(最新版):1分でチェック!今週の米国株式 |
今週はジャクソンホール会議におけるパウエルFRB議長講演が注目ポイント
先週の振り返り
先週の米国株は、CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回りトランプ関税のインフレへの影響がマーケットの想定ほどではないとの見方を背景に利下げ観測が高まり、S&P500とナスダックが史上最高値を更新する場面がありました。ベッセント財務長官は政策金利について、その中立水準が現行金利より約1.5ポイント低い水準にあるとの考えを示しました。市場予想では9月のFOMCにおいて0.25%ポイントの利下げが85%程度織り込まれています。週間ベースではS&P500やナスダックなどの主要株価3指数ともに続伸となりました。S&P500セクター別(11業種)パフォーマンスはヘルスケアや一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービスなどが上げて、公益や生活必需品などが下げました。なお、8/13にNYSEへ新規上場した暗号資産関連のブリッシュ(BLSH)は公開価格に対して取引初日終値が8割強の急騰となり、IPO銘柄の投資家の高い需要を示して好スタートをみせました。エヌビディア(NVDA)やゴールドマン サックス(GS)、メタ プラットフォームズ A(META)などが史上最高値圏で推移し、ウィン リゾーツ(WYNN)やアルトリア グループ(MO)などが52週高値圏です。S&P500指数採用銘柄で200日移動平均を超える比率は60%です。年初来のファクターリターンではEPS修正や時価総額、流動性などのファクターがアウトパフォームしています。
個別株ではマイクロン テクノロジー(MU)はDRAMの価格改善を受けて6-8月期の業績見通しを上方修正し、株価は上昇しました。ユナイテッド エアラインズ(UAL)やデルタ エアーラインズ(DAL)はCPIにおいて航空運賃上昇が確認されたことなどを背景に、大幅高となりました。アマゾン ドットコム(AMZN)は食料品の当日配送地域を現在の約1,000都市から2025年末までに2,300以上へ拡大させる計画を発表して、株価は上昇しました。ユナイテッドヘルス グループ(UNH)はバークシャー ハサウェイが4-6月に同社株を購入したことが明らかになり、株価は急騰しました。一方、シスコ システムズ(CSCO)は5-7月期の売上高とEPSが市場予想を上回りましたが、通期売上高見通し(中間値)が市場予想一致となり、株価は下落となりました。アプライド マテリアルズ(AMAT)は8-10月期の業績見通しが市場予想を下回り、米中貿易摩擦の需要への懸念から株価は急落しました。今週はウォルマート インク(WMT)やパロ アルト ネットワークス(PANW)などが決算発表を予定しています。なお、S&P500指数採用銘柄で459社が決算発表済みで、そのうちEPSが市場予想を上回るポジティブサプライズ比率は8割強とヒストリカルにみても市場予想比で米企業業績の堅調さが目立っています。
今週の見通しと注目セクター・テーマ
今週はジャクソンホール会議におけるパウエルFRB議長の講演が注目ポイントになりそうです。ジャクソンホール会議はカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウムで、中央銀行総裁や経済学者などが参加します。8/21-23の開催予定で、今年のテーマは「転換期の労働市場:人口動態、生産性、マクロ経済政策」です。8/1発表の雇用統計では5-6月の非農業部門雇用者数において約26万人の大幅な下方修正がされて、雇用市場への懸念が生じつつあります。そのような中、今回のテーマは労働市場とタイムリーな話題であり、パウエルFRB議長が米国の雇用市場についてこれまでの見方を変えるのかどうか金融政策を考察する上でも非常に大きなポイントになると考えられます。個別企業の決算発表では特にウォルマート インク(WMT)が関税の影響を見極める上でマーケットから注目されそうです。
注目セクター・テーマとしては下記を考えています。
住宅建設関連:9月FOMCでの利下げが期待される中、米10年債利回りが低下傾向にあります。住宅市場は低金利の恩恵を受けやすいセクターであり、投資家の注目を集めやすいと考えられます。住宅建設関連株はS&P500指数に比べて予想PERが総じて割安で、バリュエーションの観点も優位性があると考えられます。DR ホートン(DHI)、トール ブラザーズ(TOL)、レナー A(LEN)、KB ホーム(KBH)
利益見通し上方修正関連:会社側が通期利益見通しを上方修正した銘柄については、ファンダメンタルズの観点で安心感があると思われることから、投資家の注目を集めやすいと考えられます。ソーファイ テクノロジーズ A(SOFI)、アクソン エンタープライズ(AXON)、クアンタ サービシーズ(PWR)、アルトリア グループ(MO)
ハイテク関連:年初来及び過去1カ月のセクター別パフォーマンスでは情報技術がトップクラスのパフォーマンスとなっているほか、業績面でも市場予想で牽引が期待されており、引き続き注目されやすいと考えられます。インベスコ QQQ トラストシリーズ1 ETF(QQQ)、テクノロジーセレクトセクターSPDRファンド(XLK)、アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)
重要イベント・主な経済指標

※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
(画像=SBI証券)
⚠免責事項・注意事項 ・レポートおよびコラムの配信は、状況により遅延や中止、または中断させていただくことがございます。あらかじめご了承ください。 ・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても株式会社ファーストパートナーズ及び株式会社SBI証券(情報発信元を含む)は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。 重要な開示事項(利益相反関係等)について 投資情報の免責事項 【手数料等及びリスク情報について】 SBI証券で取り扱っている商品等へのご投資には、商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります(信用取引、先物・オプション取引、商品先物取引、外国為替保証金取引、取引所CFD(くりっく株365)では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります)。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。 |