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1分でチェック!今週の米国株式 2025/11/10

  • 公開日:
  • 更新日:
1分でチェック!今週の米国株式

(画像=SBI証券)

この記事は2025年11月4日にSBI証券で公開された「1分でチェック!今週の米国株式 」を転載したものです。
掲載記事(最新版):1分でチェック!今週の米国株式

今週は50日移動平均線を巡る攻防がポイントか

先週の振り返り

先週の米国株はボラティリティが上昇して、下落の動きが目立ちました。パランティア テクノロジーズ Aなど一部テクノロジー企業の高バリュエーションが懸念されたことや米金融大手CEOの株価調整に関するコメントが意識されました。なお、政府機関一時閉鎖の影響で雇用統計の発表は見送りになりました。S&P500指数などの主要株価3指数は週間ベースで4週ぶり反落しました。週間ベースのS&P500セクター別(11業種)パフォーマンスはエネルギーやヘルスケア、不動産などが上げて、情報技術やコミュニケーション・サービスなどが下げました。個別株では、アメリカン エキスプレス(AXP)、マイクロン テクノロジー(MU)、クラウド ストライク ホールディングス A(CRWD)などが史上最高値圏で推移しています。このほか、ラスベガス サンズ(LVS)やデュポン ド ヌムール(DD)などが52週高値圏です。S&P500指数採用銘柄で200日移動平均を超える比率は54%です。年初来のファクターリターンではEPS修正や時価総額、流動性などのファクターがアウトパフォームしています。

個別株ではアドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD)はデータセンター事業が堅調で売上高が市場予想を上回り、上昇する場面がありました。ヤム! ブランズ(YUM)は傘下ピザハットの戦略的見直しが報じられて、大幅高となりました。一方、パランティア テクノロジーズ A(PLTR)は米民間部門が売上高を牽引して好決算となり、売上高見通しを上方修正しましたが、高バリュエーションが意識されて、大幅下落となりました。テスラ(TSLA)はイーロン・マスクCEOへの巨額報酬が株主総会で承認されましたが、下落しました。アーム ホールディングス ADR(ARM)は25年10-12月期の業績見通しが市場予想を上回ったものの、下落しました。ロビンフッド マーケッツ A(HOOD)は暗号資産関連収入が市場予想を下回ったことやCFO退任をネガティブ材料視して、急落しました。今週はシスコ システムズ(CSCO)やアプライド マテリアルズ(AMAT)、ウォルト ディズニー(DIS)などが決算発表を予定しています。S&P500指数採用銘柄のうち452社が決算発表済みで、EPSが市場予想を上回るポジティブサプライズ比率は約82%とヒストリカルで見ても堅調です。

今週の見通しと注目セクター・テーマ

今週はS&P500指数で50日移動平均線を巡る攻防がポイントになると考えられます。ここ数カ月にわたりS&P500指数は50日移動平均線を割り込まずに堅調な推移が見られました。先週7日にこの水準を一時下回るものの、日中での買戻しの動きも見られて、チャート上は下ヒゲ形成となり下げ止まりの兆しを見せています。経済指標ではCPI(消費者物価指数)や小売売上高、PPI(生産者物価指数)が発表予定ですが、政府機関一部閉鎖のままなら見送りとなる可能性があります。その場合、金融政策決定に対する不透明感からマーケットでネガティブ材料視される可能性もあります。個別企業の決算発表では、IT投資を占う上でシスコ システムズ(CSCO)はAI関連売上高が注目される可能性があり、半導体需要を占う上でアプライド マテリアルズ(AMAT)は中国顧客の需要動向が注視されそうです。

注目セクター・テーマとしては下記を考えています。

年末商戦関連:NRF(全米小売業協会)によると、今年の年末商戦の消費は過去2番目の高水準になる見通しです。米国の消費は所得上位層が占める割合が大きく、S&P500指数など主要株価3指数が史上最高値圏で推移しているため、株高効果も支援材料になりそうです。アマゾン ドットコム(AMZN)ビザ A(V)マスターカード A(MA)アメリカン エキスプレス(AXP)

インド関連:IMFによると2026年にインドの名目GDPが日本を追い抜いて、世界第4位に台頭する見通しです。トランプ関税の影響もあり、インドの代表的な株価指数であるSENSEX指数は年初来パフォーマンスで主要国株価指数との比較で出遅れていますが、自動車販売台数ではすでに日本よりも大きく、インフレが落ち着きを見せるなか、経済規模の大きさと成長性が改めて評価される可能性があります。ICICI 銀行 ADR(IBN)HDFC銀行 ADR(HDB)ドクターレディー ADR(RDY)ウィズダムツリー インド株収益ファンド(EPI)

AI関連:ハイパースケーラー(大手クラウド企業)の設備投資が拡大を見せる中、オープンAIを中心とした契約も目立っています。一部では過剰投資への懸念が指摘されるものの、堅調な業績を背景とした成長投資の位置づけと考えられることから、引き続きAI関連は投資家の注目を集めやすいと考えられます。エヌビディア(NVDA)アルファベット A(GOOGL)ブロードコム(AVGO)アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD)

重要イベント・主な経済指標

重要イベント・主な経済指標

※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

(画像=SBI証券)

著者プロフィール
齊木 良 (さいき りょう)
シニア・マーケットアナリスト(米国株担当)
(日本証券アナリスト協会 認定アナリスト) 
名古屋大学経済学部卒業。東海東京証券において主に外国株プロモーション、外国株トレーディングに従事。機関投資家向けの日本株トレーディングにも携わる。米国の証券会社へのトレーニー、コロンビア大学ビジネススクール客員研究員等を経て2022年4月よりSBI証券投資情報部に所属。ファンダメンタルズとトレーディングの両面から独自の視点で米国株を分析する。また、マーケットで注目されている「旬の話題」を提供するほか、初心者向けやETFなど幅広いコンテンツも作成している。各種メディアでマーケットや個別銘柄に関するコメントも行う。毎週3Km泳ぐことをルーティンとしているほか、プロ野球やバレーボール等のスポーツ観戦のため野球場やドーム、アリーナによく通っている。特技は絶対音感。
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