
(画像=SBI証券)
| この記事は2025年12月29日にSBI証券で公開された「1分でチェック!今週の米国株式 」を転載したものです。 掲載記事(最新版):1分でチェック!今週の米国株式 |
先週の振り返り
先週の米国株はサンタクロースラリー期待でAIや半導体株が買われる動きとなり、S&P500指数が史上最高値を更新する場面がありました。エヌビディアが来年2月にも中国向けにAI半導体H200チップの出荷開始を検討との報道が好感されました。また、利下げ観測や米国とベネズエラとの地政学リスクの高まりを背景に、NY金先物価格が史上最高値を更新しました。VIX指数が13.60と20を引き続き下回り、ボラティリティは落ち着いています。週間ベースではNYダウが反発、S&P500とナスダックは続伸となりました。S&P500セクター別(11業種)の週間パフォーマンスは素材や情報技術、金融などが上げて、生活必需品が下げました。個別株では、JPモルガン チェース(JPM)やニューモント(NEM)、マイクロン テクノロジー(MU)などが史上最高値圏で推移しています。このほか、フリーポート マクモラン(FCX)やカーニバル(CCL)などが52週高値圏です。S&P500指数採用銘柄で200日移動平均を超える比率は60%へやや改善しています。年初来のファクターリターンではEPS修正や時価総額、流動性などのファクターがアウトパフォームしています。過去1週間ではモメンタムや時価総額、配当利回りがアウトパフォームしており、配当利回り関連が再評価されています。
個別株ではナイキ B(NKE)はアップルのティム・クックCEOが同社株を購入したことが報じられて、株価は大幅上昇しました。ノボノルディスク ADR(NVO)は肥満症向け経口治療薬が米国で販売する承認を得たことを好感して、大幅高となりました。一方、インテル(INTC)はエヌビディアが同社18A製造プロセスのテストを行ったものの、中止と報じられて下落する場面がありました。今週は主な企業の決算発表はありません。
今週の見通しと注目セクター・テーマ
今週の米国株は12/26までのS&P500指数の年初来パフォーマンスが約18%高となっていることから、年間ベースで3年連続の上昇がほぼ確実となっています。年間ベースで3年を超える続伸は2003-2007年、1995-1999年などの5年連続高が挙げられます。2026年の4年連続高に向けて新年1月のスタートがマーケットから注目されそうです。セクターや個別銘柄の物色動向など2026年の米国株式の投資戦略を考える上で、注目点になりそうです。
注目セクター・テーマとしては下記を考えています。
1月株価堅調関連:2016年から2025年までの各1月のS&P500指数における月間パフォーマンスは6勝4敗です。S&P500指数採用銘柄の中には、1月に強含む傾向のある銘柄も散見されることから、アノマリーの観点で投資家の注目を集めそうです。パッカー(PCAR)、ビザ A(V)、アメリカン エキスプレス(AXP)、キャピタル ワン ファイナンシャル(COF)
素材関連:NY金・銀・銅先物価格がそろって史上最高値圏で推移しています。2026年の素材セクターのEPS成長率はおよそ2割の見通しで、S&P500指数全体を上回ることが期待されており、ファンダメンタルズの観点で注目されそうです。ニューモント(NEM)、バリック マイニング(B)、フリーポート マクモラン(FCX)、ST 素材セレクト セクター SPDR ETF(XLB)
金融関連:トレーディングや投資銀行業務を牽引に、大手金融機関の業績が堅調です。米株や金などのコモディティ価格が好調であり、引き続きトレーディング業務は業績ドライバーとして期待できそうです。また、2026年はスペースXなどの大型IPOが実施される可能性があることやバリュエーション面の割安感もあり、関連銘柄は投資家の注目を集めやすいと考えられます。ゴールドマン サックス(GS)、モルガン スタンレー(MS)、JPモルガン チェース(JPM)、ST 金融セレクト セクター SPDR ETF(XLF)
重要イベント・主な経済指標

※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
(画像=SBI証券)
| 著者プロフィール 齊木 良 (さいき りょう) シニア・マーケットアナリスト(米国株担当) (日本証券アナリスト協会 認定アナリスト) 名古屋大学経済学部卒業。東海東京証券において主に外国株プロモーション、外国株トレーディングに従事。機関投資家向けの日本株トレーディングにも携わる。米国の証券会社へのトレーニー、コロンビア大学ビジネススクール客員研究員等を経て2022年4月よりSBI証券投資情報部に所属。ファンダメンタルズとトレーディングの両面から独自の視点で米国株を分析する。初心者向けやETFなど幅広いコンテンツも作成している。各種メディアでマーケットや個別銘柄に関するコメントも行う。毎週3Km泳ぐことをルーティンとしているほか、プロ野球やバレーボール等のスポーツ観戦のため野球場やドーム、アリーナによく通っている。 |
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