
(画像=SBI証券)
この記事は2025年7月24日にSBI証券で公開された「【番外編】オルタナティブ投資~未来志向の資産運用入門」を転載したものです。 掲載記事:【番外編】オルタナティブ投資~未来志向の資産運用入門 |
「オルタナティブ投資」とは
オルタナティブ投資とは、株・債券といった伝統的資産とは異なる資産への“代替的”な投資方法です。おもな種類には次のようなものがあります。
・ヘッジファンド:高度な戦略で市場の上下どちらでも利益を目指します。
・コモディティ:金、原油、農産物などの実物資産です。
・プライベート・エクイティ:未上場企業に出資し、成長益を狙います。
・アート・ワイン・高級時計:希少性と文化的価値を持つ実物資産です。
・暗号資産・NFT:デジタル資産。価格変動は大きいですが、成長市場とみられています。
・不動産ST(セキュリティ・トークン):少額・透明・デジタル化された新世代不動産投資とみられます。
この中で、最近話題になっているのが「不動産ST」です。
不動産ST(Security Token)は、現物不動産の持分をブロックチェーンでデジタル証券化したものです。従来型のオルタナティブ投資と比べ、投資額が少額(数万円~)、ブロックチェーンのため、透明性が高い等の特徴があります。
なぜ今、オルタナティブ投資なのか?
なぜ今、オルタナティブ投資が注目されているのでしょうか。
現代は、地政学リスク(例:イスラエルとイランの対立、戦争リスク)、インフレ、株式市場の不安定さなど、多くの不確実性が存在しています。そんな時にオルタナティブ投資が評価される理由は以下の通りです。
1. 分散効果:株や債券とは異なる動きをするため、ポートフォリオ全体のリスクを軽減できると考えられます。(例として、図表1では)金と株式・債券の「相関係数」をご紹介しています。
2. 「有事の資産」としての金など:世界が不安定になると価値が上がる資産もあります。
図表1 例えば金は、株式とはあまり関係のない動きをする傾向
★各資産間の「相関係数」(過去15年・月足ベース)

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。数字は各指標間の「相関係数」を表しています。1に近いほど、2つの指標は同じ方向に動きやすく、0に近いほど関係性が小さい、-1に近いほど逆方向に動きやすいと理解されます。
※世界株式は「MSCIワールドインデックス」を指標にしています。
※世界債券は「FTSE世界債券インデックス」を指標にしています。
※「金価格」は金スポット価格(トロイオンス当たりドル)を指標にしています。
※2010年7月~2025年6月の月足データを対象にしています。
(画像=SBI証券)
機関投資家にも人気上昇中
オルタナティブ投資は、世界が不安定な今だからこそ意味のある選択肢といえましょう。機関投資家の間でも人気が高まりつつあります。
図表2は、DB(確定給付型)年金がオルタナティブ投資にどの程度の比率で投資をしているのかを示したもの(JPモルガン・アセットマネジメント調べ)です。2010年3月末の比率は5.4%でしたが、2024年3月末には24.2%まで拡大しました。資産別では外国・グローバル債券に次ぎ高い構成比になっています。
ただし、オルタナティブ投資ならば必ず“安全”なわけではありません。 理解不足で手を出すと痛い目に遭うこともありますので「リスクとの付き合い方」こそが鍵になります。
図表2 DB(確定給付型)年金におけるオルタナティブ投資の構成比

JPモルガン・アセット・マネジメント「第16回企業年金運用動向調査」(2024年7月17日)公表データをもとにSBI証券が作成。DB(確定給付型)年金の資産配分に占める「オルタナティブ」の比率を示したもの。毎年3月末の比率(%)を示しています。
(画像=SBI証券)
著者プロフィール
![]() SBI証券 投資情報部長 鈴木 英之 ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。 ・出身 東京(下町)生まれ埼玉育ち ・趣味 ハロプロ(牧野真莉愛推し)の応援と旅行(乗り鉄) ・特技 どこでもいつでも寝れます ・好きな食べ物 サイゼリヤのごはん ・よくいくところ 京都 |
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