
(画像=SBI証券)
この記事は2025年3月11日にSBI証券で公開された「Daily米株速報 毎営業日午前更新予定」を転載したものです。 掲載記事(最新版):Daily米株速報 毎営業日午前更新予定 |

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トランプ大統領の発言を嫌気して大幅安。
3月10日(月)の米国株式市場は、トランプ大統領が9日(日)に放映されたFOXニュースのインタビューで、貿易相手に対する関税や物価上昇観測から生じる不透明感による景気後退の可能性を問われた答えとして、米国はいま「過渡期(period of transition)」にあるとして、景気後退の可能性を否定しなかったことが嫌気されて主要3指数とも大幅に下落した。また、中国が米国産の農産物などに最大15%の報復関税を発動したことから貿易戦争の本格化が懸念された。
昨年までの相場上昇をけん引したマグニフィセント7の株価下落が大きく、テスラ(TSLA)-15.4%、エヌビディア(NVDA)-5.1%、アップル(AAPL)-4.8%、マイクロソフト(MSFT)-3.3%など軒並み大幅安となった。ナスダック指数の下落は4.0%と2022年9月以来の大きさ。セクター別にプラスとなったのはエネルギーと公益事業のみで、主要銘柄でプラスとなっているのは、コカ-コーラ(KO)、プロクター & ギャンブル(PG)、ジョンソン & ジョンソン(JNJ)などディフェンシブ銘柄が中心。
債券利回りは低下(価格は上昇)。トランプ大統領が自身で掲げる関税政策によって景気後退が引き起こされる可能性を否定しなかったことを受けて、安全資産と見なされる米国債に対する需要が押し上げられた。ドル指数は小幅に上昇、ドル円は米金利低下を受けて147円台前半に下落。原油価格は景気減速懸念を受けて下落、金価格も利益確定売りが優勢となって下落した。
ノボノルディスク ADR(NVO)は、開発中の次世代肥満治療薬「カグリセマ(CagriSema)」の治験で服用68週間後の体重減少が15.7%にとどまったことを発表して-9.4%。カグリセマは従来のGLP-1受容体作動薬に加えて膵臓ホルモンである「アミリン」を標的とすることで、現行のウゴービ以上の体重減少効果を目指しており、同社はかつて25%の体重減少が期待できると述べ、市場もこれを期待していた。
引け後に決算を発表したオラクル(ORCL)は、12-2月期の売上・EPSとも市場予想を下回ったが、AI関連がけん引して受注残は前年同期比62%増となり、市場予想を24%上回った。株価は時間外取引で当初上昇していたが、その後下落に転じて4%下落(日本時間11日(火)午前8時30分)。
【3月11日(火)の米国市場】
主な経済イベント:米NFIB中小企業楽観指数(2月)、米求人労働異動調査(1月)
米3年国債入札
主な企業決算の発表:なし
~見通し~
S&P500指数は2023年10月以来割り込むことがなかった200日移動平均線(5,734.63ポイント)を割り込んで、中期的な上昇トレンドに変化が生じている可能性が懸念される。本日発表の1月求人数は前月から横ばいの760万件の予想。12月分は市場予想を大きく下回って景気懸念を強める一因となったため、前月から改善なら景気への懸念を緩和すると期待されよう。
SBI証券 投資情報部 榮 聡
主要株価指数

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債券・商品市況

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主要通貨

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S&P500日中足チャート

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ナスダック日中足チャート

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S&P500セクター別

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S&P100種騰落率ランキング

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その他主要銘柄

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※本レポートはBloombergデータをもとにSBI証券が作成。
※銘柄名はBloomberg表記によるもの。
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