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アナリスト注目の銘柄は?相場先読み!米株特集 2025年5月

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米株特集

(画像=SBI証券)

米国株式市場のポイントや注目銘柄として個別株5銘柄をご紹介いたします。コンテンツは毎月1回の更新予定ですので、ぜひご参考になさってください。5月のコンテンツのテーマは「ポジティブ・サプライズ」です。

この記事は2025年5月1日にSBI証券で公開された「アナリスト注目の銘柄は?相場先読み!米株特集」を転載したものです。
掲載記事:アナリスト注目の銘柄は?相場先読み!米株特集

4月の米国株式市場を振り返ると、トランプ関税に大きく左右される展開となりました。4月2日にトランプ大統領が相互関税を発表すると、3-4日の2日間でS&P500指数はおよそ1割の急落となりました。一方、9日に上乗せ関税の90日間停止が承認されると同日は9%を超える急騰となりました。その後は対中関税の大幅引き下げ観測やトランプ大統領が自動車関税の軽減措置に署名したことなどを背景にマーケットは反発基調を強めました。このほか、トランプ大統領がパウエルFRB議長を解任する意図はないと明らかにしたことも支援材料でした。S&P500指数は2月高値から4月安値の半値戻しを達成し、モメンタムが回復しています。セクター(S&P500の11業種)の動きでは情報技術や生活必需品、コミュニケーション・サービスなどが上げて、エネルギーやヘルスケアなどが下げました。個別株ではテスラ(TSLA)はイーロン・マスクCEOが本業のテスラにより専念する考えを示したほか、アルファベット A(GOOGL)は検索広告の牽引などで1-3月期の実質売上高とEPSが市場予想を上回りました。ゴールドマン サックス(GS)は株式トレーディング収入が過去最高となりました。ネットフリックス(NFLX)やコカ-コーラ(KO)、フィリップ モリス インターナショナル(PM)などが上場来高値圏で、AT&T(T)やエクセロン(EXC)などが52週高値圏です。

5月の米国株の注目点は、①トランプ関税、②雇用統計(2日発表予定)、③FOMC(6-7日予定)、④CPI(13日発表予定)、⑤エヌビディア決算発表(28日発表予定)と考えています。トランプ関税は当初に比べて緩和基調にあります。当面の注目点としては、日本や韓国、インドとの貿易交渉が進展を見せるかどうか注視されます。雇用統計は非農業部門雇用者数の増加が市場予想で前月比13.5万人増と前回(同22.8万人増)から大幅減速見通しで、失業率は4.2%と前回並みの見通しです。雇用者数増加が市場予想と大きく乖離するようだと利下げ観測が急変動する可能性がありそうです。FOMC(米連邦公開市場委員会)は市場予想では政策金利の据え置きが見込まれています。パウエルFRB議長はインフレ対応を重視していますが、FOMC声明文におけるインフレや景況感、金融政策の記述が注視されます。なお、CPI(消費者物価指数)は市場予想で前年比2.4%増と前回並みの見通しです。CPIに対してトランプ関税の影響があまり見られない場合、マーケットは好感する可能性があります。エヌビディアの2-4月期決算は市場予想で前年比66%増収の見通しです。対中半導体輸出規制が強化される中で、今後の売上高見通しが注目されそうです。

今回のコンテンツのテーマは「ポジティブ・サプライズ」です。決算発表において、①売上高とEPSが市場予想を上回った銘柄、あるいは、②事業戦略上の会社側のコメントがマーケットから好感された銘柄からピックアップします。これらの銘柄は決算発表後のパフォーマンスも総じてしっかりで、引き続き投資家の注目を集めやすいと考えられます。

当コンテンツはBloombergデータ、各社資料、各種報道、当社Webサイトを基にSBI証券が作成

投資情報部 齊木 良

SBI証券 アナリスト注目銘柄

今回の5銘柄の選定ポイントは次の3点です。

1.1-3月期決算発表におけるポジティブ・サプライズ銘柄
2. 決算発表直後の営業日における株価パフォーマンスがプラス
3.アナリスト評価が「買い」と「中立」で全体の5割以上

1アルファベット A(GOOGL)
「Google検索」や「ユーチューブ」などを通じて広告を展開し、インターネット広告の分野で世界大手です。クラウドサービスを展開するなど事業の多角化を進めており、検索やユーチューブ広告などのインターネット広告が売上高全体の76%を占め、クラウドサービスは12%です(2024年12月期)。地域別売上高は米国が49%、欧州・中東・アフリカが29%、アジア太平洋が16%、その他米州が6%です。AIやその他テクノロジーに積極的に投資しており、過去5年間では研究開発費に1,500億ドル以上を投じてきました。この圧倒的な研究開発が同社の革新を支えていると言えそうです。クラウド部門は黒字が拡大中で、AI分野にも注力しており、主力の検索に加えて、クラウド、AIがビジネスモデルの中核になっています。なお、最大700億ドルの自社株買い計画を発表しました。 1.1-3月期は実質売上高とEPSが市場予想を上回る 2. 決算発表直後は1.7%高 3.アナリスト評価は買い63人、中立14人、売り0人

(画像=SBI証券)

2ゴールドマン サックス(GS)
NYに本社がある世界的な金融機関で銀行持ち株会社です。M&Aや引き受けなどに強みがあります。2024年12月期の純収入比率はグローバルバンキング&マーケッツ(投資銀行業務、金融商品のトレーディングなど)が65%、アセット&ウェルスマネジメント(プライベートバンキングなど)30%、プラットフォームソリューションズ5%です。地域別では米州が64%、欧州・中東・アフリカ23%、アジア13%です。25年1-3月期は株式トレーディング収入が四半期ベースで過去最高となりました。同業大手も業績好調でマーケット環境が業績の追い風と言えそうです。また、最大400億ドルの自社株買い計画を発表しました。 1.1-3月期は総収入とEPSが市場予想を上回る 2. 決算発表直後は1.9%高 3.アナリスト評価は買い12人、中立14人、売り0人

(画像=SBI証券)

3ネットフリックス(NFLX)
カリフォルニア州に本社があり、世界大手のエンタテインメント・サービス会社です(ドラマや映画などのストリーミング)。収益源は月額利用料金で、2024年12月期の地域別売上高比率は米国&カナダが45%、欧州・中東・アフリカ32%、南米12%、アジア太平洋11%です。世界で3億人を超えるサービス加入者がいます(24/Q4時点)。オリジナルコンテンツが強みで、同社史上最大のヒット「イカゲーム」続編が24年12月下旬から配信スタートし、25年6月に最終編配信の予定です。また、アメフトなどのスポーツ中継も強化しており、継続的な加入者数拡大が期待されます。会社側は2030年までに時価総額1兆ドルを目指し、売上高を2倍に拡大することを計画しています。株価は1,100ドルを突破して史上最高値圏で推移し、将来的な株式分割の可能性もあると思われます。 1.1-3月期は売上高とEPSが市場予想を上回る 2.決算発表直後は1.5%高 3.アナリスト評価は買い45人、中立15人、売り1人

(画像=SBI証券)

4テスラ(TSLA)
テキサス州に本社があり、イーロン・マスクCEOが率いるEV大手です。EVの設計・開発・製造・販売を行うほか、エネルギー発電やストレージシステムも手掛けています。EVは5車種で、中型セダンのモデル3、コンパクトSUVのモデルY、フルサイズセダンのモデルS、中型SUVのモデルX、ピックアップトラックのサイバートラックです。工場は米国カリフォルニア州とテキサス州などのほか、上海とベルリンにあります。2024年12月期の売上高比率は自動車が79%、サービス11%、エネルギー発電・ストレージ10%です。会社側は前回決算発表時に25年は自動車ビジネスが成長に回帰するとの見方を示していましたが、今回この表記を削除して、次回決算発表時に見直すと発表しました。一方、低価格車の生産は2025年前半と計画通りで、マーケット注目の「サイバーキャブ」は26年に量産開始の見通しです。また、イーロン・マスクCEOはDOGE(政府効率化省)での業務を5月から大幅に縮小し、本業のテスラにより時間を割くようになるとの考えを示し、マーケットから好感されました。 1.イーロン・マスクCEOが本業により専念する考えを示す 2.決算発表直後は5.4%高 3.アナリスト評価は買い33人、中立16人、売り13人

(画像=SBI証券)

5テキサス インスツルメンツ(TXN)
テキサス州に本社があり、半導体の設計・製造を手掛ける大手半導体メーカーです。2024年12月期における売上高比率はアナログが78%、組み込み16%、その他6%です。エンドマーケット別では産業及び自動車向けの売上高比率が合わせて約70%で(産業34%、自動車35%)、2013年のおよそ40%から大幅拡大しています。地域別では米国が38%、中国19%、その他アジア11%、欧州・中東・アフリカ22%、日本8%などです。25年1-3月期は産業や自動車向け需要回復などを背景に売上高成長率が10四半期ぶりにプラスに転換し、ファンダメンタルズが回復中です。21年連続増配中で、市場予想配当利回りは3.4%と好配当銘柄としても評価できそうです。 1. 1-3月期は売上高とEPSが市場予想を上回る。4-6月期売上高見通し(中間値)も市場予想を上回り、増収率が改善見通し 2.決算発表直後は6.6%高 3.アナリスト評価は買い14人、中立22人、売り5人

(画像=SBI証券)

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