
(画像=SBI証券)
この記事は2025年7月17日にSBI証券で公開された「Daily米株速報 毎営業日午前更新予定」を転載したものです。 掲載記事(最新版):Daily米株速報 毎営業日午前更新予定 |

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主要3指数とも上昇、生産者物価が予想を下回る
7月16日(水)の米国株式市場は、予想を下回る生産者物価指数を受けて上昇して始まったが、パウエルFRB議長の解任が近いとの一部報道を受けて下落に転じる場面があった。しかし、トランプ大統領はパウエルFRB議長の解任を否定したことから相場は徐々に回復して主要3指数ともプラスで引けた。半導体製造装置ASMLの決算を受けた株価下落がテクノロジー株にマイナスに寄与したが、AI半導体関連はしっかり。
トランプ大統領は、インドネシアと19%(提案は32%)の関税で合意したと発表、米国製品に対するインドネシアの関税はゼロとし、原油、農産物、航空機の購入を約束させたと発表した。関税交渉の進展に対する期待を高め、相場にプラスに寄与したとみられる。
経済指標では、6月生産者物価指数が前年比+2.3%と市場予想の同+2.6%、前月の同+2.7%を下回った。変動性が大きい食品・エネルギー・流通マージンを除くコア指数も同+2.6%と市場予想の同+2.8%、前月の同+3.2%を下回った。関税の影響が懸念される商品の価格は上昇したものが多かったが、自動車価格、サービス価格の下落が相殺した。
債券利回りは、生産者物価指数が予想を下回ったことを受けて幅広い年限で低下した。ドル指数は金利の低下を受けて下落。ドル円はパウエルFRB議長の解任が近いとの報道を受けて一時146円台を付けたが、その後147円台後半に回復、前日比1円下落で引けた。原油価格は小幅上昇、金価格も反発した。
セクター別には、11セクター中8セクターが上昇。ヘルスケア、不動産、金融などの上昇が大きく、エネルギーの下落が大きい。
個別株では、半導体製造装置のASML ホールディングス NYRS(ASML)の4-6月期決算は、受注、売上、純利益とも市場予想を上回り、2025年12月期の業績見通しを維持した。一方、2026年について、事業環境の不透明感の高まりを背景に同社CEOは「2026年の成長は保証できない」とコメントしたことが嫌気されて-8.3%。
医薬品大手ジョンソン & ジョンソン(JNJ)はがん治療薬「ダラザレックス」の好調がけん引して4-6月期決算は売上・EPSとも市場予想を上回り、通期の売上ガイダンスを上方修正したことから+6.2%。
ゴールドマン サックス(GS)の4-6月期決算は、投資銀行と株式トレーディングの好調で市場予想を上回って+0.8%。
モルガン スタンレー(MS)の4-6月期決算は、投資銀行部門の収益がゴールドマンサックス、JPモルガンチェースほど好調でなかったことが失望されて-1.3%。
量子コンピュータのリゲッティ コンピューティング(RGTI)は、複数のチップを使った業界最大の量子コンピュータの実証に成功し、エラー率の大幅な削減を達成したと発表して+30.1%。IonQ Inc(IONQ)、D ウェイブ クオンタム(QBTS)など他の量子コンピュータ銘柄にも株価上昇が波及した。
【7月17日(木)の米国市場】
主な経済・企業イベント:米小売売上高(6月)、米新規失業保険申請件数(7月12日に終わる週)
米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(7月)、米NAHB住宅市場指数(7月)
主な企業決算の発表:
(寄り前)台湾セミコンダクター ADR(TSM)、ペプシコ(PEP)、GE エアロスペース(GE)、トラベラーズ(TRV)
US バンコープ(USB)
(引け後)ネットフリックス(NFLX)
~見通し~
6月小売売上高は前月比+0.1%が予想されている。予想並みの堅調となれば、相場にプラスに作用しよう。台湾セミコンダクター決算は、AI関連半導体の需要けん引で好調が見込まれる。引け後に決算発表するネットフリックスの4-6月期決算も好調が期待されている。
SBI証券 投資情報部 榮 聡
主要株価指数

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債券・商品市況

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主要通貨

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S&P500日中足チャート

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ナスダック日中足チャート

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S&P500セクター別

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S&P100種騰落率ランキング


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その他主要銘柄

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※本レポートはBloombergデータをもとにSBI証券が作成。
※銘柄名はBloomberg表記によるもの。
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