(画像=SBI証券)

この記事は2025年7月31日にSBI証券で公開された「Daily米株速報 毎営業日午前更新予定」を転載したものです。 掲載記事(最新版)：Daily米株速報 毎営業日午前更新予定

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パウエルFRB議長は9月利下げに関する示唆を与えず

7月30日（水）の米国株式市場は、ポジティブな4-6月期GDP、7月ADP雇用統計を受けて前日比プラスで推移していたが、FOMC結果発表後の会見でパウエルFRB議長が9月の利下げに関して示唆を与えなかったことから軟調に転じて、主要3指数はまちまちで引けた。セクター別には、公益事業、情報技術が上昇、素材、不動産、エネルギーなどが下落した。

FOMCでは、市場予想通り政策金利が維持された。ウォラー、ボウマンの2理事が現状維持に反対票を投じる異例の事態となった。パウエルFRB議長は会見で「関税のインフレに与える影響は一時的との見方もあるが、そうでないリスクもあるため、データを見極める必要がある」として9月利下げに関する示唆を与えなかった。

関税交渉では、トランプ大統領がインドに対する関税を25％とし、ロシアとの取引に関する「ペナルティ」（詳細は不明）を課すと発言した。中国との交渉では閣僚級協議で関税停止期限を延長する方針で一致した。合意はできなかったが、ベッセント米財務長官は近く重要な発表があると述べている。

経済指標では、4-6月期実質GDP速報値は前期比年率+3.0％と市場予想の同+2.4％を上回り、1-3月期の同-0.5％から回復、1-3月期に関税前の駆け込みで急増した輸入が同-30.3％となってGDPの押し上げに寄与した。個人消費支出は同+1.4％と市場予想の同+0.9％を上回った。また、7月ADP雇用統計は前月比+10.4万人と前月の同-2.3万人から回復、市場予想の同+7.5万人を上回った。いずれも株式相場に対して支援的となった。

10年国債利回りは、良好な経済指標を受けて上昇した。ドル指数はパウエルFRB議長のややタカ派の会見を受けて1％以上上昇、ドル円は149円台半ばまで１円以上上昇した。原油価格は良好な経済指標を受けて続伸、金価格は金利上昇を受けて下落した。

個別株では、前日引け後に4-6月期決算を発表したスターバックス(SBUX)は、6四半期連続の前年同期比減収となったが市場予想ほどは悪くなく、事業の立て直しが想定以上に進んでいるとの評価を受けて一時5%以上上昇する場面があったが引けは-0.2%。

同じく前日引け後に4-6月期決算を発表したビザ A(V)は、売上・EPSとも市場予想を5％上回る好調となったが、株価は-0.1%。

サイバーセキュリティのパロ アルト ネットワークス(PANW)は、イスラエルの同業サイバーアーク ソフトウェア(CYBR)を約250億ドルでの買収に合意したと発表して-5.6％。

AI半導体で注目されるマーベルテクノロジーグループ(MRVL)は、AIデータセンターへの投資拡大を背景にネットワーキング半導体が拡大するとしてモルガンスタンレーが目標株価を73ドルから80ドルに引き上げて+7.1％。

（以下、引け後の決算発表。時間外取引の株価は日本時間31日（木）午前8時15分時点）

マイクロソフト(MSFT)は、「アジュール」を含むクラウドサービス収入が前年同期比39％と市場予想を大幅に上回って、時間外取引で8％超上昇。

メタ プラットフォームズ A(META)は、インターネット広告の好調を受けて4-6月期決算が市場予想を上回り、7-9月期の売上ガイダンスも市場予想を大幅に上回ったことから、時間外取引で11％超上昇。

【7月31日(木)の米国市場】
主な経済・企業イベント：ECB主要政策金利
米シカゴ連銀全米活動指数（6月）、米新規失業保険申請件数（7月19日に終わる週）
S&Pグローバル米国製造業PMI（7月）、米新築住宅販売件数（6月）

主な企業決算の発表：
（寄り前）ブリティッシュ アメリカン タバコ ADR(BTI)、アッヴィ(ABBV)
マスターカード A(MA)、クアンタ サービシーズ(PWR)
（引け後）アップル(AAPL)、アマゾン ドットコム(AMZN)、マイクロストラテジー A(MSTR)
コインベース　グローバル A(COIN)

～見通し～
引け後に発表されたマイクロソフト、メタの好決算を受けて上昇が期待される。

SBI証券　投資情報部　榮　聡

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※本レポートはBloombergデータをもとにSBI証券が作成。
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