資産運用

債券をポートフォリオに入れて次の暴落に備える

債券をポートフォリオに入れて次の暴落に備える

(画像=SBI証券)

この記事は2026年3月12日にSBI証券で公開された「債券をポートフォリオに入れて次の暴落に備える」を転載したものです。
掲載記事:債券をポートフォリオに入れて次の暴落に備える

日経平均VIで知る市場参加者の恐怖

■シーソー相場を日経平均VIで客観視する

2026年2月28日に米国・イスラエルのイラン攻撃が始まって以降、日経平均株価は大きく振幅しながら価格を切り下げました。図表1は日経平均株価と日経225オプションの取引価格から算出される日経平均VIの推移を示したものです。日経平均VIは、米国で恐怖指数と呼ばれることもあるVIX指数(S&P500を対象としたオプション価格から算出)の日本版といえます。市場参加者が株式相場が大きく動くと考えるとき、特に株価急落時にオプション需要が増すことによって日経平均VIが急上昇するため、これが市場参加者の恐怖の度合いを測る指標とされています。

経験則から言えば、2026年3月4日や3月9日のように日経平均VIが日次終値ベースで50を超えるような局面では、市場参加者は半ばパニック状態にあることが多いといえます。直近の10年間でも、今回2026年3月の「中東ショック」とも「イランショック」とも呼べそうな急落以外では、2020年3月のコロナショック、2024年8月の(一部でそう呼ばれる)「令和のブラックマンデー」、2025年4月のトランプ関税ショックの3回しかありません。とはいえ、足元3回は毎年発生していることに加え、トランプ政権はまだ約2年10カ月続く(2026年3月時点)ことから、今後も短い間隔で日経平均VIが50を超える暴落に注意が必要と考えられます。

このため、日経平均株価が大きく動いた際に、値幅や変化率だけでなく日経平均VIを併用することによって、市場参加者のパニック度合いを客観的に眺めるヒントとなると考えられます。

図表1 日経平均株価と日経平均VI(2026.1.6~2026.3.9)

図表1 日経平均株価と日経平均VI(2026.1.6~2026.3.9)

(画像=SBI証券)

「110ー年齢」モデルポートフォリオ

■ライフステージでリスクを管理する

1989年の日本の株・不動産バブルの崩壊からは既に約37年も経過しています。バブル崩壊後、不良債権処理に手間取って長期間のデフレに苦しむ結果となり、株価も長期低迷となりました。その後の2000年のITバブル、2007年のサブプライムバブルと数年から10年おきに株価急騰・急落が繰り返し訪れています。こういった場合に、年齢が若ければ挽回のチャンスも多く投資以外の収入が期待できるので、仮に全資産に占めるリスク資産の割合が高くても相場の急変に耐えることができると一般に考えられています。逆に既にリタイアされている方の場合は、ライフステージの観点からリスク資産の割合を抑えた方が良いとされています。

この目安の一つが「110-年齢」(%)をリスク資産とするという考え方です。参考までに、本稿「オルカンの次は? GPIFと『110-年齢』の法則で考える資産配分 」(2025/11/27)で紹介している図を再掲します(図表2)。

■60歳なら債券50%、40歳なら債券30%と考えてみるなら

図表3は2026年1月6日の日経平均株価の終値を100として、2026年1月6日から3月9日までの日経平均株価と10年利付国債(第381回)、株式※と債券それぞれ50%投資、株式70%債券30%投資をそれぞれ指数化し、 その推移を示したものです。この間、2月の衆院選後の高市トレード再来で日経平均株価は年初来で+12%まで上昇しました。しかし、米国・イスラエルのイラン攻撃が激化すると年初来の上昇の大半を失いました。仮に投資ポートフォリオが100%株式だった場合、一時大喜びして、その後急落してガッカリという、ハラハラドキドキな投資となっていました。これが株式50%、債券50%の投資だった場合はかなりマイルドな値動き(緑線)となっていました。「110-年齢」モデルポートフォリオで考えるなら、60歳の方がちょうどリスク資産50%となります。このリスク資産の割合であれば、上昇も少ないけれども下落も少なく、相場急変にそれほど慌てることもないと思われます。

一方、40歳の方の場合は「110-年齢」モデルポートフォリオで示されるリスク資産の割合は70%で、債券等の非リスク資産の割合は30%となります。この場合でも株式100%の場合に比較して値動きは相対的に穏やかになり、リスク耐性が増していたといえます。

このように、債券をポートフォリオに一定割合組み込むことで、相場の急変動への耐性が増し、まだまだ続くトランプ相場への備えになると考えられます。

※ここでいう株式とは、日経平均株価に連動する投資成果を目指す投資信託やETFの利用を前提としています(手数料・税金・その他費用は考慮せず)。

■まとめ

・日経平均VIで株式市場のパニック度合いのヒントに

・債券をポートフォリオに組み込めば急落への対応となりうる

・「110-年齢」モデルポートフォリオを参考に、債券などの非リスク資産の割合を考える

図表2 「110-年齢」の法則で作成した年代別ポートフォリオ(例)

図表2 「110-年齢」の法則で作成した年代別ポートフォリオ(例)

(画像=SBI証券)

図表3 日経平均株価と国債価格の試算(2026/1/6~2026/3/9)

図表3 日経平均株価と国債価格の試算(2026/1/6~2026/3/9)

(画像=SBI証券)

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