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S&P500下落の中で円高耐性に注目!? 5年好成績 国内株式ファンドは?

S&P500下落の中で円高耐性に注目!? 5年好成績 国内株式ファンドは?

(画像=SBI証券)

この記事は2025年5月12日にSBI証券で公開された「S&P500下落の中で円高耐性に注目!? 5年好成績 国内株式ファンドは?」を転載したものです。
掲載記事:S&P500下落の中で円高耐性に注目!? 5年好成績 国内株式ファンドは?

2025年 インデックスファンドの運用成績は?

2025年の世界の株式市場はトランプ関税ショックによる乱高下によって波乱のマーケットとなっており、為替市場では米国景気の減速懸念などにより1月から円高ドル安傾向が続いています。
こうした状況下で2025年(2024年末から5月7日まで)のインデックスファンドとドル円のパフォーマンスを比較したものが図表1となります。
ここでは最も成績が良かったのは国内リートでした。国内リートは円高やディフェンシブな局面において物色されやすい資産として価格は上昇しました。続いて下げが小さかった順に国内株式、先進国債券、先進国リート、全世界株式、米国株式となりました。米国株式(S&P500)は国内株式と同様に下落したことに加えて、円高ドル安が進んだことで、投資信託の計算に使われるドル円TTMが9.6%の下落となったことが大きく影響しました。
過去5年間では苦戦していた国内リートは円高耐性のある資産として注目ですが、国内株式についても米国株式や全世界株式との比較で、下げが小さかった資産といえます。
円高(ドル安やユーロ安)は、多くの日本企業で業績の下振れ要因となるため、長期的な円高傾向は国内株式のマイナス要因と受け止められます。しかし、図表2にあるように過去の国内株式とドル円レートの推移を比較してみると、トランプ前政権の2017年や2020年は円高ドル安が進みましたが、国内株式は上昇した局面もありました。
今回の円高は、行き過ぎた円安の調整にとどまり、年初からの円高傾向が緩やかなものとなれば、日本企業の業績拡大基調が維持されることで、国内株式は底堅く推移することも期待されます。こうした投資環境を踏まえて今回は国内株式ファンドを取り上げます。
国内株式ファンドの選別においては、円高局面となった3ヵ月リターンがプラスとなり、かつ長期の5年リターンが良好だったファンドに注目します。SBI証券取り扱いでNISAで買える円高耐性があると考えられる5年好成績国内株式ファンドの一覧が図表3になります。

図表1 2025年 インデックスファンンドのパフォーマンス比較 (2024/12/30~2025/5/7 2024/12/30=100)

図表1 2025年 インデックスファンンドのパフォーマンス比較 (2024/12/30~2025/5/7 2024/12/30=100)

※QUICKデータをもとにSBI証券作成
※各インデックスファンドはeMAXIS Slimシリーズで計算
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

(画像=SBI証券)

図表2 国内株式(TOPIX)とドル円レートの推移 (2009/12/30~2025/5/7 日足)

図表2 国内株式(TOPIX)とドル円レートの推移 (2009/12/30~2025/5/7 日足)

※QUICKデータをもとにSBI証券作成

(画像=SBI証券)

図表3 NISAで買える 5年好成績 国内株式ファンド

図表3 NISAで買える 5年好成績 国内株式ファンド

※国内株式カテゴリーのNISA・成長投資枠対象ファンド(SBI証券ネット取り扱い)の中で3ヵ月リターンがプラスとなったファンドを5年リターン順に表示(2025年3月末基準)
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

(画像=SBI証券)

円高耐性に注目!? 5年好成績 国内株式ファンドは?

1位のダイヤセレクト日本株オープンは、三菱グループ企業の株式の中から流動性や信用リスク等を勘案して銘柄を決定しているファンドです。組入上位銘柄は三菱電機、三菱商事、三菱重工業、三菱UFJフィナンシャル・グループ、東京海上ホールディングスなどなっており、組入銘柄数は22銘柄です(※)。1年、3年でもTOPIXインデックスファンド大きくを上回る好成績ファンドとなっています。
2位のNZAM 日本好配当株オープン(3ヵ月決算型)は、予想配当利回りが高い銘柄を中心に、株価の割安度等にも着目し銘柄を選定してます。組入上位銘柄は、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、SOMPOホールディングス、MS&AD インシュアランスグループホールディングス、住友電気工業などとなっており、組入銘柄数は101銘柄です(※)。値動きの振れ幅を示す標準偏差が小さく、相対的にリスクを抑えながら高いリターンを上げているファンドといえます。
3位の日本好配当リバランスオープンは、日経500採用銘柄の中から予想配当利回りの高い上位70銘柄程度に均等投資し、月1回のリバランスを行うファンドです。4月のリバランス直後の7日時点では70銘柄に投資し、各銘柄の組入比率は均等投資のため1.4%~1.5%となっています。
4位のイーストスプリング・ジャパン中小型厳選バリュー株ファンドは、日本の中小型株に投資し、株価が企業価値に対して割安に評価されている銘柄へ集中投資を行っています。組入上位銘柄はおきなわフィナンシャルグループ、KHネオケム、日本化薬、山九、沖電気工業などとなっており、組入銘柄数は52銘柄です(※)。中小型株に投資していますが、比較的リスクが抑えられたファンドといえます。
5位の厳選ジャパンは、今後高い利益成長が期待できる20銘柄程度に厳選して投資しているファンドです。組入上位銘柄はソニーグループ、東宝、IHI、関電工、サンリオなどとなっており、組入銘柄数は21銘柄です(※)。取り上げたファンドの中で標準偏差は大きくなっていますが、3ヵ月や1年リターンは最も高くなっています。
6位のSMT 日本株配当貴族インデックス・オープンは、TOPIXの構成銘柄のうち、10年以上にわたり毎年増配しているか、又は安定した配当を維持している銘柄を対象としているS&P/JPX配当貴族指数(配当込み)に連動する投資成果を目指すファンドです。組入上位銘柄は安藤・間、長谷工コーポレーション、丸井グループ、日本曹達、センコーグループホールディングスなどとなっており、組入銘柄数は50銘柄です((※)。TOPIXインデックスファンドと比べてリスクが抑えられて高いリターンを上げているインデックスファンドといえます。
7位の日本好配当株オープンは、予想配当利回りの水準に着目しつつ、配当の安定性や成長性、企業の業績動向、株価のバリュエーション(割安性)等を勘案して銘柄を選定しているファンドです。組入上位銘柄はソフトバンク、武田薬品工業、セイノーホールディングス、アステラス製薬、三菱ケミカルグループなどとなっており、組入銘柄数は57銘柄です(※)。取り上げたファンドの中で標準偏差が最も抑えられているファンドとなっています。
8位のみずほ好配当日本株オープンは、予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を主な投資対象としているファンドです。組入上位銘柄はNIPPON EXPRESSホールディングス、三井住友トラストグループ、日本電信電話、AREホールディングス、AGCなどとなっており、組入銘柄数は94銘柄です(※)。

上記の国内株式ファンド8本を分類別に見ると、配当に着目したファンドが5本、独自の基準で銘柄選定を行うファンドが2本、中小型の割安株を投資対象とするファンドが1本となりました。
今後も中長期的な日本企業の業績拡大基調が維持され、緩やかな円高傾向を予想するなら、これらの国内株式ファンドへの分散投資が収益の安定化を図る上で有効な選択肢になると考えます。

(※)組入銘柄の情報は3月末基準。個別銘柄の取引を推奨するものではありません。

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