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「Deep Seek」で本格化?AI関連中小型株

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「Deep Seek」で本格化?AI関連中小型株

(画像=SBI証券)

この記事は2025年2月5日にSBI証券で公開された「「Deep Seek」で本格化?AI関連中小型株」を転載したものです。
掲載記事:「Deep Seek」で本格化?AI関連中小型株
新興株ウィークリー

(画像=SBI証券)

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証グロース市場・スタンダード市場の中小型株を中心に、好業績が期待される銘柄や、投資家の皆様が気になる話題についてわかりやすくお伝えします。

新興株ウィークリー ※YouTubeに遷移します。

「Deep Seek」で本格化?AI関連中小型株

最近の東京株式市場は2つのショックに見舞われました。ひとつは1/27(月)の「Deep Seekショック」で、もうひとつは2/3(月)の「トランプ関税ショック」でした。その影響で、日経平均株価は1/27取引時間中高値40,255円から、2/3同安値38,401円まで大きく下げました。

このうち、「Deep Seekショック」については、中国の新興企業であるDeep Seekが機能が制限されたエヌビディアのAI用半導体を使い低開発費でChatGPT並みの機能を有する生成AIを開発し、App Storeのダウンロードランキングでトップを獲得したというものでした。生成AIの分野で米国の地位が低下し、投資が減ると懸念され、東京株式市場では半導体や電線関連株等の株価が下落しました。

Deep Seekの生成AIについては、開発費の定義が明確でないことや、安全保障上の観点から欧米企業が使うとは考えにくいことから、当面は米国生成AIの脅威にはなりにくいとみられます。しかし、市場が「安価な開発費での生成AI開発」について、その実現可能性を認識したように思われます。

確かに、安価な半導体で生成AIの開発が可能になれば、生成AIを使ったサービスが急速に普及すると考えられます。株式市場の主役は「生成AIや半導体を作る企業」から「生成AIや半導体を使って様々なサービスを提供する企業」になるのではないでしょうか。事実「Deep Seekショック」以降、東証グロース市場は相対的に堅調な動きとなっています。生成AIやクラウドサービス等に関する企業が多いことを、投資家はかぎ取っているように思われます。

そこで今回の「新興株ウィークリー」では、AI(人工知能)関連の中小型銘柄を再吟味すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。

スクリーニング条件は以下の通りです。

① 東証スタンダード市場または東証グロース市場に上場
② SBI証券銘柄検索ウィンドウに「AI(人工知能)」と入力し、出力
③ 2/3(月)まで過去20営業日の1日当たり平均出来高が2万株以上
④ 決算発表予定日が2/10(月)以降
⑤ 前期営業利益、今期会社予想営業利益が1億円以上
⑥ 今期会社予想営業増益率が10%以上
⑦ 直近四半期累計(直近決算が本決算の場合は本決算)営業増益率が10%以上(黒字転換含む)
⑧ 取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

図表の銘柄は、上記条件をすべて満たしています。掲載は③の平均出来高が多い順です。なお、24年10~12月期の決算発表が本格化しているタイミングを考慮し、足元の業績についてもチェックしています。

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気になる投資テーマ等がございましたら、こちらにご意見お待ちしております。

【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

(画像=SBI証券)

【参考】 1/28(火)~2/4(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

【参考】 1/28(火)~2/4(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

(画像=SBI証券)

■図表 「Deep Seek」で本格化?AI関連中小型株

■図表 「Deep Seek」で本格化?AI関連中小型株

※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成。

(画像=SBI証券)

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■ポート (7047)~就活市場や電力・ガスの販促市場で成約支援事業を展開。1月から、AIによる高精度な求人提案の自動化が可能

★日足チャート(1年)

★日足チャート(1年)

(画像=SBI証券)

★業績推移(百万円)

★業績推移(百万円)

(画像=SBI証券)

■国内最大級の「就活」プラットフォームを運営


SNSを活用した採用支援サービスを目的として、2011年に設立。主に以下の2領域で、成約支援事業を展開しています。

▹ 人材支援領域

(24.3期の売上収益:53億円、事業利益:2.7億円)

国内最大級の就活ノウハウ情報サイト「キャリアパーク!」や口コミサイト「就活会議」を運営。近年、OB・OG訪問マッチングサイト「Matcher」や、就活生コミュニティサイト「みん就」を買収し、網羅性を向上。総会員数は90万人以上に上ります(24.9末時点)。また、求人企業へ人材の直接紹介も行っています。

▹ エネルギー領域

(24.3期の売上収益:110億円、事業利益2.0億円 ※)電気・ガス事業者向けに販促支援サービスを提供しています。2/3(月)、国内最大級の電力切替えプラットフォームを擁するENECHANGE(4169)と業務提携を発表しました。

※旧販促支援サービス。24.3期はファイナンス領域と、リフォーム領域(売却済)も含まれていました。

一見、上記2領域は全く異なる分野のように見えます。しかし、市場規模の大きさや成長可能性、ウェブマーケティングでの集客・高い成約率が見込める等が共通しています。就活も電気・ガス契約市場も、クライアント(企業)側の競合は激しく、ユーザー側としては人生での体験回数が少なく、決定の難易度が高くなっています。そのため、支援サービスの介在価値が高くなり、成約報酬も高くなると会社側は説明しています。

また他にも、新規領域として、オンライン診察プラットフォームやカード情報サイトなどを展開しています。

AI面接やAIエージェントサービスを提供

人材支援領域でAIを用いたサービスを提供中です。AIを活用した自動マッチング開発による、求人レコメンドの提供を開始。人材紹介件数の増加に寄与しました。他には、面接診断AIサービスも提供しています。

本年1/24(金)には、AIエージェントサービスの提供を開始。全ての企業求人案件情報と求職者のデータ等をAIが統合的に解析し、高精度な求人提案の自動化が可能になりました。

エネルギー領域では、AIを活用し、組織の生産性・品質向上に向けた取り組みを行っています。成約データの分析とマニュアル最適化などで使用されています。

■今期業績は堅調。IR活動も積極的

25.3期中間期の業績は、売上高99億円(前年同期比42%増)、経常利益15億円(同25%増)と増収増益※。2領域とも事業買収による顧客基盤の拡大や市場成長等が寄与したもようです。エネルギー領域では、前期(24.3期)に積み上げたストック収益も寄与しました。ユーザーの利用状況に応じて収益が発生するため安定的な収益計上が今後も期待できそうです。

※2024年5月31日付で当社の連結子会社である株式会社ドアーズの全株式をニフティライフスタイル株式会社に譲渡したため、当該事業を非継続事業に分類。これに伴い、前中間連結会計期間の売上収益及び営業利益については、非継続事業を除いた継続事業の金額に組み替えて比較・分析(会社資料より)。

また、個人投資家に向けたIR活動も積極的に行っています。You TubeのIR関連動画にCEO自らも出演し、note、X(旧Twitter)なども活用されています。

25.3期3Q(10-12月期)決算は2/13(木)に発表予定で、同日に決算発表説明会が開催される予定です。同社IRサイトより事前登録をすることで、zoomでの決算説明会参加と、Q&A機能での質問を受け付けています。

■eWeLL (5038)~在宅医療をDXする会社。「2025年問題」関連銘柄。AIを活用し、顧客単価向上に期待

★日足チャート(1年)

★日足チャート(1年)

(画像=SBI証券)

★業績推移(百万円)

★業績推移(百万円)

(画像=SBI証券)

■在宅医療をDXする会社

在宅医療をDX(デジタル化によってビジネスモデルを変革する取り組み)する会社です。「急性期医療」を経て、「慢性期医療」を担う中心的な存在が訪問介護です。しかし、訪問介護業務の多くは、看護師不足に加え、紙カルテによる手書きで行うなど、業務の非効率さが指摘されてきました。

主力製品であるクラウド型訪問介護専用電子カルテである「iBow(アイボウ)」は、訪問介護業務を効率化させ、ひとり当たりの訪問件数増加に寄与しています。また、レセプト(医療機関が保険者に出す資料明細報告書)を作成できるシステムも提供しています。

2025年以降、日本の第一次ベビーブ-ム(1947年~49年)に生まれた人々(約800万人)がすべて75歳以上の後期高齢者になってきます。医療保険や、介護保険、生活保護など社会保障費の負担が増大することに加え、少子化の進展により医療や介護を担う人材は不足してくとみられます。こうした「2025年問題」を背景に、訪問介護業務の効率化は避けて通れない課題で、当社製品への需要は増えそうです。

2桁増収・増益が継続。中計でも増益継続を計画

業績は20.12期に経常・純損益が黒字転換した後、21.12期以降は2桁増収・増益が継続しています。24.12期は売上高25.6億円(前期比23%増)、営業利益11.1億円(同22%増)が会社計画です。

昨年11月に発表された24.12期3Q累計決算では売上高18.6億円(前年同期比24%増)、営業利益8.2億円(同16%増)と好調を持続しました。4Qは利益率が低下する傾向にあるようですが、通期予想営業利益率43.4%に対し、3Q累計営業利益率は44.3%で、予想を上回る進捗とみられます。24.12通期の決算発表は2/14(金)の予定です。

中期計画では、営業利益について25.12期14.8億円、26.12期18.7億円と増益が続く見通しです。本決算で高い増益シナリオに期待したいところです。

■決算発表で成長イメージ維持に期待

株価は国内証券が高評価で調査開始したこともあり、昨年12/25(水)の取引時間中に2,060円の高値を付けましたが、その後は一服状態です。

決算発表を経て、中期計画通りの成長イメージを維持できれば「2025年問題」関連銘柄として注目されそうです。さらに昨年10月には「iBow(アイボウ)」に生成AI機能を追加し、訪問看護記録の作成が自動化されるようになり、顧客単価の向上が期待されます。

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※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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