
(画像=SBI証券)
この記事は2025年3月5日にSBI証券で公開された「金利上昇に強い!?中小型株8選」を転載したものです。 掲載記事:金利上昇に強い!?中小型株8選 |

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当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証グロース市場・スタンダード市場の中小型株を中心に、好業績が期待される銘柄や、投資家の皆様が気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
金利上昇に強い!?中小型株8選
3月相場に突入し、東京株式市場は波乱含みの展開が続いています。3/4(火)には、いよいよ米トランプ政権が、メキシコとカナダに対し関税を発動し、中国に対しては関税の引き上げを実施しました。これに対し各国は、対抗措置を講じるなど、貿易摩擦激化による景気見通し悪化懸念が株式市場の重しとなっています。
また、景気見通しの悪化を受け、米国では年内利下げ再開観測が強まり、米債券利回りが低下。円高ドル安が進行し、昨年12月初旬以来となる1ドル148円台をつける場面がありました。円高進行も東京株式市場の下落圧力となっています。日銀による政策金利の引き上げは継続するとの見方が主流です。
一般的に、金利上昇局面は、グロース株にとって逆風となると考えられることが多いです。金利が上がると、企業経営にとっても新たに資金を得て、成長投資をしてゆくことが、難しくなるという面があります。
そこで、今回の「新興株ウィークリー」では、金利上昇局面にも強い「キャッシュリッチ」で「財務堅固」な中小型株をご紹介させていただきます。スクリーニング条件は以下の通りです。
① 東証グロース市場、もしくは東証スタンダード市場に上場
② 1日当たり平均出来高(25日)が2万株以上
③ 流動比率が業界平均(東証業種・市場別)より高い
④ ネットキャッシュ比率が30%以上
⑤ 今期会社予想経常利益及び純利益が黒字
⑥ 今期に配当を実施予定
⑦ ROE(3期平均)が10%以上
⑧ 取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く
図表の銘柄は、上記条件をすべて満たしています。掲載はネットキャッシュ比率が高い順です。
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【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

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【参考】 2/25(火)~3/4(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

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■図表 金利上昇に強い!?中小型株8選

※Quick Workstation Astra Manager、会社発表データをもとにSBI証券が作成。財務データは直近四半期末基準。
※「ネットキャッシュ比率」はネットキャッシュ(現金及び預金等の手元流動性から有利子負債等を引いた金額)を総資産で割った比率。
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一部掲載銘柄を詳細に解説!
■サイバートラスト (4498)~電子認証の日本のパイオニア。マイナやペーパーレス化が追い風
★日足チャート(1年)

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★業績推移(百万円)

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■認証サービス等で、デジタル社会に安心・安全を提供。時代の変化が追い風
ソフトバンクグループ(9984)で、ICTサービス事業の中核を担うSBテクノロジーの子会社。日本初の商用電子認証局として、国内最長となる25年以上の運用実績を有する企業です。
商用電子認証局とは、インターネット上で安全な通信を確保するために、電子証明書を発行する機関を指します。認証・セキュリティサービスは全売上高構成比率(24.3期)の61%と過半数を占めています。マイナンバーカードの導入や、ペーパーレス化の促進などが、業績拡大の追い風です。
次に全売上高構成比率(同)が高いのは、Linux/OSS*サービスで、22%を占めています。Linux OS や OSS に関連する製品サービスのサポートサービスやコンサルティングサービスを提供しています。
*OSS(オープンソースソフトウェア)は誰でも自由に使ったり、改良したりできるWindowsやMacOSなどの基本ソフトのようなもの。LinuxとはOSSの一つで、安全性の高さから、サーバーやクラウドでよく使用される。
3つ目のIoTサービスは、全売上高構成比(同)の18%を占めており、デバイスの認証やソフトウェアの安全なアップデートをサポートするプラットフォームサービスや、脆弱性管理サービス等を提供しています。
収益構造は、顧客が継続的に使用することで利益が増加するリカーリング型モデルが売上高比率(同)6割超を占めています。同社のリカーリング型モデルは、①従量課金制(電子署名や認証の利用ごとに発生する手数料など)+②定額制(ソフトウェアの保守など)の2つの収益から成り立っています。
■同社の本確サービスは、マイナ免許証に対応!
3/24(月)にマイナンバーカードと運転免許証が一体化した、マイナ免許証が運用開始予定です。以降。レンタカー事業者や物流・運送事業者などは、利用者のマイナ免許のICチップ読取が必須となります。同社の「iTrust 本人確認サービス」を利用することで、事業者は自社のアプリにマイナ免許証の ICチップを読み取る機能を実装できる仕組みです。
■財務堅固。9期連続増収増益、2桁台成長続く
業績は堅調で、24.3期は9期連続となる増収・営業増益を達成。認証・セキュリティサービスの「iTrustサービス」が業績をけん引しました。マイナンバーカードを用いた給付金申請や、金融機関での口座開設時の本人確認にも同社サービスが使用され、トランザクション件数*が急増した格好です。
*リカーリング収益の源となる「取引件数」や「処理件数」。
今期3Q(24.4‐12月期)時点の業績も売上高53億円(前年同期比14%増)、営業利益9.6億円(同39%増)と2桁台以上の伸びとなりました。
3Q末時点で、現金預金が総資産の61%を占め、流動比率は310%と業界平均(東証グロース・情報通信)の204%と比較し、100%pt上回っている水準です。安定した業績成長と財務状態を背景とし、23.3期から1株当たり年間17.5円の期末配当を実施しています。
■東映アニメーション (4816)~アニメ作品を多数世に送り出し版権ビジネスも展開。財務強固・高い利益率も強み
★日足チャート(1年)

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★業績推移(百万円)

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■アニメ製作・販売や版権事業を展開
東映(9605)が34.1%の株式を保有(24.9末時点)し、アニメーション製作を行っています。事業別の売上構成比(24.3期・カッコ内)は以下の通りです。
(1)映像製作・販売事業(39%):劇場・テレビ向け等に各種アニメ作品を企画、製作。また、放映権、配信権、ビデオ化権等を販売します。
(2)版権事業(45%):作品やキャラクターの使用権を各種メーカーに許諾し、グッズ、ゲーム、キャンペーンなどを展開します。
(3)商品販売事業(12%):オリジナル商品の企画開発やショップ展開を行っています。
(4)イベント事業(4%):着ぐるみショーやミュージカルなど各種イベントの企画運営を行っています。
■企画・制作・営業を「三位一体」で運営
1960年代の「狼少年ケン」「魔法使いサリー」等を皮切りに、近年の「スラムダンク」や「ワンピース」など、多くの人々が親しんできたアニメ作品を数多く世に送り出してきました。
世界の人々を魅了してきたコンテンツは24.3期末で、映画269本、テレビ向け237作品、総話数13,791話に達し、日本国内にとどまらず100ヵ国以上で放映されています。
企画・制作されたアニメ作品を単に販売するにとどまらず、版権を販売し、また商品化、イベント開催等によって収益化する、企画・制作・営業の「三位一体」運営が基本的ビジネスモデルであり、強みとなっています。
■強い財務、強い収益力
25.3期3Q累計の売上高は727億円(前年同期比8%増)、営業利益は233億円(同31%増)でした。25.3通期会社予想営業利益270億円(前期比15%増)に対し、3Q累計営業利益の進捗率は86%で、足元の業績は順調とみられます。
25.3期3Q末の総資産1,774億円のうち、現金及び預金の比率は44%で、有利子負債はなく、流動比率は405%と業種(情報・通信業)平均228%を多く上回っており、財務は堅固といえるでしょう。
一方、収益力の面では売上高営業利益率(25.3期3Q累計)が26.5%、ROEが15.3%(24.3期)と高水準です。
グローバルなアニメ市場の規模について2022年の57兆円(うち日本市場は2.9兆円)から2030年には86兆円に成長するとの見方もあり、成長余地は大きいように思われます。
株価は25.3期3Q決算発表日である1/30(木)終値3,690円から、2月上旬に一時3,100円まで下げ、時価もそれに近い水準で低迷しています。3Q(3ヵ月)だけをみると、営業利益が前年同期比微減にとどまったことが嫌気されたとみられます。ただ、既述したように進捗率は順調であり、会社計画を達成できれば、持ち直す可能性が高まりそうです。
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