
(画像=SBI証券)
この記事は2025年5月21日にSBI証券で公開された「堅調グロース市場をリード?増収増益予想12銘柄」を転載したものです。 掲載記事:堅調グロース市場をリード?増収増益予想12銘柄 |

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当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証グロース市場・スタンダード市場の中小型株を中心に、好業績が期待される銘柄や、投資家の皆様が気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
堅調グロース市場をリード?増収増益予想12銘柄
東京株式市場では、日経平均株価が上値の重い展開です。前週5/13(火)に3月下旬以来の38,000円台を回復した後は戻り売り圧力が増えているようです。4/2(水)のトランプ米大統領による「相互関税」公表以前の株価を回復し、トランプ関税への懸念後退がおおむね織り込まれた形になっています。
そうした中、東証グロース市場指数は5/9(金)~5/20(火)に8日連続高となるなど、堅調さが目立っています。東証全般の株価が急落した4/7(月)から5/20(火)までの上昇率でも、日経平均株価の21%に対し、東証グロース市場指数は34%とアウトパフォームしています。
前週まで、東京株式市場では決算発表が繰り広げられてきましたが、AIの普及やDX需要を背景に、情報・通信セクターの好調が目立ちました。東証グロース市場609銘柄のうち、情報・通信業の銘柄数は42%(5/21時点)を占めています。好調業種の銘柄が多いことが、東証グロース市場の相対的な強さにつながっている可能性もありそうです。
今回の「新興株ウィークリー」では、直近決算発表が終了した東証グロース市場銘柄の中から、大幅増収増益が期待される銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。
スクリーニング条件は以下の通りです。
① 東証グロース市場に上場
② 売買高移動平均(20日)が2万株以上
③ 3月に決算期末を迎えた銘柄
④ 2025/5/13(火)~2025/5/15(木)に決算発表を実施
⑤ 25.3期の営業利益が前期比20%超の増益、または黒字転換
⑥ 26.3期の会社予想売上高が前期比10%超の増収予想
⑦ 26.3期の会社予想営業利益が前期比20%超の増益予想
⑧ 取引所または日証金による信用規制・注意喚起銘柄を除く
図表の銘柄は、上記条件をすべて満たしています。掲載は、26.3期会社予想営業増益率が高い順です。
【参考】 5/13(火)~5/20(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

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■図表 堅調グロース市場をリード?増収増益予想12銘柄

※Bloombergデータ、会社発表データをもとにSBI証券が作成。
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一部掲載銘柄を詳細に解説!
■Finatextホールディングス(4419)~金融機関向けにクラウドシステムを提供。売上高は、25.3期:77億円→29.3期:300億円を目指す
★日足チャート(1年)

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★業績推移(百万円)

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■金機関向けにクラウドベースの基幹システムを提供
証券会社や保険会社向けのシステム開発等を行っています。クラウド技術が普及する中、いち早くクラウドベースの基幹システムを開発。金融機関は従来のシステムより安価で、日常のサービスに組み込まれた形で金融商品を提供できることが可能になります。
主力事業は売上高(25.3期)の59%を占める「金融インフラストラクチャ」で、資産運用会社や保険ビジネス向けに、業務システムをクラウドベースで提供しています。新規に証券や保険に参入する事業者は、低コストかつ迅速な事業参入が可能になります。
「ビッグデータ解析」(25.3期売上高構成比24%)では、機関投資家、公的機関等にオルタナティブデータ(一般的な公開情報以外のデータ群)等を提供。「フィンテックシフト」(同17%)では、大手証券会社やメガバンク、運用会社等のDXニーズに対応し、フロントエンドのアプリケーションを開発し、また汎用的な技術ソリューションを提供しています。
■29.3期に売上高300億円を目指す
業績は順調に拡大しています。2021年12月に新規上場した後、23.3期~25.3期は毎期前期比40%超の増収を確保、24.3期には営業損益が黒字化しました。5/13(火)に発表された25.3期本決算も、前述の3事業がすべて増収となり、売上高77億円(前期比43%増)、営業利益9.5億円(同363%増)と大幅増収増益でした。
26.3期の会社計画では、売上高110億円(前期比42%増)、営業利益18.7億円(同96%増)の見込みです。営業利益に減価償却費他3.7億円を加えたEBITDAは22.4億円(同89%増)を見込みます。
主力の「金融インフラストラクチャ」は前期比47%増の予想で、顧客企業層の拡大や運用会社による直販事業の支援、IFA向け投資一任運用サービスを計画しています。
中期計画では29.3期に売上高300億円、EBITDA100億円を目指します。25.3期を起点に、売上高は年40%、EBITDAは70%のペースで成長を見込んでいます。
証券システムの国内市場規模は1,785億円(2023年度・会社側推)程度と推計され、当社はそのうち1%程度しか占めていないという認識です。投信販売システムの拡大等を通じ、シェアの拡大を目指しています。
■決算発表後に株価は急騰
取引終了後に決算発表を行った5/13(火)終値は1,025円でしたが、決算発表を好感して翌日以降株価は上昇傾向となり、5/20(火)終値は1,377円です。
決算発表を好感した短期的な買いは一巡しつつあり、目先は利益確定売りに要注意とみられます。ただ、会社側が提示した中期計画通りであれば、今後も数年高い成長が続く見通しです。
今後も四半期決算等で増収増益ペースが確認されれば、株価も上昇基調維持が期待されます。
■FRONTEO (2158)~AIを駆使し専門家判断を支援。黒字転換から増益へ
★日足チャート(1年)

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★業績推移(百万円)

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■独自開発のAIを通じ、専門家の判断支援
自社開発のAI「KIBIT(キビット)」を通じ、専門家の判断支援を行う企業です。
「KIBIT(キビット)」は、特化型のAIです。創造性や自主性に注目が集まる生成AIとは異なり、「膨大な情報の中から必要な情報を探し出す」ことに特化しています。
そのため、医師や弁護士、研究者などの専門家が使用することで、膨大な論文や法令、症例などから必要な情報や判断材料となるデータを効率的に抽出することが可能です。
顧客は大手製薬会社から、銀行や証券会社等の金融機関(メガバンクグループ導入率100%)、製造業、サービス業、官公庁、大学・研究機関などが挙げられます。
■創薬支援や監査システム、内部不正調査など広範な活動領域
メイン事業は以下の2つです。
▸ AIソリューション事業(25.3期の売上高構成比43%、同営業利益2.7億円)
ライフサイエンスAI、ビジネスインテリジェンス、経済安全保障の3分野で展開。創薬支援サービスや言語系AI医療機器、メール&チャット監査システム、顧客の声(VoC)分析、株主支配ネットワーク解析ソリューションなど、提供サービスやシステムは多岐にわたります。
▸ リーガルテックAI事業(25.3期の売上高構成比57%、同営業利益2.4億円)
国際訴訟支援や企業内不正調査などを行っています。
■3期ぶりの黒字転換。今期は増益予想
25.3期は売上高60億円(前期比17%減)、営業利益5.2億円(23.3期は▲13億円、24.3期は▲1.8億円)と3期ぶりに黒字転換を達成。期初の25.3期の会社計画では、3期連続の営業赤字となる見通しでしたが、期中に2度上方修正を行いました。コストの最適化による損益分岐の改善、AIソリューション事業での売上拡大などが寄与しました。創薬支援や金融機関を中心に不正検知システム等の受注が堅調でした。
今期(26.3期)の会社計画は、売上高70億円(前期比14%増)、営業利益7億円(同32%増)と増収増益が続く見通しです。AI創薬分野の共創プロジェクトでの積み上げが見込まれるとしています。また、米関税政策によりサプライチェーン解析や、金融機関の不正検知システムへの需要も追い風になると想定されます。
5/20(火)時点で株価は、黒字化が好感された2021年高値5,300円から▲88%超の大幅安水準です。赤字転落が嫌気され、株価は軟調な展開が長期化してきましたが、黒字体質へ本格的に転換できれば見直し買いが広がると想定されます。直近では600円近辺が下値支持ラインになっているように見受けられます。
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