
(画像=SBI証券)
この記事は2025年4月21日にSBI証券で公開された「アメリカNOW! 今週の5銘柄 ~好決算銘柄と今週の好決算期待銘柄~」を転載したものです。 掲載記事:アメリカNOW! 今週の5銘柄 ~好決算銘柄と今週の好決算期待銘柄~ |
先週の米国株式市場は、米中対立の激化が重石となってテクノロジー株が下落、全体も弱含みのもみ合いとなりました。今週の株価材料として、トランプ関税に関する各国の交渉、1-3月期決算発表、地区連銀経済報告(ベージュブック)、などが注目されます。
今回は好調な1-3月期決算を発表したネットフリックス(NFLX)、台湾セミコンダクター ADR(TSM)、JPモルガン チェース(JPM)、今週発表予定の銘柄から好調が期待されるAT&T(T)、フィリップ モリス インターナショナル(PM)を選んでご紹介いたします。
図表1 S&P500指数のローソク足(週足、2年)

100週移動平均線の上方でのもみ合いとなっています。何とか中長期の上昇トレンドが維持されていると言えそうです。
※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
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図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率(「5日」は4/10(木)終値~4/17(木)終値によります)

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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先週の米国株式市場
S&P500指数は週間で1.5%、ダウ平均は2.7%、ナスダック指数は2.6%の反落となりました。
米中対立の激化が市場の重石となっています。米政権はエヌビディアのAI半導体「H20」を輸出規制の対象にするとした一方、中国は国内航空会社にボーイングからの航空機納入を受け入れないように指示して、米中対立に終息の兆しが見えません。
また、医療保険のユナイテッドヘルス グループ(UNH)は、関税の影響がないディフェンシブ銘柄として見直し買いが入っていましたが、1-3月期決算発表に際して通期利益見通しを下方修正して大きなネガティブサプライズとなりました。
経済指標では、3月小売売上高は前月比+1.4%と、1月に同-1.2%となった反動増もあって、関税発動前の米国経済の強さが確認されました。半導体受託生産の台湾セミコンダクター決算では、AI半導体の需要好調が示されましたが、半導体株全体への波及は限定的でした。
業種指数は、OPECプラスの増産による急落から戻り歩調にある原油価格の動きを受けたエネルギーのほか、金利反落を受けた不動産、金価格上昇を受けた素材、生活必需品、公益事業などディフェンシブ業種が上昇上位でした。テクノロジー株の影響が大きい業種はいずれも下落です。
個別銘柄で上昇率が最も大きいイーライ リリィ(LLY)は、経口型肥満治療薬「オルフォルグリプロン(Orforglipron)」が後期臨床試験で7.9%の体重減少と血糖値の低下を実現したと発表して4/17(木)に株価が14%上昇しました。経口型肥満治療薬としては初めて、年内に承認申請に進む見通しです。
今週の米国株式市場
先週に米10年国債利回りは図表3の通り反落(債券価格は反発)となったものの、米ドル指数は3週続落となって、「米国売り」が収まったと完全には安心できない状況です。
米国株がもみ合いとなる中、新興国の株式市場は上昇したものが多いことも、グローバルファンドが米国株の組み入れ比率を下げて、その他の国の株式に配分している可能性を示唆していそうです。
トランプ政権の関税に関する一連の行動が米国に対する国際的な信用を低下させて、米国からの資金離れにつながっていると言われており、この動きが続くと米国株式市場への影響も避けられません。引き続き注視していく必要があるでしょう。
今週の株価材料として、トランプ関税に関する各国の交渉、1-3月期決算発表、地区連銀経済報告(ベージュブック)、などが注目されます。
トランプ関税について各国とどのような関税引き下げ交渉が行われるのか注目です。4/17(木)にトランプ大統領は会見で、日本、メキシコ、イタリアと協議してきたと説明し、145%の追加関税をかける中国とも「取引できると思う」と述べました。今後3~4週間で結論を得られる可能性があるとしました。
今週の決算発表は、テスラ、ベライゾン、スリーエム、IBM、AT&T、フィリップモリスインターナショナル、インテル、P&G、メルク、アッヴィなどが予定されています。S&P500指数採用銘柄の1-3月期EPS(既発表企業の実績と今後発表予定企業の混合)は、前年同期比7.2%増(FactSet社集計、4/17(木)時点)の予想で、前週の同7.3%増から小動きです。
地区連銀経済報告(ベージュブック)は、米国の12の連邦準備銀行(地区連銀)がそれぞれの地域の経済状況をまとめた報告書で、FOMC(米連邦公開市場委員会)の参考資料になります。トランプ関税を受けた米国企業の具体的な反応事例が報告されるとみられ、注目されます。
経済指標では上記のほか、4/23(水)に米国の3月新築住宅販売件数(前月比+0.7%の予想)、4/24(木)に米国の3月耐久財受注(前月比+1.5%の予想)、米国の3月中古住宅販売件数(前月比-2.8%の予想)、などの発表が予定されています。
今週の5銘柄
今回は先々週から先週にかけて好調な1-3月期決算を発表したネットフリックス(NFLX)、台湾セミコンダクター ADR(TSM)、JPモルガン チェース(JPM)と、今週に決算発表予定の銘柄から好調が期待されるAT&T(T)、フィリップ モリス インターナショナル(PM)を選んでご紹介いたします。
図表3 米10年国債利回りの一目均衡表(日足、3ヵ月)

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
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今週の注目銘柄

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、いずれも2025年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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主要イベントの予定

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
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