
(画像=SBI証券)
この記事は2025年5月19日にSBI証券で公開された「アメリカNOW! 今週の5銘柄 ~アナリストが通期業績予想を引き上げた銘柄~」を転載したものです。 掲載記事:アメリカNOW! 今週の5銘柄 ~アナリストが通期業績予想を引き上げた銘柄~ |
先週の米国株式市場は、米中が相互の関税率を90日間115%ポイント引き下げることに合意したことがポジティブサプライズとなって大幅上昇となり、週後半にはトランプ大統領の中東歴訪が大規模な対米投資を引き出したことから上昇が続きました。今週の株価材料として、トランプ大統領の動き、大手小売企業の決算発表、金融当局者の発言、などが注目されます。
今回は主要銘柄の1-3月期決算発表を受けてアナリストによる通期予想EPSの修正率が大きい銘柄から、パランティア テクノロジーズ A(PLTR)、フィリップ モリス インターナショナル(PM)、ウォルト ディズニー(DIS)、ブッキング ホールディングス(BKNG)、ネットフリックス(NFLX)を選んでご紹介いたします。
図表1 S&P500指数のローソク足(週足、2年)

(画像=SBI証券)
「雲」の中でのもみ合いを想定していましたが、米中間の関税率引き下げを受けて「雲」の上限を大幅に突き抜けました。反落する場合も、今後は「雲」の上限が下値支持ラインになると期待されます。
※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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先週の米国株式市場
S&P500指数は週間で5.3%、ダウ平均は3.4%、ナスダック指数は7.2%の大幅上昇となりました。
5/10(土)、5/11(日)に行われた米中協議において関税率を90日間115%ポイント引き下げることに合意したことで、世界的な貿易戦争に対する懸念が後退して大幅高となりました。
同発表を受けて大幅高となった5/12(月)以降もテクノロジー株への買いが継続して「相互関税」発表前の水準を大幅に上回り、S&P500指数は年初来騰落率が+1.3%まで改善しました。
週後半にはトランプ大統領の中東歴訪の成果として各国の対米経済協力が発表され、相場を押し上げる要因となりました。サウジアラビアが6,000億ドル、UAEが2,435億ドル、カタールが2,000億ドル超の投資・売買契約に応じたと報じられています。
業種指数は、大手テクノロジー株の寄与が大きい、情報技術、一般消費財・サービス、コミュニケーションサービスなどが大幅に上昇しました。一方、ヘルスケア、生活必需品、公益事業などディフェンシブが劣後しました。
個別銘柄で上昇率の2位、3位、4位となった、エヌビディア(NVDA)、アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD)、ブロードコム(AVGO)はいずれもAI計算のアクセラレーター半導体を手掛けます。中東諸国からの対米投資の中心は、データセンターとなる見込みで、これら企業が恩恵を受けるとの期待があります。
今週の米国株式市場
S&P500指数は「相互関税」発表前の水準を大きく上回って、戻し過ぎとなっている印象です。関税のファンダメンタルズへの影響を織り込むのはこれからで、慎重姿勢を維持したほうがよいのではないでしょうか。
ただし、トランプ大統領は関税政策の落としどころが見えてくると、相場の押し上げ要因になる規制緩和、減税を押し出してくる可能性があり、相場見通しを複雑化しています。
なお、5/16(金)に格付け大手のムーディーズが、財政収支の悪化見通しを理由に米国債の長期信用格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」へ1段階引き下げました。5/19(月)の市場の反応が注目されます。
今週の株価材料として、トランプ大統領の動き、大手小売企業の決算発表、金融当局者の発言、などが注目されます。
トランプ大統領は、先週中東歴訪で大きな成果をあげました。今週は米中関係でさらなる進展があるか注目されます。先週米中合意の発表後に週末にも習主席との電話会談の意向を示しましたが、それは実現しませんでした。しかし、習主席との会談のために訪中する用意があるとの発言も出て、注目されます。
今週はホームデポ、ロウズ、ターゲットなど大手小売企業の2-4月期決算発表が予定されています。先週発表のウォルマートは関税の影響による仕入れ価格の上昇圧力を吸収しきれないとして、今後の販売価格上昇を示唆しました。今週の大手3社はいずれもウォルマートより輸入品の構成比が高いため、ウォルマートよりも厳しいコメントが出てくる可能性があるため、注意が必要でしょう。
今週は金融当局者の発言が多くなる予定です。アトランタ連銀ボスティック総裁、ジェファーソンFRB副議長、クリーブランド連銀ハマック総裁、サンフランシスコ連銀デイリー総などです。FRBの政策金利を予想するFedWatchでは、年内2回の利下げが予想の中心になっています(日本時間5/19(月)午前8時半時点)。
経済指標では上記のほか、5/19(月)に中国の4月鉱工業生産(前年比+5.8%の予想、前月は同+7.7%)、同小売売上高(前年比+6.0%の予想、前月は同+5.9%)、5/22(木)に米国の4月中古住宅販売件数(前月比+2.0%の予想)、米国の4月新築住宅販売件数(前年比-4.7%の予想)、などの発表が予定されています。
今週の5銘柄
今回は主要銘柄の1-3月期決算発表が一巡したことから、決算発表を受けてアナリストによる通期予想EPSの修正率が大きい銘柄を図表3に抽出しました。
ここから、関税の影響度合い、市場の物色動向なども勘案して、パランティア テクノロジーズ A(PLTR)、フィリップ モリス インターナショナル(PM)、ウォルト ディズニー(DIS)、ブッキング ホールディングス(BKNG)、ネットフリックス(NFLX)を選んでご紹介いたします。
なお、リストトップのアルファベットについては、1-3月期のEPSが市場予想を37%も上回ったことを受けて通期予想EPSの上方修正が大きくなりました。しかし、ネット検索の件数がAI利用の広がりによって影響を受けるのではないかとの懸念が台頭していること、また、同社は司法省による独禁法違反の裁判をかかえていることなどを考慮して、今回は取り上げませんでした。
図表3 通期予想EPS修正率が大きい銘柄(S&P指数100指数採用銘柄、1-3月期決算の銘柄対象)

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
(画像=SBI証券)
今週の注目銘柄

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、ウォルトディズニーが2025年9月期、その他は2025年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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主要イベントの予定

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
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