
(画像=SBI証券)
| この記事は2025年12月1日にSBI証券で公開された「アメリカNOW! ~ アルファベットがAIアクセラレーターを外販(?)で注目のAI半導体関連銘柄 ~」を転載したものです。 掲載記事:アメリカNOW! ~ アルファベットがAIアクセラレーターを外販(?)で注目のAI半導体関連銘柄 ~ |
先週の米国株式市場は、金融当局者の発言を受けて12月利下げ期待が復活したことに加え、テクノロジー株への利食い売りが一服したことから、大幅な反発となりました。今週の株価材料として、年末商戦の動向、11月ADP雇用統計、AI物色の回復が注目されます。
今回は市場で注目が高まっているAI半導体の関連企業として、アルファベット A(GOOGL)、ブロードコム(AVGO)、エヌビディア(NVDA)、アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD)、マーベルテクノロジーグループ(MRVL)を選んでご紹介いたします。
図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

(画像=SBI証券)
「雲」が下値支持帯として機能しました。高値圏でのもみ合いに移行していく可能性が高そうに見えます。
※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率(「5日」は11/20(木)終値~11/28(金)終値によります。)

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
(画像=SBI証券)
先週の米国株式市場
S&P500指数は週間で3.7%、ダウ平均は3.2%、ナスダック指数は4.9%の大幅上昇となりました。
11/21(金)のNY連銀ウィリアムズ総裁、11/24(月)のウォラーFRB理事の発言を受けて、市場の12月利下げ期待が復活して株価の支えになりました。FedWatchによる12月利下げ確率は、先々週に一時30%台まで低下していましたが、先週は80%台まで上昇しました(図表3)。
テクノロジー株に対する利食い売りも一巡となりました。AIバブル、AI過剰投資への懸念は完全になくなってはいないと見られますが、エヌビディアがベンダー・ファイナンス批判に対する反論のメモを米証券アナリストに配布したことが報じられ、一旦懸念が後退しました。
また、米大手証券がS&P500指数の2026年末目標値を公表し始めており、概ね7,100~8,000ポイントと強気の見通しが示されたことも安心感を生みました。
業種指数(「5日」は11/20(木)終値~11/28(金)終値によります)では、アルファベットがけん引したコミュニケーションサービス、テスラがけん引した一般消費財・サービスの上昇が大きくなっています。1ヵ月ではヘルスケアの9.1%上昇が目立っています。
個別銘柄で上昇トップのインテル(INTC)は、アナリストのミンチー・クオ氏がアップルの先進ノードサプライヤーになる可能性が高まっており、2027年にもローエンドのMシリーズチップ(アップルが設計したMac用の半導体)の製造を開始する可能性があるとコメントしたことで11/28(金)に10%上昇しました。
今週の米国株式市場
S&P500指数は、テクニカル的に重要な100日移動平均線や一目均衡表の「雲」の下限からきれいに反発して、一安心といったところです。テクニカルに重要なポイントをブレイクしなかったということは、重要なファンダメンタルズの変化が起きていないと解釈できます。米大手証券によるS&P500指数の2026年末目標値は、公表されているのはまだ一部ではありますが、7,100~8,000ポイントと上昇が見込まれています。
今週の株価材料として、年末商戦の動向、11月ADP雇用統計、AI物色の回復が注目されます。
年末商戦が本格化しており、今週早々にブラックフライデーからサイバーマンデーまでの速報が出てくる見通しです。全米小売業協会(NRF)によると、今年の年末商戦の売上高は前年比3.7%~4.2%増加して堅調な見通しです。マスターカードの調査では、ブラックフライデーの売上は前年比4.1%で、堅調でした。
通常であれば労働省の11月の雇用統計が発表されるタイミングですが、政府閉鎖の影響で発表は12/16(火)にずれ込む見通しです。このため、民間の雇用統計であるADP雇用統計が注目されます。11月分は前月比2.0万人増で、雇用市場の急激な悪化は免れるものの、引き続き鈍化傾向を示す見込みです。
AI投資が過剰か否かについて株式市場での議論は続いています。先週にはエヌビディアが証券アナリストに対して自社の主張を説明するメモを配布したと報じられましたが、リリースでの一般公開はありませんでした。
報道によると市場で「ベンダー・ファイナンス」と批判されているAI半導体顧客企業への投資に対して、通常顧客からは53日以内に代金を回収しており、「売上を膨らませるための典型的なベンダー・ファイナンス」とは性格が異なると反論したとされます。引き続き議論の行方を注視する必要がありそうです。
経済指標では、12/1(月)に米国の11月ISM製造業景気指数(前月の48.7から49.0に改善の予想)、12/3(水)に米国の11月ADP雇用統計(前月比1.0万人増の予想)、11月ISM非製造業景気指数(前月の52.4から52.0に改善の予想)、12/5(金)に米国の9月個人消費支出物価指数(総合指数は前年比+2.8%の予想、前月のデータなし、コア指数は同+2.8%の予想、前月のデータなし)、12月ミシガン大学消費者信頼感(前月の51.0から52.0に改善の予想)、などの発表が予定されています。
今週の5銘柄
今回は市場で注目が高まっているAI半導体の関連銘柄をご紹介いたします。
AI投資は過大ではないかという見方が市場参加者の一部にあり、ここ1ヵ月株価は大きく変動し、その動静が注目されています。さらに、アルファベットがこれまで自家消費に限ってきたカスタムAI半導体「TPU」(Tensor※ Processing Unit)を外販するのではないかとの観測があり、AI半導体市場が大きく動く可能性が出てきています。
※「Tensor」は、AI計算に使われる多次元配列の数学的な概念を指します。
「TPU」を擁するアルファベット A(GOOGL)、「TPU」の製造を請け負っているブロードコム(AVGO)、AI半導体を製造するエヌビディア(NVDA)、アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD)、マーベルテクノロジーグループ(MRVL)をご紹介いたします。
図表3 12月FOMCでの利下げ確率の推移(FedWatch)

※FedWatchの公表をもとにSBI証券が作成
(画像=SBI証券)
図表4 今週の5銘柄の投資指標

注:予想PERは今期予想EPSに基づいて計算しています。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
(画像=SBI証券)
今週の注目銘柄

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、エヌビディア、マーベルテクノロジーグループは2027年1月期、ブロードコムは2026年10月期、その他は2026年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成
(画像=SBI証券)
主要イベントの予定

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
(画像=SBI証券)
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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