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#4明治大サッカー部・桒原陸人「厳しい環境が自分を磨く」プロを目指す挑戦の日々

「武器がないことが武器」――かつて栗田前監督からかけられたその言葉が、桒原陸人の心に深く刻まれている。

ガンバ大阪ユース出身。U-15からU-20まで世代別日本代表に選ばれ、高校時代にはJリーグ杯の舞台も経験した。世代屈指のマルチプレーヤーとして注目されながら、次のステージに選んだのは明治大学サッカー部だった。

3年生となった今、プロを目指すその歩みは新たな局面を迎えている。金融セミナーで得た「投資への気づき」と、サッカーを通じて培われた「人間力」。桒原はその両輪を胸に、未来へと視線を向けている。

本インタビューでは、セミナーでの学び、明治大学での成長、そしてプロへの決意に迫る。

【ファーストパートナーズの金融セミナーに参加してみて】

-本日のセミナーを終えて感想を教えてください

すごく分かりやすかったです。昨年に引き続き参加したのですが、今年は海外のサッカーチームのデータを使った説明など自分たちの身近な話題もあり、より分かりやすかったです。

-セミナーを通じて、昨年と今年で意識の違いなどはありますか

去年のセミナーで初めて資産運用などに興味を持って、実は親に協力してもらいながらNISAを始めました。まだ少しですけど。

-普段、どのようなことにお金を使っていますか、もしくは投資していますか

今はバイトができないので仕送りに頼っている状況です。

そのため、基本的には食事とパーソナルジムにお金を使っています。以前に肉離れをしたので体の使い方を見直す必要があるため、島野さん(キャプテン)に紹介してもらったジムでトレーニングをしています。

-お金を稼ぐことの大切さや大変さが分かる一方で、お金の使い方も重要だと思いますが、今後どのようなことに使ってみたいですか

将来はプロサッカー選手になりたいです。お金の使い方としては、ちょっと前まではいい車に乗りたい、とか思っていましたが、今はそうではなく、将来につながるようなことに使いたいです。

それが投資なのか自分の体づくりやメンテナンスに使うことなのか、具体的にはまだ決められていませんが、将来のためになる使い方をしたいという思いがあります。

【明治大学サッカー部での気づきと成長】

-明治大学サッカー部はここが違う!という部分はどこだと思いますか

他の大学に比べて人数が少ないところです。1部リーグのチームだと200~300人の部員がいますが、明治大学サッカー部は一般生も含めて55人くらいです。

人数が少ないからこそ“55人全員が同じ方向を向いて、全力でやる”ということができるので、他にはない部分だと思います。

-入学前にイメージしていた大学サッカーと、ギャップはありましたか

イメージしていた通りの部分もありましたが、いい意味でのギャップもありました。

下級生は寮内の仕事もやるのですが、「ここまでこだわるか」というくらいこだわっています。練習の参加だけだと、ピッチ外の様子までは分かりませんが、日常生活のこだわりが最終的にサッカーのパフォーマンスのところで差になって出てくるのだろうと感じました。

大学サッカー自体も、関東大学サッカーリーグはレベルが非常に高いです。プロで1年目から活躍する選手がいるくらいレベルの高いところでやらせてもらっているなと日々思います。

【今季のテーマと個人の目標】

-今季のリーグ戦も後半を迎えますが、チームやご自身のテーマはありますか

リーグ戦があるので、ケガなくスタメンで出続けたいのはもちろん、ゴールやアシストにもこだわりたいです。

部屋の机に個人の目標を貼っています。アシストについては、Jリーグをみると試合数の約3分の1がアシスト数なので、僕もリーグ戦とインカレの合計試合数の3分の1を目標にしています。ゴールも3点くらいは取りたいです。

試行錯誤しながらですが、進路を決める上でも大事な時期になるので。チームとしてはリーグの優勝はもちろんですし、リーグでいい結果を残すことでインカレにもいい形で入っていけると思います。

“リーグ戦とインカレの2つのタイトルを取る”というのは、部員全員の共通認識としてあります。

-監督からかけられた言葉で印象に残っているものはありますか

栗田前監督からかけられた言葉ですね。

明治大学サッカー部は全国から個性的な選手が集まるので、自分の武器(持ち味)を見失いそうになった時期がありました。その時に栗田前監督が監督室に呼んでくださって「武器がないと思うとしても、武器がないことが武器じゃないのか」と言ってくださったことがありました。

その言葉をきっかけに、自分は特段足が速いわけでも体が強いわけでもありませんが、全体的に高いレベルを保ちつつ、歴代の先輩方が築いてきたサイドバック像を突き詰めていこうと思えました。

【サッカーを通じて得た人間力】

-ここまでのサッカー人生で最も学んだことはなんですか

みんな言うと思うのですが“人間力”だと思います。人間力がどれだけサッカーに影響するのか、小学生から言われることなので分かっているとは思うんです。

その解像度というか、掃除ひとつとってもこだわりがピッチに現れると思います。自分が1年生の時に見ていた3年生の姿に、自分は今なれているのか、ということは考えます。

サッカーを通して人間的に成長させてもらっているし、その逆もあると思います。

-後輩にはどんな姿を見せたいですか

全てがうまくいっているというわけではないのですが、そんな中でも必死に足掻いている姿を、後輩たちに見て感じ取ってもらえればと思います。

自分もそういう姿を見てきました。応援であっても常に全力の姿勢というのは心に響くものがありました。きれいじゃなくてもそういう姿を見せていければと思います。

【明治で過ごす意味とプロへの可能性】

-明治大学もしくは、明治大学サッカー部に入って良かった、と思った時はいつですか

練習も寮生活も他の大学よりきついと思います。自分は厳しい環境を求めてきたので、思った通りきつくて良かったです。

-明治大学サッカー部が多くのプロ選手を輩出している要因はどこにあると思いますか

常に厳しい環境に身を置くことで、苦しい時に一歩を踏み出せる力が強いと思います。

また、基準となるベース自体も高いです。それがサッカーの技術だけじゃなくて、人間力が高いというところも要因だと思います。

(現在広島で活躍している)一緒にプレーしていた中村草太選手をすごいなと思うと同時に、自分にもそういう可能性があるということを思わせてもらえるのはありがたいです。

〈プロフィール〉

桒原陸人(くわはら・りくと)選手

明治大学体育会サッカー部に所属する3年生DF/MF。ガンバ大阪ユース出身で、U-15からU-20まで各年代の日本代表に選出されてきた世代屈指のマルチプレーヤー。

高校時代にはJリーグ杯にも出場し、主将としてチームを牽引。明治大学では1年次から公式戦に出場し、ハードワークとアグレッシブなプレーで存在感を発揮している。将来のプロ入りを目指し、日々研鑽を重ねている。

FPメディア編集部

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