大林組は24日、構造設計業務の一部である「断面設計」を効率化するため、構造設計者が長年にわたり蓄積してきたノウハウを数式化し、断面設計を自動で行う構造設計支援AI(人工知能)プログラムを開発したと発表した。
同社によれば、構造設計者は、建築物の耐震性や経済性、施工性など多様な性能要件を満たすため、建築計画に合致した架構の形状や、梁(はり)や柱などの部材の配置やサイズを決定する役割を担う。特に「断面設計」と呼ばれるプロセスでは、構造の安全性や機能性、美観などを考慮しながら、地震などによる荷重に耐える部材形状やサイズを決定するため、試行、構造解析、評価を何度も繰り返す必要があるという。従来の設計では、設計者の構造力学の知識と経験に基づいて行われ、設計の深度化や設計変更のたびに多大な手間がかかっていた。ギリア(東京都台東区)の協力で開発した同プログラムは、こうした反復作業を自動化し、基本設計から詳細検討を行う実施設計にかけて支援することで、構造設計者はより多くの時間を別案の検討や改良へ振り向けることが可能になるという。
24日の終値は、前日比19円安の2204円。
[ 株式新聞ダイジェスト ] 提供:ウエルスアドバイザー社