ファナックに買いが先行した。4−6月(26年3月期第1四半期)の受注高が市場の想定よりも底堅く、新たに打ち出した通期の収益見通しは保守的だという見方が市場では強い。
同社は前週末25日に4−6月決算を発表した。連結業績は売上高が1964億円(前年同期比1%増)、営業利益が424億円(同29%増)となり、受注高は2059億円(同4%増)だった。受注高は2000億円割れが意識されていたとみられるが、工作機械向けNC(数値制御)装置を中心とするFA(ファクトリー・オートメーション=工場自動化)部門、工業用ロボット部門の需要が堅調だった。
トランプ関税の影響を見極めにくいとして期初時点では開示していなかった通期計画については、売上高を8070億円、営業利益を1595億円といずれもほぼ前期並みの見通しを示した。4−6月は米関税の影響がみられず、7月以降も価格転嫁によって大部分を吸収する方向だ。
決算を分析した野村証券では、関税による今期のコストアップ影響を100億円と試算し、うち90億円を価格転嫁によって吸収すると予想。目標株価を4400円から4900円に引き上げた。
この日はカイ気配でスタートした。寄付き後は前週末比8.0%高の4556円まで上昇した。なお、今期の配当予想は依然として未定にしている。
28日の終値は、前週末比211円高の4431円。
[ 株式新聞ダイジェスト ] 提供:ウエルスアドバイザー社