資産運用

資産運用の失敗を防ぐには?よく見られる失敗とリスク管理方法を徹底解説

資産運用は、将来の安心を築くための重要な手段ですが、知識不足や感情的な判断によって失敗してしまう人も少なくありません。

特に初心者ほど「短期的な利益を狙う」「情報を鵜呑みにして焦って取引をする」といった傾向があります。

本記事では、資産運用でよくある失敗の原因や典型的なパターンを整理し、長期的に安定した成果を得るためのリスク管理方法をわかりやすく解説します。

1.資産運用の失敗を招く3つの要因

資産運用を始める人が増える一方で、「思ったように増えない」「損失を出してしまった」といった声も少なくありません。

運用に失敗してしまう背景には、単なる知識不足だけでなく、人間の心理や行動パターンが大きく関係しているといわれます。ここでは、多くの人がつまずきやすい3つの要因について解説します。

1-1. 短期的な利益を追い求めてしまう

資産運用の失敗で最も多いとされるのが、「短期間で結果を出そう」としてしまうケースが挙げられます。

SNSやニュースでは「〇ヶ月で資産が2倍になった」「〇〇株が急騰した」などの情報が流れやすく、つい「自分も今すぐ利益を得たい」と感じてしまう人も多いでしょう。

しかし、資産運用の基本は「時間を味方につけて増やすこと」です。短期的な値動きに反応して売買を繰り返すと、手数料等の負担が増え、結果的に利益を減らす要因となることもあります。

また、短期で成果を求めすぎると、リスクの高い商品に手を出してしまう傾向があります。レバレッジ型商品や新興国株、暗号資産などは値動きが大きく、利益が出る可能性もある一方で、想定以上の損失を被るケースも少なくありません。

資産運用は、長期的な視点で行うことで「複利の力」を最大限に活かすことができます。

年率3%でも10年・20年と積み重ねることで、長期的な傾向として資産の増加が期待されます。「すぐに増やそう」と焦るのではなく、「10年後にどうありたいか」というゴールを意識した運用方針を持つことが大切です。

1-2. 情報不足で誤った判断をしてしまう

次に多いのが、十分な情報を得ないまま投資判断をしてしまうパターンです。

「友人が勧めたから」「SNSで話題だから」といった理由で投資を始めた結果、内容を理解しきれずに思わぬ損失を抱えてしまうことがあります。

金融商品には、それぞれ異なる仕組みとリスクがあります。たとえば、株式は主に企業の業績や経済状況に左右されやすく、債券は金利の変動や個別の信用リスクの影響を直接受けます。

投資信託の場合は、運用方針や手数料体系によって成果が大きく変わることもあります。仕組みを理解せずに投資してしまうと、「値動きが予想外」「思ったより儲からない」と感じてしまい、途中で解約して損失を確定させる結果になりかねません。

特に近年は、SNSや動画サイトで「簡単に稼げる」「初心者でもすぐできる」といった情報も多く見られます。こうした情報の中には、特定の商品を販売する目的で誇張されているものもあるため、冷静に見極める力が必要です。

正確な情報を得るためには、信頼できる金融機関や公的なサイト、専門家の解説を参考にしましょう。自分が理解できない仕組みの商品には、安易に手を出さないことがリスク回避の第一歩です。

1-3. 感情に左右され冷静な判断ができなくなってしまう

資産運用では「感情のコントロール」も非常に重要です。人は損をしたときに強いストレスを感じ、「もう投資はやめよう」と思ってしまう一方、利益が出たときには「もっと買えばよかった」と欲が出てしまうものです。

こうした感情の波が、冷静な判断を妨げることがあります。

典型的な例が、「高値掴み」と「安値売り」です。株価や相場が上がると「まだ上がるかもしれない」と感じて買い、下がり始めると「これ以上下がったら怖い」と売ってしまう。結果的に、買いが高値・売りが安値になり、損失を拡大させるパターンです。

また、他人の成功談に影響されて行動してしまう「群集心理」も注意が必要です。周りが儲かっていると「自分も乗り遅れたくない」と感じて投資し、下落局面では「みんなが売っているから自分も」と手放してしまうことがあります。

感情に左右されないためには、「毎月いくら積み立てるか」「どのくらいの下落で売却を検討するか」といった基準をあらかじめ自身で設定し、相場に一喜一憂しないようにすることが効果的だと言われています。

また、自動で積み立てる仕組み(ドルコスト平均法、NISAのつみたて投資枠など)を利用するのも一つの有効な方法でしょう。

2.資産運用でよくある4つの失敗パターン

資産運用は、適切に行えば将来の安心につながりますが、判断を誤ると大きな損失を招くこともあります。

ここでは、特に初心者が陥りやすい4つの失敗パターンを具体的に見ていきましょう。

2-1. 特定株に偏った投資

最も多く見られる失敗のひとつが、「一つの銘柄に集中投資してしまう」ケースです。

特に知っている企業や好きなブランドの株を多く保有する人は少なくありません。しかし、どんなに有名な企業でも、景気や業績の変化、経営方針の転換によって株価が大きく下落することがあります。

たとえば、かつては業界トップクラスだった企業が、新しい技術の登場や海外勢との競争激化によって業績を落とすこともあります。こうしたリスクを一社に集中してしまうと、ポートフォリオ全体が大きく影響を受けることになります。

株式投資の基本は「分散投資」です。業種・地域・規模の異なる銘柄を複数組み合わせることで、どれか一つが値下がりしても全体の損失を抑える効果が期待できます。また、ETFや投資信託を活用すれば、少額でも幅広い企業に分散できるため、集中リスクを軽減できます。

「知っている企業だから安心」と思い込まず、リスクを分散する意識を持つことが、長期的な安定運用につながるでしょう。

2-2. 暗号資産への過度な投資

暗号資産(仮想通貨)は、ここ数年で注目を集めている投資対象の一つです。

短期間で価格が大きく上昇することもあり、大きな利益を得た人の話題が広がりやすいのが特徴です。しかしその一方で、値動きが非常に激しく、相場の急変によって一気に資産が減少してしまうリスクもあります。

たとえば、世界的な規制強化や取引所のトラブル、ハッキングなどのニュースが出た際には、数時間で価格が30%以上動くことも珍しくありません。こうした高いボラティリティ(変動性)は、投資初心者にとって精神的な負担になりやすく、冷静な判断を失う原因にもなります。

暗号資産を活用する際は、ポートフォリオ全体のごく一部(たとえば5%〜10%以内)にとどめるなど、リスク許容度に応じた範囲で行うことが重要です。また、値上がりを期待するだけでなく、保有期間・損切りラインを事前に決めておくこともリスク管理の一つです。

暗号資産は将来性のある市場といわれる一方で、価格変動の激しさや法制度を理解したうえで、慎重に取り組む必要があります。

2-3. レバレッジを効かせすぎた投資

「レバレッジ」とは、少ない資金で大きな取引を行う仕組みのことです。

FX(外国為替証拠金取引)やCFD(差金決済取引)などでは、このレバレッジを活用して効率的に利益を狙うことができます。ただし、レバレッジを高く設定しすぎると、少しの価格変動でも大きな損失を被る可能性があり、非常にリスクの高い手法となります。

たとえば、証拠金100万円で10倍のレバレッジをかければ、1,000万円分の取引が可能になります。この場合、価格が1%動けば10万円の利益もしくは損失が出ることになります。

一見、上手くいけば多くの利益を得やすいようにも見えますが、相場が期待と逆方向に動いた場合は多額の損失が発生することになります。短期間で大きな損失が発生し、証拠金が失われる「ロスカット」に至るケースも少なくありません。

レバレッジ取引を行う場合は、まず仕組みを十分に理解することが大切です。まずは、高い倍率をかけず、投資額は少額に抑える。さらに、損失が一定額に達したら自動でポジションを手放す「ストップロス注文」を活用することで、リスクをコントロールしやすくなると考えられます。

レバレッジは使い方次第で効率的な投資ツールになりますが、「ハイリスク・ハイリターン」であることを忘れず、慎重な管理が欠かせません。

2-4. 空室リスク見落としの不動産投資

不動産投資は、家賃収入による安定したキャッシュフローが魅力とされますが、運用には「空室リスク」という大きな課題があります。

購入時には想定利回りが高く見えても、入居者がいなければ家賃収入はゼロになり、ローン返済や管理費の負担だけが残る可能性もあります。

特に、立地や需要を十分に調査せずに購入してしまうケースは注意が必要です。たとえば、人口減少が進む地方や、駅から遠いエリアの物件では、入居者を確保するのが難しく、空室期間が長期化することもあります。また、固定資産税・不動産取得税といった税金だけでなく、築年数が経過するにつれて修繕費やリフォーム費用も発生し、思ったほど利益が出ないという結果になることもあります。

不動産投資を行う際は、想定利回りだけで判断せず、「賃貸需要」「管理体制」「将来の資産価値」を総合的にチェックすることが大切です。不動産会社のシミュレーションを鵜呑みにせず、近隣の賃料相場や人口動態などのデータを自分で確認する姿勢も必要です。

また、複数物件を保有する際は、エリアや物件タイプ(ワンルーム・ファミリー向け・新築・中古)を分散させることで、空室リスクを抑えやすくなります。「ローンを組めるから投資できる」といった安易な判断ではなく、長期的な需要を見極めた上での計画が重要です。

3.資産運用で失敗しやすい人の特徴

資産運用で成果を上げている人と、なかなか結果が出ない人。その違いは「投資の知識や経験」だけではありません。実は、日々の考え方や行動の積み重ねが大きく影響しています。

ここでは、特に失敗しやすい人に見られる3つの特徴を紹介します。自分に当てはまる点がないか、チェックしてみましょう。

3-1. 情報を収集せずに流行だけで投資を決断してしまう

資産運用の世界では、「みんなが買っているから」「SNSで話題だから」といった理由で投資を始める人が少なくありません。

近年ではSNSやYouTubeなどで投資に関する情報が手軽に得られるようになりましたが、その中には宣伝目的で誇張された内容や、一部の成功例だけを切り取った情報も含まれています。

こうした「流行」に流されて投資をすると、商品のリスク構造や運用方針を十分に理解しないまま購入してしまい、結果的に思わぬ損失を抱えることがあります。たとえば「高配当株が人気だから」といって配当利回りだけで銘柄を選ぶと、業績悪化による減配や株価下落に直面することもあります。

また、暗号資産や新興国株など話題性のある資産に集中すると、相場変動の影響を強く受けてしまうケースも見られます。投資判断を行う前には、「なぜこの商品なのか」「どんなリスクがあるのか」を自分の言葉で説明できるようになることが大切です。

新聞・専門誌・金融機関の公式サイトなど、信頼できる複数の情報源から確認し、自分で納得したうえで行動するようにしましょう。

3-2. リスクを軽視してしまう

「元本が減るのは怖いけれど、できるだけリターンは大きくしたい」というのは、多くの人が抱く本音です。しかし、リターンとリスクは常にセットです。高い利益を狙うほど、損失が出る可能性も高まることを理解しておく必要があります。

たとえば、「利回り10%以上」といった高収益をうたう投資商品は、その分リスクも大きい傾向にあります。価格の変動が激しかったり、運用内容が複雑だったりする場合もあるため、内容を理解しないまま投資すると「思っていたよりも減った」と感じてしまうことがあります。

また、投資金額のすべてをリスク資産に回してしまう人も注意が必要です。生活資金や緊急時の予備資金まで投資に回すと、相場が下落した際にすぐ現金化できず、生活に支障をきたす可能性もあります。

資産運用を行う際は、まず「リスクを取ってもいい金額」を明確にしておくことが大切です。生活費の半年〜1年分以上は手元に残し、残りを長期投資に回すようにすれば、相場変動があっても慌てずに対応できます。

リスクを理解し、そのリスクが自分の許容範囲を超えない投資を心がけることが、長期的な成功への第一歩といえるでしょう。

3-3. 短期的利益を狙いすぎてしまう

「早く結果を出したい」「今がチャンスかもしれない」と感じて、短期的な利益を追い求める人も多く見られます。

しかし、相場は常に上下を繰り返すため、短期間で大きな利益を狙うことは難しく、思惑が外れれば大きな損失を抱えるリスクもあります。

特に、SNSやメディアで「今が買い時」と言われる銘柄に飛びつくのは注意が必要です。なぜなら、その時点ですでに価格が上昇しており、そこから利益を狙うのは難しいことが多いからです。また、相場が下がったときに焦って売ってしまう「狼狽売り」も、短期志向の人が陥りやすい行動です。

資産運用の本来の目的は、「一時的に儲けること」ではなく、「長期的に資産を増やすこと」です。たとえ一時的な含み損が出ても、長期的な視点で見れば、複利効果によって資産の成長が期待できるのではないでしょうか。焦って売買を繰り返すよりも、時間を味方につけることで安定した成果が期待できるでしょう。

もし値動きが気になる場合は、自動積立や分散投資など「感情に左右されない仕組み」を取り入れるのも効果的です。

毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」などは、購入時期を分散して買付価格の平準化をはかるため、価格変動の影響を抑える効果があります。

4.資産運用の失敗を防ぐためのリスク管理方法

資産運用で失敗を防ぐためには、「リスクをゼロにする」のではなく、「リスクを適切にコントロールする」ことが重要です。

どんな投資商品にも、価格の変動や想定外の出来事による損失の可能性はあります。しかし、リスクをうまく管理すれば、長期的に安定した資産形成を目指すことができます。ここでは、特に効果的な3つのリスク管理方法を紹介します。

4-1. 分散投資をする

資産運用の基本であり、最も有効なリスク管理の一つが「分散投資」です。

分散投資とは、投資対象を複数に分けて、特定の資産や市場に偏らないようにすることです。例えば、株式だけでなく、債券や不動産、投資信託などを組み合わせることで、リスクを分散させることができます。

たとえば、株式市場が下落しても、債券が値上がりする場合があります。また、日本株が低調でも、米国株や新興国株が好調なときもあります。このように、異なる資産や地域に分散することで、全体の損失を抑える効果が期待できます。

分散の方向性には大きく3種類あります。

・資産クラスの分散:株式・債券・不動産・コモディティ(金など)を組み合わせる

・地域の分散:日本・米国・欧州・新興国など、国や地域を分ける

・時間の分散:一度に投資せず、複数回に分けて購入する

以下の表をご覧ください。毎年上位の資産クラスを当て続けるのは極めて難しいものです。そこで国内外の株式・債券に25%ずつ分散したポートフォリオでは、1位にはならないものの、下位にも沈まず安定した成績を維持しました。損失を抑えるには分散投資が有効であることがわかるでしょう。

出典:GPIF

4-2. 少額から始める

資産運用を始めるとき、多くの人が「まとまったお金がないとできない」と感じますが、実際は少額からでも十分に始めることができます。むしろ、初心者のうちは少額から始める方が、リスクを抑えて経験を積むうえで効果的です。

少額投資のメリットは、「失敗してもダメージが小さい」という点です。

運用経験が浅い段階で大きな金額を投じてしまうと、値動きに動揺しやすくなり、冷静な判断ができなくなることもあります。一方、少額から始めれば、心理的な負担を減らしながら、相場の変動や投資商品の特性を学ぶことができます。

近年は、証券会社やネット証券で1,000円や1株単位から投資できるサービスも増えています。また、投資信託やつみたて投資枠を利用すれば、毎月1,000円からでも積立投資を始めることが可能です。

特に初心者のうちは、「少額で実践しながら学ぶ」ことが重要です。最初から完璧なポートフォリオを組む必要はありません。投資を続ける中で、自分のリスク許容度や投資スタイルが徐々に見えてくるでしょう。その上で、少しずつ金額を増やしていけば、無理のない範囲で長期運用を続けやすくなります。

4-3. ドルコスト平均法で積み立てる

リスク管理の中でも、初心者から上級者まで幅広く活用されているのが「ドルコスト平均法」です。

ドルコスト平均法とは、一定の金額を定期的に投資する方法なので、投資対象の価格が高いときには少なく、安いときには多く購入する仕組みです。その結果、購入価格を平均化できるため、相場の上下に左右されにくくなります。

たとえば、毎月1万円ずつ投資信託を購入した場合、価格が下がった月は多くの口数を買い、価格が上がった月は少ない口数しか買えません。こうして長期的に積み立てることで、結果的に購入単価が平準化され、短期的な値動きの影響を軽減できます。

ドルコスト平均法のメリットは次の3点です。

  • 相場を予測しなくても自動的に投資できる
  • 感情に左右されずに長期運用を続けられる
  • 少額から始められる

特に「忙しくて相場を常にチェックできない」「投資タイミングがわからない」という人にとって、手間がかからず続けやすい方法といえます。ただし、ドルコスト平均法は「価格が長期的に成長する資産」で活用するのが基本です。

短期的に値動きが大きい商品よりも、株式やインデックス型投資信託など、長期的な成長が見込まれる商品を選ぶとよいでしょう。

5.資産運用で困ったらプロに相談する

資産運用は、知識を学びながら自分で判断して進めることもできますが、状況によっては専門家の意見を取り入れることも有効です。

特に、運用の目的や商品選び、リスクの取り方などに迷いがある場合は、プロに相談することで客観的なアドバイスを得られます。ここでは、代表的な3つの相談先である「銀行」「証券会社」「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」について、それぞれの特徴を解説します。

5-1.銀行 

銀行は、預金やローンに加えて、投資信託や生命保険などの金融商品を取り扱っており、資産を総合的にサポートできる体制が整っています。

「お金の相談窓口を一つにまとめたい」「信頼できる身近な機関に相談したい」と考える方にとって、最も利用しやすい選択肢の一つといえるでしょう。

銀行では、資産運用だけでなく、住宅ローン・相続・教育資金など、ライフプラン全体を見据えた相談が可能です。近年は、専門知識を持つファイナンシャルプランナー(FP)が常駐している店舗も多く、初めての投資や老後資金の設計など、幅広いニーズに対応しています。

ただし、銀行は取り扱える金融商品の範囲が限られています。個別株は取り扱いがなく、投資信託も証券会社に比べて数が少ないことが多いです。積極的にリスクを取りたい方には物足りなく感じるかもしれません。

販売できるのは自社や提携先の金融商品に限定されることもあるため、他社の商品と比較したい場合は、事前にラインナップを確認しておくと安心です。

こんな方におすすめ

  • お金に関する相談窓口を一本化したい方
  • 普段から利用している銀行で気軽に相談したい方

 5-2.証券会社

証券会社は、株式・投資信託・債券など、資産運用を専門とする金融機関です。

日々のマーケット分析や経済動向の把握に長けており、投資のトレンドやリスクに関する具体的なアドバイスを受けることができます。

証券会社には、大きく分けて「対面型」と「ネット証券型」があります。対面型の証券会社では、担当者が顧客の目的や資産状況をヒアリングし、個別銘柄やポートフォリオの提案を行います。一方で、ネット証券は手数料が安く、スマートフォンやPCから手軽に取引できるため、最近では若い世代を中心に利用者が増えています。

証券会社を利用するメリットは、投資に関する情報量の多さ、リスク商品の豊富さです。最新の企業分析やマーケットレポートを活用することで、自分では見落としがちなリスクやチャンスを把握できます。ただし、証券会社によっては、自社で取り扱う金融商品を優先的に提案するケースもあるため、提案内容が自分の目的に合っているかをしっかり確認することが大切です。

こんな方におすすめ

  • 株式や投資信託など本格的に資産運用を行いたい方
  • 市場の情報や専門的な分析をもとに判断したい方

5-3. IFA

IFA(Independent Financial Advisor)は、銀行や証券会社などの組織に属さず、独立した立場で資産運用のアドバイスを行う専門家です。

IFAは営業ノルマに縛られず、複数の金融機関と提携している場合が多いため、より中立的な視点から幅広い商品を比較・提案できるのが特徴です。

たとえば、「複数の証券会社の商品を比較して、自分に合ったものを選びたい」「長期的に同じ担当者と付き合いたい」といった希望を持つ方には、IFAが適しています。また、銀行や証券会社は数年ごとに担当者が変わることが多いですが、IFAは転勤や異動がないため、長期的な関係を築きながらライフステージの変化に合わせて相談できる点もメリットです。

一方で、IFAの専門性や経験は担当者によって差があるため、信頼できるIFAを見極めることが重要です。面談の際には、資格・実績・提携している金融機関などを確認し、納得したうえで相談を進めるとよいでしょう。

こんな方におすすめ

  • 長期的に信頼できる担当者と二人三脚で運用を進めたい方
  • 幅広い金融商品の中から公正な提案を受けたい方

6.まとめ

資産運用の失敗を防ぐ鍵は、「焦らず、学び、分散する」ことにあります。短期的な利益を追い求めたり、情報に流されたりせず、自分の目的やリスク許容度を明確にすることが大切です。

分散投資や少額からの積立、ドルコスト平均法などを活用すれば、相場変動に左右されにくい安定した運用が可能です。また、判断に迷ったときは銀行・証券会社・IFAなどの専門家に相談するのも効果的です。感情に振り回されず、冷静に続けることこそが、資産形成成功への最短ルートとなるでしょう。

本コラムは、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘や推奨を行うものではありません。

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井上 大作

大学卒業後、大和証券に入社し個人富裕層や未上場法人への資産運用の提案を行う。その後英銀バークレイズと三井住友銀行のJVであるAMBCバークレイズ部に転職し、金融資産5億円以上の富裕層に資産運用の提案を行う。バークレイズ撤退後、SMBC日興証券エクイティアドバイザリー部にて信用取引、外国株式など株式運用に特化した運用アドバイスを各支店の顧客に行う。その後ファーストパートナーズに入社。外資や本社勤務の経験を活かしお客様の利益を最大化できるアドバイザーを目指しております。

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