
(画像=SBI証券)
| この記事は2025年1月13日にSBI証券で公開された「1分でチェック!今週の米国株式 」を転載したものです。 掲載記事(最新版):1分でチェック!今週の米国株式 |
今週の米国株は大手金融機関の決算発表とCPIがポイントか
先週の振り返り
先週から12日までの米国株は半導体株や素材関連株、ベネズエラ情勢を受けたエネルギー株の牽引で、NYダウとS&P500指数が史上最高値を更新しました。一方、パウエルFRB議長が刑事捜査の対象になっていることが分かり、FRBの独立性への懸念が生じつつある点は注意が必要と思われます。VIX指数は15.12と20を引き続き下回り、ボラティリティは落ち着いています。9日までの週間ベースではS&P500指数など主要株価3指数ともに反発となりました。S&P500セクター別(11業種)の週間パフォーマンスは一般消費財・サービスや素材、資本財・サービスなどが上げて、公益が下げました。個別株では、アルファベット A(GOOGL)やキャタピラー(CAT)、マイクロン テクノロジー(MU)などが史上最高値圏で推移しています。このほか、メルク(MRK)やバイオジェン(BIIB)などが52週高値圏です。S&P500指数採用銘柄で200日移動平均を超える比率は65%へやや改善しています。年初来のファクターリターンではモメンタムや流動性、EPS修正がアウトパフォームしています。なお、雇用統計はまちまちの内容でした。このほか、12月の米企業人員削減計画数は2024年以来の低水準となり改善の兆しを見せるものの、NY連銀調査による職を失った場合に再就職できると消費者が見込む回答割合が2013年半ば以降で最も低い水準となり、雇用情勢は依然としてまだら模様です。
個別株では世界最大級のテクノロジー見本市であるCESでエヌビディア(NVDA)のCEOがメモリーとストレージの必要性を強調したことが好感されてマイクロン テクノロジー(MU)やサンディスク(SNDK)の株価が急騰しました。ウォルマート インク(WMT)はナスダック100指数に1/20から新規採用されることが好感されて、上昇しました。一方、エヌビディア(NVDA)のCEOが次世代AI半導体「ルービン」搭載のラックは、水冷装置を必要としない温度の水での冷却が可能とコメントしたことで、ジョンソン コントロールズ(JCI)などの冷却関連株が下落する場面がありました。なお、防衛関連株はトランプ大統領が自社株買いや配当を許可しないとコメントしたことで下落する場面がありましたが、2027年会計年度の国防予算として1.5兆ドルにすべきとの考えを示し、26年度のおよそ9,000億ドルから大幅増になる可能性を示唆したことで持ち直しの動きが見られ、ボラティリティの高い動きとなりました。今週はJPモルガン チェース(JPM)やゴールドマン サックス(GS)、モルガン スタンレー(MS)などの大手金融機関が決算発表を予定しています。
今週の見通しと注目セクター・テーマ
今週の米国株は大手金融機関の決算発表とCPI(消費者物価指数)がポイントになると思われます。年初来からの米株市場はセクターローテーションが見られますが、この動きをサポートするかどうか大手金融機関の決算発表が注視されます。米株高やコモディティ価格上昇を受けてトレーディングが牽引すると見られます。投資銀行業務などの動向も注視されます。このほか、台湾セミコンダクター ADR(TSM)の決算発表も予定されています。AI需要見通しが好調かどうかを確認する重要な決算発表になりそうです。なお、CPIは市場予想で前回並み(前年比2.7%増)が見込まれていて、インフレ鈍化を示すと見られます。金融当局者の講演も数多く予定されており、利下げ観測に影響を与えそうです。
注目セクター・テーマとしては下記を考えています。
セクターローテーション関連:ベネズエラ情勢やコモディティ価格高を背景に、ハイテクから素材・エネルギーなどへセクターローテーションの動きが見られます。Bloombergマグニフィセントセブン指数はボックスでの動きが続いており、セクターローテーションは息の長いテーマになる可能性があります。バレロ エナジー(VLO)、ニューモント(NEM)、ST エネルギー セレクト セクター SPDR ETF(XLE)、ST 素材セレクト セクター SPDR ETF(XLB)
スポーツイベント関連:今年は冬季オリンピック、2026 WBC(ワールドベースボールクラシック)、FIFAワールドカップ2026などの世界的なスポーツイベントが目白押しです。米国開催が多く、業績期待感などから関連銘柄はマーケットから注目されやすいと考えられます。ナイキ B(NKE)、アンダー アーマー A(UAA)、ドミノ ピザ(DPZ)、コカ-コーラ(KO)
金関連:パウエルFRB議長が刑事捜査の対象になっていることが分かり、FRBの独立性への懸念が主じつつあります。NY金先物価格(2月限)は一時4,600ドルを突破して、史上最高値圏で推移しています。このほか、地政学リスクやETF及び中央銀行需要が金価格をサポートすると思われます。ニューモント(NEM)、バリック マイニング(B)、SPDR ゴールド シェア(GLD)、SPDRゴールド ミニシェアーズ トラスト(GLDM)
重要イベント・主な経済指標

※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
(画像=SBI証券)
| 著者プロフィール 齊木 良 (さいき りょう) シニア・マーケットアナリスト(米国株担当) (日本証券アナリスト協会 認定アナリスト) 名古屋大学経済学部卒業。東海東京証券において主に外国株プロモーション、外国株トレーディングに従事。機関投資家向けの日本株トレーディングにも携わる。米国の証券会社へのトレーニー、コロンビア大学ビジネススクール客員研究員等を経て2022年4月よりSBI証券投資情報部に所属。ファンダメンタルズとトレーディングの両面から独自の視点で米国株を分析する。初心者向けやETFなど幅広いコンテンツも作成している。各種メディアでマーケットや個別銘柄に関するコメントも行う。毎週3Km泳ぐことをルーティンとしているほか、プロ野球やバレーボール等のスポーツ観戦のため野球場やドーム、アリーナによく通っている。 |
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