
2026年2月27日(金)、日経平均は58,850円をつけ、史上最高値を更新しました。6万円が視野に入り、市場には高揚感が漂っていました。
しかし、米国・イスラエルによるイラン空爆やイランによる報復。そしてホルムズ海峡の「事実上の封鎖」。これにより、わずか10日間で日経平均は6,000円超を失い、3月9日(月)には過去3番目の下げ幅となる2,892円安を記録しました。
東証プライム市場では約9割の銘柄が下落するという、ほぼ全面安の展開となりました。
本記事では、この歴史的な急落を5つの視点から丁寧に解説します。
・①何が起きたのか
・②なぜ日本株だけが売られたのか
・③セクター別の明暗
・④その後の反発の意味
・⑤今後のシナリオ
1. 6万円目前から5万2千円へ ── 10日間で何が起きたのか
2026年2月27日(金)、日経平均株価は58,850円で引けた。史上最高値を更新し、市場は「6万円まであと一歩」という高揚感に包まれていました。ところが、その翌日の夜から状況は一変します。
2月28日(土)夜(日本時間)、米国・イスラエルがイランへの空爆を開始しました。イランはハメネイ最高指導者の死亡(イラン側は否定)を報じられ、報復としてホルムズ海峡の「事実上の封鎖」を宣言。世界の原油供給の約20%、日本のタンカーの93%が通過するこの海峡が閉鎖されるというニュースは、週明けの東京市場を直撃しました。
1-1 急落タイムライン:2/27〜3/11
| 日付 | 終値 | 前日比 | 主な出来事 |
| 2/27(金) | 58,850円 | 史上最高値更新 | 6万円が視野に。市場は高揚感に包まれる |
| 2/28(土) | (休場) | - | 米・イスラエルがイランを空爆。ハメネイ師死亡報道。ホルムズ海峡「事実上の封鎖」宣言 |
| 3/2(月) | 57,950円 | ▲899円 | 週明け急落。一時▲1,500円超。原油急騰でリスクオフ加速 |
| 3/4(水) | 54,245円 | ▲2,033円(▲3.6%) | 2025年4月「関税ショック」以来最大の下落率。原油高・円安のダブル打撃 |
| 3/5(木) | 55,277円 | +1,032円 | 短期収束期待・米株反発を受けて一時反発 |
| 3/6(金) | 55,620円 | 週間▲3,230円(▲5.4%) | 米2月雇用統計が予想外の悪化。景気減速懸念が再燃し上値を抑える |
| 3/9(月) | 52,728円 | ▲2,892円(▲5.2%) | 過去3番目の下げ幅。一時▲4,200円超。WTI原油が一時120ドル近く急騰。東証プライムの約9割が下落 |
| 3/10(火) | 54,248円 | +1,519円(+2.88%) | トランプ「戦争終結近い」発言で原油急落(80ドル台へ)。上げ幅一時1,900円超。半導体・AI株が牽引 |
| 3/11(水) | 53,900円前後 | 続伸(+約2.3%) | 米半導体株高が支え。2日連続上昇も上値は重く、もみ合いの様相 |
※出典:日本経済新聞、時事通信(各日付の終値・下落幅)。・2/27終値58,850円(史上最高値):日本経済新聞(2026年2月27日付)・3/9終値52,728円・▲2,892円・過去3番目の下げ幅:日本経済新聞・時事通信(2026年3月9日付) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL092ZA0Z00C26A3000000/ https://www.jiji.com/jc/article?k=2026030900781&g=eco・3/10終値54,248円:日本経済新聞(2026年3月10日付)※2026年3月11日時点
1-2 「過去3番目の下げ幅」の意味
3月9日(月)の▲2,892円という下落は、歴史的な数字です。
過去最大は2024年8月5日の▲4,451円(ブラックマンデーを超えた「令和のブラックマンデー」)、2位は1987年のブラックマンデー時の▲3,836円。今回はその次に位置します。
ただし、率(▲5.2%)で見ると同日の2024年8月5日(▲12.4%)よりは低い水準にあります。重要なのは、この下落が1日の出来事ではなく、10日間にわたって積み重なった累積▲6,122円(約▲10.4%)だという点です。
1-3 10日間・6,000円安の5つの注目ポイント
| No. | 注目ポイント | 内容 |
| ① | 日米格差の拡大 | S&P500が同期間で数%の下落にとどまる一方、日経は10%超安。「日本株だけが売られる」非対称な動きが鮮明に |
| ② | ボラティリティ急騰 | 日経平均VI(恐怖指数)が一時64台まで急騰。2024年8月以来の高水準。東証グロース250先物でサーキットブレーカーも発動 |
| ③ | 全面安の深刻さ | 3月9日、東証プライムで約9割の銘柄が下落。買い場を探す余裕すらない「逃げ一色」の展開 |
| ④ | 過熱感の反動 | 2026年1〜2月の2カ月間で日経平均は約17%上昇していた。PER(予想株価収益率)は24.5倍と上限水準に近く、材料出尽くし後の需給悪化が急落を増幅 |
| ⑤ | 原油との連動性 | WTI原油が1バレル約80ドル→120ドル近くへ約50%急騰する一方、3/10にはトランプ発言で一日で80ドル台へ急落。日本株は原油の動きに完全に支配された10日間だった |
※本表は編集部作成。各数値の出典:・PER24.5倍:ファーストパートナーズ「プロフェッショナル・インサイト」(PDF資料、2026年3月4日)・日経平均VI一時64台・東証グロース250サーキットブレーカー:各種報道(2026年3月)・1〜2月の17%上昇・プライム9割下落:日本経済新聞(2026年3月)
2. なぜ日本株だけがこれほど売られたのか ── 「日本の構造的脆弱性」という本質
今回の急落において、市場関係者が最も首をかしげたのは「米国株との非対称な下落」でした。S&P500が同期間に数%の下落にとどまる中、日経平均は10%超の下落を記録しました。この乖離はなぜ生まれたのか。答えは「日本の構造的なエネルギー脆弱性」にあります。
| 脆弱性 | 具体的な内容 | 今後のリスク |
| エネルギー依存 | 原油輸入の93.5%が中東依存。タンカーの約93%がホルムズ通過 | ホルムズ封鎖が長期化すると石油備蓄(254日分)が底をつくリスク |
| 円安×輸入コスト | 円安局面では原油高の輸入コストが二重に増幅される | 円安是正がないまま原油高が続くとスタグフレーションリスクが上昇 |
| 相場過熱感 | 2カ月で17%上昇、PER24.5倍という過熱状態からの急落 | PERが適正水準(16〜18倍)まで戻るとさらに調整余地が残る |
※出典:・中東依存度93.5%:JETRO海外ビジネス短信(2026年3月)、財務省貿易統計(2025年実績) https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/03/7dc85f3bc19692d8.html・石油備蓄254日分:資源エネルギー庁「石油備蓄の現況」(2025年12月末時点) https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/petroleum_and_lpgas/pl001/・PER24.5倍・17%上昇:ファーストパートナーズ「プロフェッショナル・インサイト」(PDF資料、2026年3月4日)
2-1 日本・米国・欧州のエネルギー依存度比較
| 指標 | 日本 | 米国 | 欧州(EU平均) |
| 原油輸入の中東依存度 | 93.5% | 約10%未満(シェール産出国) | 約30〜40% |
| ホルムズ海峡経由タンカー割合 | 約93% | ほぼ不要(自国生産中心) | 約20〜30% |
| 原油高が株式市場に与える影響 | 極めて大きい(輸入国リスク) | 限定的(産出国メリットあり) | 中程度(再エネ転換進行中) |
※出典:・日本の中東依存度93.5%・ホルムズ依存度約93%:JETRO海外ビジネス短信(2026年3月)、財務省貿易統計 https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/03/7dc85f3bc19692d8.html・米国・欧州の依存度:EIA(米国エネルギー情報局)・IEA(国際エネルギー機関)データをもとに編集部作成 https://www.eia.gov/※欧州の数値は国によって異なるため概算。
米国はシェール革命によって世界最大の産油国となっており、原油高は自国のエネルギー産業にプラスに働く。これに対し、日本はほぼすべての原油を輸入に頼り、その93.5%が中東産です。ホルムズ海峡が封鎖されれば、日本は事実上「原油の輸入ルートを失う」状態に近づく。この構造的な差異が、今回の急落における日米格差を生んだ最大の要因です。
2-2 円安×原油高の「ダブルパンチ」
さらに今回の急落を深刻にしたのが、円安との組み合わせです。原油は国際市場でドル建てで取引されるため、円安局面では輸入コストがさらに割高になります。
3月9日時点でドル円は157〜158円台で推移しており、1バレル120ドル近くの原油を円換算すると約18,960円という水準になります。これは2023年の年間平均(1バレル85ドル×135円=約11,475円)と比較して約65%のコスト増に相当します。
2-3 相場の過熱感という「火種」
構造的脆弱性に加えて、今回の急落を大きくした「相場の過熱感」という要因も見逃せません。
2026年1〜2月の2カ月間で日経平均は約17%上昇し、2月27日時点のPER(株価収益率)は24.5倍と、2023年以降の最大水準(24.9倍)に迫る水準でした。
市場が過熱した状態では、小さなきっかけでも大きな調整が起きやすい。今回の地政学ショックはその「引き金」となり、過熱感の反動という「燃料」によって急落が増幅されました。
3. セクター別で読む勝ち組・負け組 ── 急落の中で動いたお金の行き先
相場が急落するとき、すべての銘柄が同じように売られるわけではありません。急落局面では必ず「売られるセクター」と「買われるセクター」が生まれる。お金は消えるのではなく、動く。
3-1 大局観:「全面安」の中に生まれた例外
3月9日、東証プライム市場では全銘柄の約9割が下落するという「ほぼ全面安」の展開となりました。しかし、その中でも逆行高を演じたセクターが存在しました。原油高の直接的な恩恵を受けるエネルギー上流セクターと、地政学リスクの高まりを追い風にした防衛関連がその代表です。
3-2 大きく下がったセクター
| セクター | 代表銘柄 | 下落の主因 | 備考 |
| 海運・輸送 | 商船三井・日本郵船・川崎汽船 | ホルムズ通過停止で中東航路が事実上封鎖。迂回コスト急増 | 3社ともに検索急増。市場の注目度が極めて高い |
| 半導体・電子部品 | 東京エレクトロン・アドバンテスト・TDK | 景気悪化懸念による設備投資縮小リスク。高PER銘柄が売られやすい | 3/10の反発局面では逆に買い戻しが先行 |
| 化学・素材 | レゾナック・住友化学・旭化成 | 石油由来の原材料コスト上昇。製品価格への転嫁に時間がかかる | レゾナックは半導体材料需要の強さが下支え |
| 航空 | JAL・ANA | 燃料費が運航コストの約30%を占める。原油高は直撃。中東路線の運休リスクも | JALは「業績の先行き不透明感」で続落と報道 |
| 自動車・輸送機器 | トヨタ・ホンダ・マツダ | 原材料・物流コスト上昇。景気減速による需要鈍化懸念も重なる | 円安メリットよりコスト増の影響が意識される局面 |
※本表は編集部作成。各社株価動向は日本経済新聞・各種報道(2026年3月)をもとに整理。個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
3-3 逆行高・相対的に底堅かったセクター
| セクター | 代表銘柄 | 上昇・底堅さの主因 | 注意点 |
| 石油開発(上流) | INPEX・石油資源開発 | 原油高が業績に直結。INPEXは3/2に上場来高値(+10.78%)、3/9にも逆行高で高値更新 | 3/10の原油急落で株価も大幅反落。局面が変わると下落リスクに転じる |
| 防衛・重工業 | 三菱重工・川崎重工・IHI | 地政学リスク高まりで防衛費拡大期待が再燃。三菱重工は上場来高値を一時更新 | 情勢収束時には利益確定売りが出やすい。テーマ株特有の振れ幅に注意 |
| 金・貴金属関連 | 金ETF・純金積立・貴金属関連株 | 有事の金買い。地政学リスクと不確実性の高まりで安全資産への資金流入が続く | 原油価格が落ち着くと金への資金流入も鈍化する可能性がある |
※本表は編集部作成。各社株価動向は日本経済新聞・各種報道(2026年3月)をもとに整理。個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
3-4 原油価格シナリオ別の見方
| セクター | 原油高止まり継続の場合 | 原油価格が落ち着いた場合 |
| 石油開発(INPEX等) | ◎ 業績拡大期待で上昇継続 | △ 収益期待が剥落し反落リスク |
| 航空・海運 | ✕ コスト高止まりで業績悪化続く | ◎ コスト正常化で業績回復期待 |
| 半導体・電機 | △ 景気悪化懸念が重石。構造需要は不変 | ◎ リスクオフ解消で最も早く買い戻しが入る |
| 防衛・重工業 | ○ 地政学リスク継続で買い意欲が維持される | △ 利益確定売りが出やすい |
※本表は編集部作成によるシナリオ分析。将来の株価動向を保証するものではありません。
4. 一時反発、されど予断を許さず ── 3月10日・11日の動きをどう読むか
3月9日(月)に日経平均が過去3番目の下げ幅を記録した翌日、市場は一転して大幅反発しました。3月10日(火)の終値は+1,519円(+ 2.88%)の54,248円。11日(水)も続伸しました。
4-1 なぜ3月10日に急反発したのか
反発の直接的なトリガーは、トランプ米大統領の発言でした。3月9日(現地時間)、トランプ大統領はCBSニュースに「戦争はほぼ終了したと思う」と述べ、作戦が「予定より前倒しで進展している」との見方を示しました。さらに「原油価格を低く抑えることを目指している」とも明言しました。
この発言を受けてWTI原油先物は110ドル台から80ドル台へ急落。インフレ懸念が和らぎ、東京市場では半導体・AI・値がさ株を中心にほぼ全面高の展開となりました。
4-2 「反発」の中身:本物か、見せかけか
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「中東情勢に対する市場参加者の警戒感は完全には解けていないものの、短期的な相場回復を見込んだ買いが入っている」と指摘しました。
反発は「最悪のシナリオが少し遠のいた」ことへの安堵感が主因であり、根本的な問題が解決されたわけではありません。反発の起点がトランプ「一言」という点も注目すべきです。大統領の発言は状況によって容易に変わる。「戦争終結」発言で急反発した相場は、逆の発言ひとつで急落に転じるリスクを内包しています。
※出典:三井住友DSアセットマネジメント「ホルムズ海峡という日本のアキレス腱」(2026年3月) https://www.smd-am.co.jp/market/shiraki/2026/devil260306gl/
4-3 残る4つの警戒材料
・【警戒①:イラン停戦の不確実性】 トランプ発言は「ほぼ終了」であり、「終了」ではありません。イラン側は停戦交渉を拒否する姿勢を維持しており、ホルムズ海峡の封鎖状態が続く限り原油供給リスクは残ります。
・【警戒②:原油80ドル台でも高水準】 急落とはいえ80ドル台は直近平均(70ドル前後)より割高。日本の輸入コストへの負担は依然として続いており、インフレ圧力は完全には解消していません。
・【警戒③:米国の景気減速懸念】 3月6日の米雇用統計が予想外に悪化し、スタグフレーションリスクが残存。FRBの利下げ期待も後退しており「6月利下げ」確率は30%台にとどまる。
・【警戒④:テクニカル面の上値の重さ】 50日移動平均(53,898円)付近での攻防が続きます。2025年末終値50,399円・200日移動平均46,269円も依然として下値目処として意識されます。
5. 今後の予測できるシナリオ
本章では、今後3〜12カ月の日本株を展望します。イラン情勢の帰趨、原油価格の推移、そして日本の企業業績という3つの軸を組み合わせ、「強気」「中立」「弱気」の3シナリオを整理します。
5-1 シナリオを規定する3つの分岐点
・分岐点①:イラン情勢の決着タイミング 停戦合意に至るまでの期間が「数週間」か「数カ月〜半年以上」かで、シナリオは大きく分かれる。米国の中間選挙(11月)とイスラエルの総選挙が「政治的な収束圧力」として機能する可能性があります。
・分岐点②:原油価格の水準と持続性 原油が「年内に70ドル台へ回帰できるか」「100ドル超で高止まりするか」は日本経済・企業業績に直結する最重要変数です。
・分岐点③:米国景気の軟着陸の成否 米国でスタグフレーションが深刻化するかどうかが、日本の輸出型企業の業績と外国人投資家のリスク許容度を左右します。
5-2 3つのシナリオと日経平均の見通し
【シナリオA:早期収束・回復シナリオ】
| 条件 | 内容 |
| イラン情勢 | 数週間〜2カ月以内に停戦合意。ホルムズ海峡が正常化 |
| 原油価格 | 停戦+OPEC増産で70〜75ドル台へ回帰。サプライチェーンが回復 |
| 日経平均の見通し | 半導体・AI・輸出株が急反発。2026年末には57,000〜61,500円のレンジが視野に。停戦実現なら「高市トレード」との相乗効果も期待できる。 |
【シナリオB:長期化・もみ合いシナリオ】
| 条件 | 内容 |
| イラン情勢 | 戦火がイラン局地にとどまりながら3〜6カ月継続。周辺国への拡大は抑制される |
| 原油価格 | 80〜100ドルの高止まりが続く。OPECの増産で上値は限定的 |
| 日経平均の見通し | 51,000〜56,500円のレンジでのもみ合い継続。2026年末55,000〜58,000円程度が現実的なシナリオ |
【シナリオC:最悪シナリオ・深刻化】
| 条件 | 内容 |
| イラン情勢 | イランの代理組織が活発化し、戦火が中東全域に拡大。湾岸産油国の石油精製設備が攻撃を受けるケース |
| 原油価格 | 再び120ドル超。生産インフラ破壊によりホルムズ解除後も供給回復が見通せなくなる |
| 日経平均の見通し | 50,000円割れ、さらに悪化すれば200日移動平均(46,269円)を試すシナリオも。野村の下振れシナリオ(48,000円)が視野に入る |
※本表はシナリオ分析であり、将来の株価動向を保証するものではありません。編集部作成。
5-3 主要機関の2026年末日経平均予想
| 機関 | メイン予想 | 強気シナリオ | 弱気シナリオ |
| 野村證券 | 60,000円 | 72,000円(2027年末) | 48,000円 |
| 三井住友DSAM | 61,500円 | (維持) | 非公表 |
| 大和アセットマネジメント | 63,000円 | 69,000円(2027年末) | 非公表 |
| SBI証券(停戦早期実現時) | 65,000〜70,000円 | 非公表 | 非公表 |
※出典:・野村證券60,000円(メイン)・48,000円(弱気):野村WealthStyle(2026年2月時点) https://www.nomura.co.jp/wealthstyle/article/0607/ ※強気シナリオは2026年2月時点で72,000円(2027年末)に更新済み。・三井住友DSAM 61,500円:三井住友DSアセットマネジメント公式(2026年2月時点) https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2026/02/irepo260220/・大和アセットマネジメント 63,000円:大和アセットマネジメント「市場見通し」(2026年3月) https://www.daiwa-am.co.jp/specialreport/tatebe/20260306_01.pdf (強気シナリオ69,000円は2027年末予想)・SBI証券:SBI証券投資情報メディア(2026年3月) ※停戦が早期に実現した場合の条件付き予想。※2026年3月11日時点
5-4 富裕層投資家として今、何を考えるべきか
・【原則①:分散エントリーで下値を拾う】 現在の53,000〜54,000円台はメインシナリオから見ると割安水準にあります。一括投資ではなく、3〜6回に分けた段階的な打診買いが現局面では合理的です。50日移動平均(53,898円)・50,000円・2025年末終値(50,399円)を節目として意識したい。
・【原則②:セクターを選ぶ】 原油高が続くシナリオでは石油開発・防衛・省エネ、原油が落ち着くシナリオでは半導体・電機・航空・海運が恩恵を受けます。どちらのシナリオにも対応できる「銘柄の両建て」も有効です。
・【原則③:金(ゴールド)・貴金属を保有する】 地政学リスクが長引く局面では金は「有事の安全資産」として機能し続ける。ポートフォリオの10〜20%を実物資産に配分することでリスクをヘッジできます。
・【原則④:「見えないリスク」を常に意識する】 想定外の地政学ショックはいつでも起こりうる。エネルギー調達リスク、為替リスク、米国発スタグフレーションリスクを複数抱えていることを前提として、キャッシュポジションを一定以上に保つことが富裕層の資産保全において不可欠です。
6. まとめ
今回の日本株急落は「想定外の地政学ショック×日本の構造的エネルギー脆弱性」というこれまでにない組み合わせによって引き起こされました。それゆえ、過去の急落パターンをそのまま当てはめることは危険です。
しかし同時に、確認できることもあります。野村・三井住友DSAM・大和アセットマネジメントの3社が揃って2026年末の日経平均を60,000〜63,000円と予想しており、これは現在水準から10〜15%の上昇余地があることを意味します。企業業績の基礎体力、東証ガバナンス改革の継続、脱デフレの構造的メガトレンドはいずれも健在です。
「嵐の中でこそ、長期投資家の真価が問われる」──今局面は、過度の悲観に陥ることなく、かつ根拠のない楽観にも流されることなく、複数のシナリオに備えた冷静な戦略的思考が求められるフェーズです。短期のノイズではなく、企業の稼ぐ力と日本経済の構造変化という「幹」を見失わないことが、富裕層が長期資産を守り育てるための、最も確かな指針となります。
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※ご相談は無料で承っておりますが、その内容により、個別の商品・銘柄・売買の方法・時期等に言及する場合があります。
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