
(画像=SBI証券)
| この記事は2026年10月19日にSBI証券で公開された「オルカンが5ツ星に格上げ!S&P500・半導体株も浮上した株式ファンド24本の共通点とは?」を転載したものです。 掲載記事:オルカンが5ツ星に格上げ!S&P500・半導体株も浮上した株式ファンド24本の共通点とは? |
オルカンが5ツ星に格上げ、王道インデックスが相次いで浮上
2026年8月31日公開の「オルカンは4ツ星維持、波乱相場でも5ツ星に格上げされた13本の共通点とは?」では、7月末基準でeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(愛称:オルカン)が4ツ星を維持したことをお伝えしました。2026年9月末基準では、オルカンが4ツ星から5ツ星に格上げされました。
6月以降の調整局面を経て、半導体やテック系のテーマ型ファンドの運用成績も改善しています。9月末基準で、SBI証券取扱いのNISA成長投資枠対象ファンドのうち、新たに5ツ星へ格上げされた株式ファンド(バランス・債券は除く)は図表1の24本です。ファンドレーティング(以下、レーティング)はカテゴリー内の相対評価のため、幅広いカテゴリーで変動がありました。
レーティングは、ウエルスアドバイザー社が独自に算出するカテゴリー内のリターンとリスクの差をもとに、同じカテゴリーの中での相対的な位置を5段階で示したものです。リスクに見合ったリターンを得られたかを評価する点で、シャープレシオと考え方が近い指標といえます。
本稿では、運用効率を確認する参考指標として、シャープレシオもあわせて掲載しています。なお、レーティングは3年・5年・10年の評価を運用期間に応じて加重平均して算出されます(詳しくは、2026年6月15日公開の「オルカンは4ツ星、5ツ星へ格上げされたファンドの共通点とは?」をご参照ください)。
今回は24本の特徴を投資対象別に整理します。
図表1 NISA・成長投資枠で5ツ星に格上げとなった株式ファンド(2026年9月末)

※ウエルスアドバイザーのデータをもとにSBI証券作成(2026年9月末基準)
※SBI証券で購入可能なNISA・成長投資枠対象の株式ファンドで、4ツ星または3ツ星から5ツ星に格上げされたファンドを3年リターン順に表示(バランス・債券は除く)。順位1・3・4・5の4本は3ツ星からの格上げ
※5年リターンが「-」のファンドは、設定から5年未満
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
(画像=SBI証券)
格上げされた株式ファンド24本の特徴を分析
24本を独自に分類すると、王道インデックスが7本、半導体・テック系などのテーマ型が8本、国内株式4本、その他の海外株式が5本となっています。
王道インデックスが相次いで浮上
オルカンの3年リターンは年率24.02%、3年標準偏差は14.35%、3年シャープレシオは1.65です。全世界株式の3本は3年リターン・標準偏差ともにほぼ同水準で、S&P500連動型の3本と先進国株式も揃って5ツ星となりました。同じ指数に連動するファンドが並んで格上げされており、これらの指数がカテゴリー内で相対的に高く評価されたことがうかがえます。
なお、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・S&P500)などは5月末以降、5ツ星を継続しています。
半導体・テック系のテーマ型は、調整後の回復で浮上
半導体関連 世界株式戦略ファンド(愛称:半導体革命)とニッセイ SOX指数インデックスファンド(米国半導体株)は、1年リターンがそれぞれ143.01%、110.15%で、3年標準偏差はオルカンの約3倍と、値動きの大きいファンドです。AI関連株式の2本も1年リターンは46%前後と高く、調整後にパフォーマンスが改善したことが、評価の向上につながったとみられます。一方、グローバル・メタバース株式ファンドは、1年リターンが0.32%にとどまるものの、3年リターンは年率39.42%と高く、運用期間が短いため3年レーティングのみで評価されています。レーティングは直近の値動きではなく、3年以上の期間で評価される点が分かる例です。
こうしたテーマ型は、レーティングが変動しやすい傾向があります。前回までのコラムで取り上げたグローバル・スペース株式ファンドのように、短期間でレーティングが上下した例もありますが、野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)のように5ツ星を継続するファンドもあるため、あくまで傾向として捉えておきたいところです。
国内株式は、運用戦略による差に注目
国内株式では、ブレンドの2本(日興アクティブバリュー、ALAMCO クオンツ 日本株オープン)と、グロースの2本(三菱UFJ 日本株オープン「35」、日本中小型成長株ファンド(実績報酬型))が格上げされました。3年標準偏差は、ブレンドの2本が13.59%、14.73%とオルカンと同水準である一方、グロースの2本は26.57%、19.23%と大きく、グロース株は銘柄ごとの株価変動が大きくなりやすいことがうかがえます。どのスタイルでも運用戦略や銘柄選定によってファンド間に差が出ますが、特にグロースは、運用戦略や組入銘柄をより丁寧に確認したい分野です。
AI活用型のアクティブファンドも、インデックスを上回る運用効率
AI(人工知能)活用型世界株ファンド(愛称:ディープAI)は、日本を除く世界の株式が投資対象で、アセットマネジメントOne独自のディープラーニング(深層学習)モデルが、相対的に投資魅力度が高いとみる銘柄を抽出します。さらに、ニュース等のテキスト解析や個別企業の分析を行うファンドマネジャーの判断を加えて、ポートフォリオを構築する点が特徴です。3年リターンは年率27.05%、3年シャープレシオは1.75で、オルカン(24.02%、1.65)やS&P500連動型(24%台、1.50前後)を上回っています。3年標準偏差は15.34%で、オルカンとS&P500連動型の間の水準です。独自の運用手法により、王道インデックスを上回る運用成績を上げているファンドとして注目されます。
オルカン・半導体株・国内株ファンドの値動きを比較
では、こうした5ツ星ファンドは、オルカンと比べてどのような値動きをしてきたのでしょうか。値動きの特性が異なる代表的な4本について、約3年間の値動きを2023年9月末=100として比較したのが図表2です。
図表2 オルカン・半導体株・国内株ファンドのパフォーマンスの比較(2023年9月29日=100、2026年10月13日まで)

※QUICKのデータをもとにSBI証券作成
※ファンド名は略称または愛称で、ニッセイ SOX指数インデックスファンド(米国半導体株)、三菱UFJ 日本株オープン「35」、ALAMCO クオンツ 日本株オープン、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
(画像=SBI証券)
ニッセイ SOX指数インデックスファンド(米国半導体株)は、2026年に入ってからの急上昇があったため、約3年間では378まで上昇し、最も好成績となりました。値動きを確認すると、2026年6月下旬に460台まで上昇した後、7月末にかけて330台まで調整する局面もあり、値動きの大きさが際立ちます(3年標準偏差はオルカンの約3倍)。
国内株式の2本は、三菱UFJ 日本株オープン「35」が228、ALAMCO クオンツ 日本株オープンが206と、オルカン(194)を上回りました。ただし、2025年春の急落局面では、三菱UFJ 日本株オープン「35」が4本の中で唯一、基準日の水準を下回るまで下落しており、グロース株の値動きの大きさがうかがえます。こうした値動きの違いを踏まえ、オルカンなどの王道インデックスをコア(中核)に、他のファンドをサテライト(衛星)として組み合わせる際の参考にしたいところです。
【まとめ】
今回5ツ星に格上げされた24本は、投資対象も運用スタイルもさまざまですが、共通しているのは、同じカテゴリーの中でリターンとリスクのバランスが相対的に高く評価された点です。レーティングは3年以上の過去の成績で決まるため、直近1年程度の値動きとは必ずしも一致しません。
オルカンやS&P500連動型などの王道インデックスは、運用効率の面でも引き続きコアと考えやすいといえます。半導体などのテーマ型はレーティングが変動しやすい傾向があり、サテライトとして位置づけるのが一案です。国内株式は、どのスタイルでも運用戦略による差が出ますが、特にグロース株は値動きが大きいため、運用戦略や組入銘柄の確認が欠かせません。
レーティングは、あくまで同じカテゴリー内での相対評価です。国やテーマなどで細分化されたカテゴリーでは、5ツ星でも、その投資対象自体の値動きが良かったとは限りません。同じ投資対象のファンドの中で、相対的に評価が高いことを示すにとどまるためです。今回取り上げなかったバランス型や債券ファンドも、カテゴリーが細分化されているため同様です。
とはいえ、5ツ星に格上げされたファンドや5ツ星ファンドをチェックすることは、保有するコアファンドの位置づけを確認したり、魅力あるサテライトファンドを探したりするうえで、有効な材料の1つになります。過去の実績にもとづく評価であることを踏まえたうえで、ファンド選びの出発点として活用してみてはいかがでしょうか。
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