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【現役証券外務員監修】IFAの選び方5選!失敗しない選び方も解説

IFAはお勧めの金融商品や推奨する個別銘柄の情報を顧客に提供するほか、顧客ごとに適切な資産ポートフォリオを構築し、資産運用によって最大の利益を得られるようにアドバイスする金融のエキスパートです。

IFAとして活動する外務員が数多くいるなかで、信頼できる、自分に合ったIFAはどのように探せばいいのでしょうか。

本記事ではIFAの選び方5選をお伝えするとともに、相談するメリットやIFAへ相談する前に準備しておきたいポイントをお伝えします。

目次

1.IFAの選び方5選

IFAの選び方5選をお伝えします。
まずIFAを選ぶ前に、以下のポイントをおさえてそのIFAとご自身の方針が合っているかどうか確認できるよう準備をしておきましょう。

・運用目的の明確化

どのような目的で資産運用を考えているか、目的に沿った資産ポートフォリオを構築するにはどのような投資商品を組み込めばいいかを明確にしておきます。

・リスク許容度の把握

どのくらいの損失までは許容できるのか、基準を設定しておきます。相談時にIFAへ自身の考え方を伝えることで、具体的なリスクとリターンを踏まえた商品の提案を受けることができます。

・余剰資金額の確認

投資に充当する資金は、現在の総資産から生活費や今後必要になるお金を引いた「余剰資金額」であることが理想です。自分にとって余剰資金がどのくらい(金額)あるのかを明確にしておきましょう。

1-1.金融機関の販売方針やノルマから自立しているIFA

最初のポイントは、IFAは金融機関の販売方針やノルマから自立しているという点です。

IFAは特定の金融機関(証券会社や銀行など)には所属せずに、独立した立場から投資や資産運用のアドバイスをします。だからこそ特定の商品に縛られず、包括的なアドバイスを行うことができます。

また、IFAは、証券会社を通じて「金融商品仲介業者」として登録をし、各証券会社と業務委託契約を結んでいます。

1-1-1.IFAに金融機関からのノルマは課されない

業務委託契約といっても、IFAと証券会社は協業相手であり、証券会社からIFAに販売方針を指示することはありません。

もちろん証券会社に対して販売ノルマもありません。このような距離感からIFAの独立性は十分に確保されているため、IFAは顧客から見ても「独立系資産運用アドバイザー」として信頼されています。

一方で証券会社を通じて外務員登録をせず、顧客に投資アドバイスをしている人をSNSなどで見かけますが、この行為は金融商品取引法に抵触する法令違反行為です。

1-1-2.「顧客の資産ポートフォリオが最適であるか」を重要視

そして、IFAがもっとも重要視しているのは、「顧客の資産ポートフォリオが最適であるか」という点です。

頻繁に新しい投資商品が登場するなかで、常にどのような資産ポートフォリオが相談者のニーズに適っているのかを一緒に考えてくれるIFAに相談をしましょう。

数ヶ月前は最善手だった投資商品が、投資環境が変わったことで「今はあまりお勧めするべきではない」という状況になることも珍しくありません。これは新規購入時のみならず、資産ポートフォリオの組み換え(リバランス)においても同様です。

1-2.センシティブなことを相談できるIFA

次にポイントとなるのは、そのIFAは自身のセンシティブなことを話したり、ざっくばらんに相談できる相手であるかという点です。
IFAは資産運用だけではなく、家計における現状の把握とその課題や、将来設計といった深い話をすることも多いです。

他人にはあまり話すことのできない子どもの教育、親の介護や相続などの話をすることもあるでしょう。何事も安心して相談できるIFAを選ぶことが大切です。

1-2-1.親身になって相談に乗ってくれるIFAか

資産運用は専門性が高く、わからないことも多いです。それらの不安を親身になって対応してくれるIFAを探しましょう。

顧客の相談に乗ることはIFAにとっても重要なポイントです。顧客のライフプラン全体を聞くことで、そのなかでどのように資産運用を活用すればいいのかを、マクロな視点からアドバイスすることができます。

1-2-2.無料で何度でも相談が可能か

何度も無料で相談できるIFAを選ぶようにしましょう。

2回目以降も継続的に質問やアポイントにも、プロフェッショナルとして応えてくれるIFAがおすすめです。

メールやチャット、各種SNSツールの浸透によって、気軽にIFAに相談できる環境が整ってきています。

1-3.FD宣言を公表している

金融庁が提唱する「顧客本位の業務運営方針(フィデューシャリー・デューティー宣言、以下、FD宣言)」を公表しているIFAを信頼して選びましょう。

FD宣言とは、IFA業務を行う各社が掲げている「顧客本位の業務運営宣言」のことです。統一された条文があるわけではなく、各社が宣言内容を独自に掲げています。またIFA法人のなかには、従来からの宣言内容を「改定」するところもあります。

FD宣言は、各社ホームページで閲覧することができますので、ぜひ参考にしましょう。

1-4.知識・経験の豊富さでIFAを選ぶ

投資環境は晴天のときもあれば、暴風雨のときもあります。2024年8月の「令和のブラックマンデー」と遭遇したとき、この暴風雨を実感した方も多いでしょう。

株式相場だけではなく為替についても、2024年は急激な円高・円安が繰り返されている1年といえます。

IFAを選ぶ目安として、景気の良いときはもちろん、景気の悪いときも市場の分析を重ね、顧客と向き合ってきたIFAを選びましょう。

机上の知識はもちろん大切ですが、実際にそのIFAが専門家として様々な相場に向き合ってきたという経験則も、顧客が信頼できるか否かを測るうえで重要な基準になります。

1-4-1.金融キャリアとしての活動実績が5年以上あるか

IFAとしての活動期間が長ければ、それだけで信頼できるというものではありません。ただし、長いキャリアを経験しているということは、様々な相場を見ているということです。

また、IFAとして登録する前に、どのようなキャリアを経ているかも大事なポイントです。IFAは銀行や証券会社などの金融機関出身者が多いため、その時の経験はIFAとしても活かすことができます。
ひとつの目安ですが、金融機関のキャリアとして5年以上のキャリアがあれば、プロフェッショナルとして評価できるでしょう。

各IFAは所属するIFA法人のホームページなどでキャリアを掲載している場合も多いため、参考にしましょう。

1-4-2.証券外務員以外の資格を有している

IFAとして活動する際に必要な資格は証券外務員資格ですが、ほかにFP(ファイナンシャルプランナー)や証券アナリストなどの資格を有しているIFAは、専門知識のレベルも高く、安心して相談できるでしょう。

・FP(ファイナンシャルプランナー)

FP(ファイナンシャルプランナー)とは、「ファイナンシャルプランナー技能士検定」という国家資格に合格したライフプランニングのプロフェッショナルです。

保険・資産運用・税金・不動産・相続の包括的な知識を持ち、希望のライフプランに対する総合的なアドバイスを行います。ただし、資産運用のアドバイスに関しては、概要の説明はできるが具体的な金融商品の説明や投資判断をすることはできません。この点は注意しなければなりません。

・証券アナリスト

資産運用に不可欠な上場株の調査・分析を行い、情報提供をする専門家。

・その他の資格

宅建や不動産鑑定士などの不動産関連資格、相続診断士などの相続関連資格です。なかには税理士など難関資格を所有しているIFAもいます。

IFAの裾野が広がってきたこともあり、上記のような資格を「差別化の武器」とするIFAも増えてきています。

1-5.IFA法人からサポートされているか

IFAはIFA法人に所属していることが多いです。IFA法人の内部管理体制が整っているか、サポートは充実しているかが安心してIFAを選ぶ上で重要なポイントになります。

1-5-1.所属しているIFA法人の実績を調べる

IFA法人が所属するIFAに対して手厚いフォローをしているかも重要です。IFA法人には、所属するIFAが顧客に対して「IFAとしての顧客ファーストの姿勢」を遵守できているかの管理能力が問われます。

IFAは各担当者の裁量が大きい分、顧客ファーストの資産ポートフォリオの構築や遵法精神の遵守において、高い倫理観が求められます。

特に顧客が70歳以上の高齢者の場合や、応用性のあるデリバティブ取引などを行う場合は、各証券会社のチェックプロセスを経て取引を行うようルールがあり、IFA法人にもそれらの管理体制が求められています。

1-5-2.複数の担当者やIFA法人を比較する

IFAは、どのような基準で選ぶべきでしょうか。

複数のIFAやIFA法人を比較し、相対評価で選びましょう。既出の記載に重複する部分もありますが、相対的にIFAを選ぶ基準は主に以下の点です。

・投資商品選びの知識

IFAである以上最低限の知識が備わっているかどうかです。根本的な知識はもちろん、日々アップデートする関連知識を吸収し、説明する能力があるかが問われます。かつ顧客には投資初心者の方もいれば投資慣れした方もいるので、レベルに合わせた説明力も欠かせません。

・対応の丁寧さと迅速さ

IFAに期待したいのは、投資商品の選び方のアドバイスだけではありません。ライフプランの相談や細事に対するアドバイスなど、保険業界でも多い「ライフプランナー」としての役割を期待したいものです。

そこで欠かせないのは、対応の丁寧さと迅速さです。担当のIFAとチャットやメールで連絡を取り合う方も多いと思いますが、反応の早さは大切です。

・相性

漠然としていますが、何となくこの人には相談をしても大丈夫だな、この人は信頼できるな、という感覚は大切にしましょう。

特に資産運用は家計の状況およびライフプランという、相談者にとって非常にセンシティブな部分をざっくばらんに共有することになります。顧客とIFAとの関係において、相性の良し悪しは礎となる部分です。

2.IFAに相談するメリットは何か

ここからIFAに相談するメリットを見ていきましょう。

2-1.IFAは無料で相談できる

IFAは顧客から相談料を受け取るのではなく、顧客が証券会社に対して支払った手数料のなかから、手数料を受け取ります。

そのため、IFAには無料で相談することが可能です。弁護士などの専門家はタイムチャージ制を導入しているため、相談時間・回数が増えれば増えるほど負担が増します。

2-2.資産運用以外も相談できる

IFAへ資産運用以外も相談することが可能です。

なかには「不動産を売却して証券投資の資金に充てたい」「親から受け取る相続資産を売却して新たに投資を考えたい」という声もあります。親が株式投資をしていて、そのまま相続する場合もあるでしょう。

そのときに1人のIFA(もしくはIFA法人1社)へ金融に纏わる内容をワンストップで相談することができれば、顧客にとって大きなメリットがあります。

不動産について〇不動産の購入・売却
〇投資用不動産の利回り
〇不動産のリフォームやリノベーション   など
保険について
〇生命保険について
〇損害保険について
〇少額短期保険について
〇保険料控除について
〇終身保険の持つ運用性について      など
相続について〇相続について
〇生前贈与について
〇終活について  
〇親の相続について            など

上記の不動産・保険・相続の相談内容は、あくまで一例です。また、専門知識が必要になります。

3.IFAの選び方で重視したい2つのポイントとは?

相談するIFAを選ぶ際には、重視したい2つのポイントがあります。

3-1.IFAは顧客にとっての「最善の回答」を考える専門家であること

最善の資産ポートフォリオは、顧客ひとりひとり異なります。また相場や、ライフプランによっても変わってきます。信頼できるIFAは、その状況を緻密に分析し、「最善の回答」を用意してくれます。                                        

具体的には「ライフプランの変化」に対応できるIFAに相談することです。結婚した、子どもが生まれたなど、ライフプランは常に変わります。独身のときに相談した資産ポートフォリオの形が、結婚後に配偶者の意見を加えると最適解が変わることもあります。

顧客はIFAに定期的にそれらを共有し、資産運用において何を優先するのか、資産ポートフォリオを更新していかなければなりません。親身に相談できる人を選びたいものです。

3-2.「わからない」ことを隠さない専門家か

IFAだからといって、今後の株式相場や為替がどのように動くか予測はできても、断言はできません。
これまでのチャートやテクニカルで分析はできますが、「絶対にこう動く!」と断言し行動することはできませんし、それは専門家ではなくギャンブラーです。

現状分析から、市場動向と先行きはどこまで見えていて、どこが見えていないのか。この点を冷静に分析し、かつ「見通せないことは誠意を持って顧客に伝える」人こそ、信頼に足るIFAといえるでしょう。

4.失敗するIFAの選び方

一方で、以下のようなIFAを選ぶと失敗に繋がり、大切な資産を毀損してしまいます。失敗するIFAの共通項を解説します。

4-1.過剰な手数料重視であること

IFAは顧客による売買手数料で生計を立てています。

手数料重視のIFAは、選ぶべきではないといえるでしょう。特に顧客の都合や考えを充分に咀嚼せずに、理由もなく短期間の売買を推奨するのは、IFAとしてもっとも懸念すべき姿勢です。

4-1-1.納得したうえで手数料を支払いたい

IFAは顧客ではなく証券会社から手数料を得ていますが、あくまで手数料の原資は顧客の支払った手数料です。だからこそ、IFAに対しては納得したうえで取引を行いたいものです。

保有している株式の売買タイミングを考えている場合、あくまで顧客の収益(利益)や資産ポートフォリオの最適化を優先させるIFAを選びましょう。

4-2.根拠の薄い独自見解を過信していること

IFAによっては自分の都合のいいように「客観的事実に基づく根拠がない情報」を吹聴する人も一定数います。

客観的に納得できる背景を伝えられればいいのですが、そうではなく、根拠のない自信の場合は注意しましょう。

5.IFAに相談する前に準備しておきたい3つのポイント

IFAに相談する前に準備しておきたいのは、以下のポイントです。

5-1.ライフプランを作成して共有する

資産部分だけではなく、ライフプラン全体を作成して共有するようにしましょう。

これをもとに、IFAは顧客のライフプラン全体から見た資産運用を、包括的にアドバイスできるようになります。

5-2.現状の資産ポートフォリオをIFAに提出する

既に運用をしているがいまいち収益が伸びない場合や、ほかの専門家のアドバイスに納得がいかない時など、セカンドオピニオンとしてIFAに相談しましょう。

運用資産だけではなく、iDeCo(個人型確定拠出年金)や公的年金の想定受給額、退職金の見込み額なども可能な限り伝えることがおすすめです。

5-3.いつまでにいくら運用益を確保したいのか

ライフプランに応じて、何年後までにいくら運用益を確保したいのか明確にしておきましょう。

それらをIFAに伝えることによって、IFAは長期投資がいいのか、スイングトレード(短中期投資)が必要なのかを検討し、総合的にアドバイスをすることができます。

すべての資産を同様に考えるのではなく、資産ポートフォリオのなかで「長期運用の銘柄とスイングトレードの銘柄」を分けることも大切です。

6.IFAに相談するならファーストパートナーズへ

IFAに相談するなら株式会社ファーストパートナーズをおすすめします。

〈こんな方におすすめ〉

①資産の運用方法で何に手をつけていいのかわらかない
②現在の資産運用法・ポートフォリをプロの目線で評価してほしい
③不動産、オルタナティブ、保険、M&Aなども含めて、包括的に資産の相談をしたい

〈ファーストパートナーズの強み〉

①証券会社や銀行など金融機関出身者が多く在籍しており、豊富な知識と経験を活かして顧客に対する的確なアドバイスをご提供します
②資産運用のみならず、事業承継、M&A、不動産など多岐にわたる金融サービスをご提供しています
③ヘッジファンドや外資系プライベートバンクと提携し、幅広い選択肢をご提供可能です

7.まとめ

IFAを選ぶうえで重要なのは、何よりも「顧客ファースト」を常に意識し、実践しているIFAを見つけることです。そのためには高い倫理観や遵法精神を持ち合わせているかを見極めることが不可欠です。また顧客に親身になるIFAであるか、顧客とIFAとの相性も大切です。

そして、IFA法人や所属証券会社からのサポートも不可欠です。顧客として、複数のIFAを比較することで、相対的に信頼できるIFAを探していきましょう。

またIFAは投資の専門家ですが、保険や不動産、相続といった金融領域の知識もおさえていることが理想です。ただし、高度で幅広い知識が求められるため、適切な専門家や外部情報等を「案内する力」も、IFAには求められます。

投資の中でも、有価証券が最適か、保険商品が最適かなど、顧客ファーストの立場でご案内ができることもまた、選んだIFAを信頼することができる根拠といえるでしょう。

投資の検討を進めるにあたって、本記事のポイントを理解し、パートナーとなるIFAを見つけることができれば幸いです。

FPメディア編集部

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