1分でチェック！今週の米国株式 2025/2/17

(画像=SBI証券)

今週はFOMC議事録と金融当局者の講演が注目ポイント

先週の振り返り

先週の米国株は総じて堅調な展開となりました。パウエルFRB議長が議会証言において追加利下げに慎重な姿勢を示したほか、CPI（消費者物価指数）が市場予想を上回り、米10年債利回りが一時4.6％台まで上昇したことなどが材料視される場面がありました。一方、トランプ大統領が相互関税導入検討を指示しましたが、即時発動とならなかったことを背景に交渉余地があるとの見方から株が買われる展開が見られました。なお、週間ベースではNYダウが反発で、S&P500とナスダックが3週ぶり反発となりました。S&P500セクター別（11業種）パフォーマンスは情報技術やコミュニケーション・サービス、素材などが上げて、ヘルスケアや金融が下げました。個別株ではメタ プラットフォームズ A（META）やJPモルガン チェース（JPM）、ネットフリックス（NFLX）などが史上最高値圏で推移し、スターバックス（SBUX）やシスコ システムズ（CSCO）などが52週高値圏です。なお、メタ プラットフォームズ（META）は 20日続伸と記録的な株高持続となっており、マーケットでの評価が高まっています。S&P500指数採用銘柄で200日移動平均を超える比率は59％とやや改善しています。

個別株の材料としては、シスコ システムズ（CSCO）はAIインフラ需要を背景に通期の売上高見通しを上方修正したことを好感して、株価は上昇しました。コカ-コーラ（KO）は値上げ寄与で10-12月期のEPSが市場予想を上回り、株価は上昇しました。マクドナルド（MCD）は10-12月期の既存店売上高が予想外のプラスとなったことを好感して、株価は上昇しました。また、米副大統領による米国内での半導体生産注力表明を好感してインテル（INTC）が大幅高となったほか、アーム ホールディングス ADR（ARM）は新型半導体の初期顧客としてメタ プラットフォームズ A（META）を確保したとの観測報道で株価が大幅高となる場面がありました。一方、バイオジェン（BIIB）は通期EPS見通しの中間値が市場予想を下回り、株価は下落しました。なお、S&P500指数採用銘柄の384社が決算発表済みで、EPSが市場予想を上回るポジティブサプライズ比率は75％とヒストリカルにみても堅調です。今週はウォルマート インク（WMT）やオクシデンタル ペトロリアム（OXY）などが決算発表を予定しています。

今週の見通しと注目セクター・テーマ

今週はFOMC議事録と金融当局者の講演が注目ポイントになりそうです。インフレや金融政策に関するコメントが注目されます。マーケットでは今年は1回の利下げ予想が優勢となっていますが、この利下げ観測に影響を与えるかどうか発言内容が注視されそうです。なお、S&P500指数とナスダックは50日移動平均線を意識する動きとなっており、当面はこの50日線の攻防になりそうです。2/17（月）はプレジデント・デーで米株休場です。

注目セクター・テーマとしては下記を考えています。

金関連：トランプ関税を巡る政策不透明感などを背景にNY金先物価格が史上最高値圏で推移しています。当面不透明感は続く可能性がある事から、引き続き金先物価格は堅調に推移する可能性があります。関連銘柄への注目が高まりそうです。バリック ゴールド（GOLD）、SPDR ゴールド シェア（GLD）、ヴァンエック 金鉱株ETF（GDX）、SPDRゴールド ミニシェアーズ トラスト（GLDM）

航空関連：先週発表されたCPIにおいて、航空運賃の伸びは前年比7.1％増と全体を大きく上回りました。航空業界にとってはポジティブ材料と考えられる為、関連銘柄は注目されやすいと思われます。デルタ エアーラインズ（DAL）、ユナイテッド エアラインズ（UAL）、アメリカン エアラインズ グループ（AAL）、サウスウエスト エアラインズ（LUV）

業績上方修正関連：会社側が通期EPS見通しを上方修正した銘柄に関しては、業績に対する自信の表れを示唆していると考えられます。また、マーケットにおける業績期待値も引き上がる可能性がある事から、関連銘柄は注目されやすいと思われます。タペストリー（TPR）、センコラ（COR）、マケッソン コーポレーション（MCK）、カーディナルヘルス（CAH）

重要イベント・主な経済指標

※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

(画像=SBI証券)