(画像=SBI証券)
| この記事は2025年1月27日にSBI証券で公開された「1分でチェック！今週の米国株式 」を転載したものです。 掲載記事(最新版)：1分でチェック！今週の米国株式 |
今週は大統領就任式でのトランプ新大統領の発言が最大のポイント
先週の振り返り
先週の米国株はCPI発表までは米10年債利回り上昇をネガティブ材料視してハイテク株が弱い動きでした。15日発表のCPIはコアCPIの伸びが前年比および前月比ともに市場予想を下回ったことを好感して、米国株は上昇を強める動きを見せました。中東のガザ停戦合意のニュースも地政学リスクの落ち着きにつながった可能性もあり、VIX指数の低下でS&P500指数は17日時点で50日移動平均を再び突破しています。また、半導体のSOX指数が日足一目均衡表の雲を突破しており、半導体株に明るさが見られ始めています。なお、週間ベースでは主要株価3指数とも3週ぶり反発となりました。S&P500セクター別（11業種）パフォーマンスは全面高でエネルギ－や金融、素材などの上げが目立ちました。個別株ではアメリカン エキスプレス（AXP）やJPモルガン チェース（JPM）、インテューイティブ サージカル（ISRG）などが史上最高値圏で推移し、CFインダストリーズ ホールディングス（CF）やシスコ システムズ（CSCO）などが52週高値圏です。S&P500指数採用銘柄で200日移動平均を超える比率は58％とやや改善を見せています。
個別株の材料としては、JPモルガン チェース（JPM）の10-12月期はトレーディング収入の牽引で純収入とEPSが市場予想を上回った他、今年の純金利収入見通しが市場予想を上回り、株価は上昇しました。ゴールドマン サックス（GS）の10-12月期は投資銀行や株式トレーディングなどの牽引で純収入とEPSが市場予想を上回り、株価は大幅高となりました。モルガン スタンレー（MS）はトレーディング収入の牽引で10-12月期の純収入とEPSが市場予想を上回り、株価は上昇しました。手術支援ロボット「ダビンチ」で有名なインテューイティブ サージカル（ISRG）は10-12月期の暫定売上高が市場予想を上回り、株価は大幅上昇しました。台湾セミコンダクター ADR（TSM）は1-3月期の売上高見通しが市場予想を上回り、AI需要への期待感から株価は上昇しました。なお、S&P500指数採用銘柄の42社が決算発表済みで、EPSが市場予想を上回るポジティブサプライズは83％とヒストリカルにみても好調です。この他では、IonQ Inc（IONQ）などの量子コンピューティング関連株はボラティリティの高い動きとなりました。アップル（AAPL）は中国市場でのスマホ販売苦戦が報じられて、株価が大きく下落する場面がありました。今週はネットフリックス（NFLX）や半導体大手テキサス インスツルメンツ（TXN）などが決算発表を予定しています。
今週の見通しと注目セクター・テーマ
今週は大統領就任式でのトランプ新大統領の発言が最大のポイントと思われます。特にマーケットの関心が高い関税について、具体的なコメントをするか注目を集めそうです。対象国による報復関税発動も視野に入るため、大きな注目点です。一方、決算発表関連ではネットフリックス（NFLX）とテキサス インスツルメンツ（TXN）がマーケットに影響を与えそうです。前者は会員数の伸び、後者は産業や自動車向けの回復度合いが注目されそうです。半導体の広範囲にわたる回復が確認できれば、ハイテク株全体にも好影響を与える可能性があります。先週は複数の大手銀行が好調な決算発表を示し、これらに続くことができるかどうか注視されます。なお、20日（月）はキング牧師誕生日で米株休場です。
注目セクター・テーマとしては下記を考えています。
AI関連：マイクロソフト（MSFT）が今年度にデータセンター建設で800億ドルを投じる計画である他、ホンハイの好調な売上高、エヌビディア（NVDA）の新型AI半導体「ブラックウェル」がフル生産にあることなどを背景に中長期的な観点でAI関連は注目が集まりやすいと考えられます。エヌビディア（NVDA）、アリスタ ネットワークス（ANET）、ブロードコム（AVGO）、アステラ ラボ（ALAB）
航空関連：CPIで示された24年12月の航空運賃の伸びは前年比7.9％増とCPI全体を大きく上回っており、航空会社にとっては追い風を示唆していると考えられます。既に決算発表済みのデルタ エアーラインズ（DAL）は需要好調を示しており、ファンダメンタルズの堅調さから注目を集めやすいと考えられます。デルタ エアーラインズ（DAL）、サウスウエスト エアラインズ（LUV）、ジェットブルー エアウェイズ（JBLU）、フロンティア グループ（ULCC）
金融関連：先週発表された大手銀行の決算発表は市場予想を上回る好調な内容で、株価もポジティブに反応しました。業績に対する安心感や金融市場の回復期待を受けて、引き続き注目を集めやすいと考えられます。JPモルガン チェース（JPM）、ゴールドマン サックス（GS）、シティグループ（C）、金融セレクト セクター SPDR ファンド（XLF）
重要イベント・主な経済指標
(画像=SBI証券)
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
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