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1分でチェック!今週の米国株式 2025/12/8

  • 公開日:
  • 更新日:
1分でチェック!今週の米国株式

(画像=SBI証券)

この記事は2025年12月8日にSBI証券で公開された「1分でチェック!今週の米国株式 」を転載したものです。
掲載記事(最新版):1分でチェック!今週の米国株式

今週はFOMCを始め、オラクルとブロードコム決算発表がポイント

先週の振り返り

先週の米国株は利下げ観測の高まりを材料視して堅調な動きとなりました。VIX指数が15.41と20を引き続き下回り、ボラティリティはフェイバーです。一方、ビットコインが急変動を示しており、センチメントに影響を与えつつあります。週間ベースではS&P500指数などの主要株価3指数ともに続伸しました。AI関連がまちまちの動きを示す中、ロボティクス関連や量子コンピューティング関連などが物色される場面がありました。S&P500セクター別(11業種)の週間パフォーマンスはエネルギーや情報技術、コミュニケーション・サービスなどが上げて、公益やヘルスケアなどが下げました。個別株では、アプライド マテリアルズ(AMAT)やウォルマート インク(WMT)、ゴールドマン サックス(GS)などが史上最高値圏で推移しています。このほか、サウスウエスト エアラインズ(LUV)やスリーエム(MMM)などが52週高値圏です。S&P500指数採用銘柄で200日移動平均を超える比率は60%です。年初来のファクターリターンではEPS修正や時価総額、流動性などのファクターがアウトパフォームしています。

個別株ではマーベルテクノロジーグループ(MRVL)は8-10月期の売上高とEPSが市場予想を上回ったほか、来期のデータセンター関連売上高が25%以上成長するとの見通しを好感して、大幅高となりました。ボーイング(BA)は来年のフリーキャッシュフローが黒字になるとの見通しを明らかにして、急騰しました。ダラー ジェネラル(DG)は買い物客からの需要拡大を受けて業績見通しを上方修正して、急騰しました。シノプシス(SNPS)はエヌビディアが提携強化の一環として同社株20億ドルを取得したことが明らかになり、大幅高となりました。一方、ネットフリックス(NFLX)はワーナー ブラザース ディスカバリーへの大規模買収案件に対する不透明感から、大幅安となる場面がありました(その後、12/5に同社はワーナー ブラザース ディスカバリーを買収することで合意と発表)。今週はオラクル(ORCL)やブロードコム(AVGO)などが決算発表を予定しています。S&P500指数採用銘柄のうち495社が決算発表済みで、EPSが市場予想を上回るポジティブサプライズ比率は約83%とヒストリカルで見ても堅調です。

今週の見通しと注目セクター・テーマ

今週はFOMCをはじめ、オラクルとブロードコム決算発表がポイントです。年内の米国株の方向性を大きく決める重要イベントになると考えられます。雇用指標が軟調を示す中、12月FOMCにおける利下げ確率は9割強と利下げが確実視されています。併せて発表される金融当局者の経済・政策金利見通しも注目されると考えられます。市場予想では2026年に関して少なくとも2回の利下げが見込まれていますが、金融当局者がどの程度の利下げを見込んでいるか大きな関心を集めそうです。利下げサイクルの長期化は米株市場にとってポジティブ材料と考えられます。また、オラクルとブロードコム決算発表のポイントは、オラクルはどの程度受注を積み増すことができたのかという点と設備投資動向が注視されそうです。また、ブロードコムはAI売上高とその見通しが注目されます。この2社の決算発表で成長を伴った実績が確認できれば、AI関連株の再評価につながる可能性があります。なお、12/12にナスダック100指数の入れ替えが発表される予定です。

注目セクター・テーマとしては下記を考えています。

業績上方修正関連:会社側が業績見通しの上方修正を発表している関連銘柄については、ファンダメンタルズの観点で明るさを示唆しているほか、市場予想も上方修正含みとなる期待があることから投資家の注目を集めやすいと考えられます。ロッキード マーチン(LMT)サーモ フィッシャー サイエンティフィック(TMO)アムジェン(AMGN)ダラー ジェネラル(DG)

好配当関連:今週のFOMCでは利下げが確実視されています。金利低下局面が継続する中で、好配当関連銘柄への注目が集まりやすいと考えられます。ベライゾン コミュニケーションズ(VZ)ファイザー(PFE)iシェアーズ 好配当株式 ETF(DVY)ST SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD)

金関連:NY金先物価格は一時4,000ドルを下回る軟調な動きが見られましたが、利下げ観測などを背景に再び4,200ドル台を回復しています。11月までの月次ベースでは4カ月上昇で金への資金流入を示唆しており、年間ベースでは1979年以来の好パフォーマンスで推移しています。引き続き投資家の注目を集めやすいと考えられます。SPDR ゴールド シェア(GLD)SPDRゴールド ミニシェアーズ トラスト(GLDM)バリック マイニング(B)ニューモント(NEM

重要イベント・主な経済指標

重要イベント・主な経済指標

※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

(画像=SBI証券)

著者プロフィール
齊木 良 (さいき りょう)
シニア・マーケットアナリスト(米国株担当)
(日本証券アナリスト協会 認定アナリスト) 
名古屋大学経済学部卒業。東海東京証券において主に外国株プロモーション、外国株トレーディングに従事。機関投資家向けの日本株トレーディングにも携わる。米国の証券会社へのトレーニー、コロンビア大学ビジネススクール客員研究員等を経て2022年4月よりSBI証券投資情報部に所属。ファンダメンタルズとトレーディングの両面から独自の視点で米国株を分析する。初心者向けやETFなど幅広いコンテンツも作成している。各種メディアでマーケットや個別銘柄に関するコメントも行う。毎週3Km泳ぐことをルーティンとしているほか、プロ野球やバレーボール等のスポーツ観戦のため野球場やドーム、アリーナによく通っている。
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