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28年ぶりの円買い協調介入 オルカン投資家は外貨建て資産を見直す?

28年ぶりの円買い協調介入 オルカン投資家は外貨建て資産を見直す?

(画像=SBI証券)

この記事は2026年8月10日にSBI証券で公開された「28年ぶりの円買い協調介入 オルカン投資家は外貨建て資産を見直す?」を転載したものです。
掲載記事:28年ぶりの円買い協調介入 オルカン投資家は外貨建て資産を見直す?

国内株式への資金流入と28年ぶりの円買い協調介入

2026年に入り大きく上昇していたAI・半導体関連株は、6月下旬から大幅な調整局面に入りました。日米の半導体株指数は6月22日にピークをつけており、そこから7月下旬まで下落基調が続いた形です。半導体・ハイテク関連銘柄の構成比率が高い日経平均株価も7月に5,700円(8.14%)下落し、月間ベースの下げは4カ月ぶりとなっています。

こうした株式市場の変動の中でも、投資信託への資金流入は6月の好調を持続しました。QUICK集計によると、国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)の2026年7月の資金流入額は2兆6,436億円。前月の2兆5,629億円からさらに上積みし、月間ベースでは今年1月の2兆7,564億円に次ぐ、年初来2番目の高水準となりました。

7月の資金の流れを投資信託の分類別にみると、海外株式(先進国株式・グローバル株式)は前月からやや流入ペースが鈍化したものの、合計で1兆7,000億円近い水準を維持しており、堅調さそのものは崩れていません。むしろ変化が目立ったのは国内株式で、6月の4,200億円程度から7月は約6,000億円へと、流入額を4割以上拡大させています。

資金流入額上位10ファンド(図表1)をみると、上位2ファンドの顔ぶれは前月から変わらず、1位はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(以下、オルカン)、2位はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)でした。資金流入額は、それだけ多くの投資家に選ばれているファンドを映す指標でもあります。いずれも単月の流入額は前月から増加しており、株式市場の調整局面にあっても主力インデックスファンドへの資金流入が継続していることがうかがえます。
国内株式では、5位に野村證券が販売する新ファンドの野村構造変化日本株ファンド(当社取り扱いなし)が1,107億円で入ったほか、8位に日経225ノーロードオープンが508億円、10位にeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)が429億円と、3ファンドがトップ10入りしています。

図表1 2026年7月・資金流入上位10ファンド

図表1 2026年7月・資金流入上位10ファンド

※QUICK資産運用研究所のデータをもとにSBI証券作成
※対象はETFを除く国内公募の追加型株式投信で、2026年7月の資金流入額はQUICK資産運用研究所の推計値

(画像=SBI証券)

こうした中、為替市場でも大きな動きがありました。急速な円安ドル高の進行を受けて、7月末に日米が協調して為替市場に介入し、ドル売り・円買いを実施したとみられます。投資信託の基準価額の計算に用いられる対顧客外国為替相場仲値(TTM)は、7月30日の163.51円から8月3日にかけて2営業日で7.72円(4.72%)下落し、155.79円となりました。

2026年のゴールデンウィーク期間中の介入が政府・日銀による単独介入とみられていたのに対し、今回の日米協調介入は2011年の東日本大震災直後以来15年ぶりです。特に、円安を止める方向の「円買い」の協調介入としては、1998年のアジア通貨危機時以来28年ぶりとなり、これまで以上にメッセージ性の強いものだったといえます。
介入後は円相場がいったん反発する場面もみられますが、追加介入への警戒感が残る中での値動きとなっており、今後の展開はなお不透明です。こうした中、為替の影響を受けにくい国内株式への関心も相対的に高まりやすいと考えられます。

そこで今回は、SBI証券における国内株式ファンドの人気ランキング(2026年7月)に注目します。

SBI証券・国内株式ファンド 人気ランキング

SBI証券のランキングページ(販売金額・国内株式・月間)から、2026年7月の実績を集計しました。複数ランクインしている日経平均連動型のインデックスファンドは最上位の1本に絞り、上位に入った以下7ファンドを取り上げます(図表2)。

図表2 SBI証券 国内株式ファンド 販売金額ランキング(2026年7月)

図表2 SBI証券 国内株式ファンド 販売金額ランキング(2026年7月)

※ウエルスアドバイザー等のデータをもとにSBI証券作成
※1年リターン/標準偏差、設定来リターンは2026年6月末基準、調整局面騰落率は2026年6月22日〜7月29日
※日経平均連動型は複数のファンドが上位にランキングされているため、最上位のeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)のみを表示
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

(画像=SBI証券)

調整局面(6/22〜7/29)、明暗分かれた7ファンド

図表2の7ファンドは、半導体・高配当を含む指数連動型(1~3位、5位)、高配当アクティブ(4位、7位)、テクノロジー株アクティブ(6位)と、運用スタイルの異なる顔ぶれが並んでいます。

このうち7位にランクインしている日経平均高配当利回り株ファンドは、日経平均株価採用銘柄の中から予想配当利回り上位30銘柄に投資するアクティブファンドです。ただし現在スポット購入ができないため、新規購入時は同じ運用コンセプトの日経平均高配当利回り株ファンドII(2024年11月設定)が選択肢となります。両ファンドは決算日が異なりリバランス時期がずれるため、組入銘柄には若干の違いがあります。

6月22日を基準に7月29日までの半導体株調整局面を振り返ると、7ファンドの明暗がはっきりと分かれています。日経半導体株インデックスは44.12%下落、テーマ性の強い情報エレクトロニクスファンドも25.52%下落と、半導体・テクノロジー関連の2ファンドが大きく値を崩しました。指数連動型でも、日経平均株価はハイテク・半導体銘柄の構成比率がTOPIXより高いため15.04%下落したのに対し、TOPIXは2.87%の下落にとどまり、同じ「日本株インデックス」でも下落幅に差が出ています。

一方、高配当株3ファンドはこの調整局面でむしろ上昇しました。日経平均高配当利回り株ファンドは13.31%、Tracers 日経平均高配当株50インデックスは8.36%、SBI日本高配当株式(分配)ファンドは1.01%、それぞれプラスで推移しています。半導体・ハイテク株から資金が流出する局面で、相対的に値動きが安定した高配当株に資金が向かった可能性がうかがえます。ただし高配当3ファンドの間でも上昇幅には差があり、「高配当」という括りの中でも銘柄選定や指数設計によって値動きの性格が異なることが分かります。

このように、同じ「国内株式ファンド」でも、半導体株の調整局面では指数連動型・テーマ型が下落した一方、高配当型は逆に値を上げるという対照的な結果になりました。

図表3 国内株式ファンドとオルカンのパフォーマンスの比較 (2024/07/12=100、2026/08/05まで)

図表3 国内株式ファンドとオルカンのパフォーマンスの比較 (2024/07/12=100、2026/08/05まで)

※ QUICKのデータをもとにSBI証券作成(ファンド名は略称または愛称)
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

(画像=SBI証券)

約2年間の値動きで見る、指数連動型と高配当型の明暗

図表3は、日経半導体株インデックスの設定日(2024年7月12日)を起点に、2026年8月5日まで約2年1ヵ月の値動きを指数化して比較したものです。


これを見ると、6月下旬からの調整を経てもなお、情報エレクトロニクスファンド(227)と日経半導体株インデックス(224)が7ファンド中で上位を維持しており、この間の上昇局面の大きさが調整分を吸収してなお余りある結果となっています。同じ指数連動型でも、日経平均連動型(166)はTOPIX連動型(146)を上回っており、半導体・ハイテク関連銘柄の構成比率の違いが約2年間の累積パフォーマンスにも表れています。
高配当3ファンドのうち、Tracers日経平均高配当株50インデックス(157)とSBI日本高配当株式(分配)ファンド(152)はTOPIX連動型を上回った一方、6月下旬からの調整局面では最も堅調だった日経平均高配当利回り株ファンド(133)はオルカン(142)を下回っており、同じ高配当型の中でも銘柄選定によって成績は千差万別といえます。
約2年という期間で見れば、値動きの大きいテーマ型ファンドは下落局面での目減りも大きい一方、それを上回る上昇局面の恩恵も大きく享受してきたことになります。これは、直近の調整局面(6/22〜7/29)でテーマ型が下落し高配当型が上昇した動き(図表2)とは対照的です。一方、高配当ファンドは直近の調整局面での底堅さを示した一方で、中長期の成績は銘柄選定によって差が大きく、一様ではありません。

オルカンにおける国内株式の組入比率は約5%程度にとどまっており、残る95%程度は外貨建て資産で占められています。円高局面では、この外貨建て資産の比率の高さが評価額の目減りに直結しやすくなります。そこで、円資産である国内株式ファンドを組み合わせることが、外貨建て資産の比率を抑え、為替変動の影響を軽減する選択肢になると考えられます。
ただし、同じ「国内株式ファンド」であっても、値動きの大きさや上昇・下落局面での強弱はファンドによって大きく異なります。値動きの振れ幅を抑えながら安定的なリターンを積み上げていくことを目指すのか、値動きの大きさをある程度許容した上で中長期の上昇余地を狙うのか、投資家自身のニーズやリスク許容度に応じて、複数のファンドを組み合わせて検討することが有効といえそうです。

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