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株の注文は指値と成行どっちがいい?初心者にもわかりやすい使い分け方

株の注文は指値と成行どちらがいい?

株の注文で指値と成行のどちらを使うかは、取引価格に条件を付けるかどうかで考えると整理できます。指値は買う価格の上限・売る価格の下限を指定する方法、成行は価格を指定せずに発注する方法です。

指値では注文が成立しないことがあり、成行では想定と違う価格で成立することがあります。「初心者なら必ずこちら」と決める前に、この違いを押さえることが大切です。

この記事では、国内株式の取引所取引を中心に、比較表と架空の注文例を使って、約定の仕組み、使い分け、発注前後の確認点を解説します。

1. 指値と成行の違いを比較

比較項目指値注文成行注文
価格の指定買いは上限、売りは下限を指定する価格を指定しない
約定する価格買いは指値以下、売りは指値以上注文が成立したときの価格
注文の成立価格条件と相手方の注文などによる価格条件を付けないが、相手方の注文などによる
主な利点約定価格の範囲を指定できる価格の指定による制約を受けず、指値より優先される
主な注意点未約定・一部約定になる場合がある想定と異なる価格や複数の価格で約定する場合がある

「約定(やくじょう)」とは、売買が成立することです。注文を受け付けたという表示と、約定したという表示は異なります。どちらの注文でも、発注後は成立した数量と価格の確認が必要です。

1-1. 指値注文は、指定価格だけで成立するとは限らない

例えば1,000円で買い指値を出した場合、約定する価格は1,000円以下です。1,000円でなければ買えないという意味ではありません。売り指値が1,050円なら、約定する価格は1,050円以上になります。

指値が制限するのは売買価格の範囲です。買った後の値下がりや、売れないまま価格が下がることまで防ぐ仕組みではありません。また、価格条件を満たしても、相手方の数量や注文の優先順位によっては全数量が成立しない場合があります。

出典:SMBC日興証券「指し値/指値注文」

1-2. 成行注文は、画面の現在値での売買を指定するものではない

成行注文には価格の指定がありません。通常の売買時間中のザラバでは、買い注文は低い価格の売り注文から、売り注文は高い価格の買い注文から順に成立していきます。

画面の現在値は直近に成立した売買の価格であり、次の注文の約定価格を示しているわけではありません。注文が市場に届くまでに板の状況が変わったり、相手方の数量が足りなかったりすれば、見ていた価格と異なる結果になります。

1-3. 価格優先・時間優先の基本を知る

取引所では、買い注文は価格が高いもの、売り注文は価格が低いものが優先され、成行は指値に優先します。ザラバでは同じ価格の注文は原則として先に出されたものが優先されます。

寄付きなどで行う「板寄せ」は、注文をまとめて一つの価格を決める方式です。ザラバの説明をそのまま当てはめず、取引の時間帯や執行条件も確認する必要があります。

出典:日本取引所グループ「売買成立の方法」

2. 注文例で見る約定価格と数量の違い

以下は、架空の銘柄を使ったザラバ中の例です。ほかの注文の追加・取消し、価格変動、特別気配などがない単純な条件で説明します。金額は手数料・税金を含みません。

2-1. 成行買いは、複数の価格に分かれて成立することがある

売り注文の価格売り数量
1,000円100株
1,001円200株
1,002円300株

この売り注文に対して200株の成行買いを出すと、100株が1,000円、残り100株が1,001円で成立する計算です。代金の合計は200,100円、平均の約定価格は1,000.5円になります。

最も低い売り価格が1,000円でも、200株すべてを1,000円で買えるわけではありません。板の価格だけでなく、その価格でどれだけの数量が出ているかも結果に関わります。

2-2. 買い指値では、価格を制限する代わりに未約定分が残ることがある

同じ板で200株を1,000円の指値で買う場合、ここで成立するのは1,000円の100株です。残り100株は1,001円の売り注文とは成立せず、通常の指値注文では未約定分として残ります。注文の有効期間や執行条件によって、その後の扱いは異なります。

売り注文でも考え方は同じです。例えば1,050円の売り指値は、1,049円の買い注文とは成立しません。価格条件を設けることで、注文が成立しない状態を受け入れる場合があるということです。

2-3. 指値に株価が届いても、自分の注文まで順番が回らないことがある

同じ価格で先に出された注文が多い場合、直近の約定価格が自分の指値と一致しても、自分の注文は未約定のままということがあります。

例えば、自分より先に1,000円の買い注文が500株あり、その後に自分が100株を注文したとします。この価格で成立する売り数量が300株だけなら、先行する注文に割り当てられ、自分の100株までは成立しません。

3. 初心者が使い分けを考えるときの確認点

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3-1. 買い価格の上限・売り価格の下限を決めるか

「買うなら1,000円まで」「売るなら1,050円以上」という価格条件を注文に反映するのが指値です。価格を指定しない成行とは、優先する条件が異なります。

指値を設定しても成立しなければ、そのまま待つのか、取り消すのか、条件を再検討するのかという判断が残ります。未約定になったからといって、当初の価格条件を直ちに変更する必要があるわけではありません。

3-2. 価格を指定しない場合の金額差を確認する

成行を使う場合は、価格が確定していないことを踏まえて注文数量を確認します。例えば想定より10円高い価格で100株を買えば、売買代金は1,000円増えます。売りの場合は、10円低ければ受取代金が1,000円減ります。

板は注文を出すまでの間にも変化します。出来高が多い銘柄でも、直前に見た価格で約定するとは限りません。出来高と、その時点の板にある数量も区別して見る必要があります。

3-3. 寄付き・急変時は、注文時に見た価格から離れる場合がある

取引開始前の注文は、寄付きで決まる価格に関わります。前日の終値を見て成行を出しても、その終値で約定する指定にはなりません。

決算発表などの後に注文が偏った場合は、価格が大きく動いたり、特別気配などで売買がすぐに成立しなかったりすることがあります。「急いでいるから成行なら確実」という理解は、注文方法の仕組みと異なります。

4. よくある疑問・注文ミスと確認方法

4-1. 成行なのに約定しないのはなぜ?

売買の相手となる注文が不足している場合や、特別気配が表示されている場合などは、成行でも直ちに約定しません。売買停止や注文受付の状態も確認が必要です。

発注後に結果が見えないときは、同じ注文を重ねる前に注文照会で受付・未約定・一部約定・失効などの状態を確認します。注文が残っている状態で追加すれば、想定より多い数量の取引になる場合があります。

4-2. 逆指値なら、指定した価格で売買できる?

逆指値の条件価格は、注文を発動させるための価格です。実際に売買が成立する価格とは区別します。条件に達した後に成行を出すか、指値を出すかによって、その後の仕組みが変わります。

例えば「950円以下になったら成行で売る」という設定で、次の売買価格が930円まで下がった場合、950円で売れる指定にはなっていません。成行ではその時点の注文状況に応じた価格となり、指値で発注する設定なら価格条件が合わず売れない場合があります。

逆指値を設定するだけでスリッページがなくなるわけではありません。条件判定に使う価格、発動後の注文方法、有効期間は証券会社の取り扱いを確認します。

出典:SMBC日興証券「逆指値注文とは」

4-3. 下がったら売りたいとき、通常の売り指値で設定できる?

通常の売り指値は、指定価格以上で売る条件です。例えば現在の買い気配が1,000円のときに950円の売り指値を出すと、950円への下落を待つ注文にはならず、価格条件を満たす相手がいればその時点で成立し得ます。

下落を条件に発注する逆指値とは仕組みが違います。入力欄の価格が「売買価格の条件」なのか「発注を始める条件」なのかを分けて確認します。

4-4. 注文を取り消せば、成立した取引も取り消せる?

未約定の注文の取消しと、すでに約定した売買を取り消すことは別です。取消しを依頼している間に約定する場合もあるため、取消しの操作だけで完了したと考えず、注文照会で結果を確認します。具体的な受付時間や訂正できる項目は証券会社によって異なります。

4-5. 注文前後に確認する項目

タイミング確認する内容
発注前銘柄コード、買い・売り、口座区分、株数
条件の入力時指値・成行の区別、価格の桁、有効期間、執行条件
逆指値の設定時条件価格と、発動後の注文方法・価格
発注直後受付の成否、未約定か一部約定か、残っている数量
約定・取消し後約定した数量と価格、未約定分、取消し完了の表示

一部だけ成立した場合、未約定分が残るか失効するかは注文条件によって変わります。新しい注文を出す前に、残っている注文と保有数量を確認すると、重複した発注に気づきやすくなります。

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5. まとめ:価格の条件と注文の成立を分けて考える

指値は売買価格の範囲を指定し、成行は価格を指定せずに発注します。指値には未約定になる可能性、成行には想定と異なる価格で約定する可能性があります。

どちらを使う場合も、現在値と約定価格、注文受付と売買成立は別です。価格条件、数量、有効期間を確認したうえで、発注後の結果まで確認することが、注文方法を理解して扱うための基本になります。

ファーストパートナーズでは、富裕層・資産形成層の方々に対して、ニーズに寄り添ったさまざまなサービスのご提案を行っております。

※ご相談は無料で承っておりますが、その内容により、個別の商品・銘柄・売買の方法・時期等に言及する場合があります。

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倉田 智貴

立命館大学経済学部を卒業し、大和証券に入社。約5年間、名古屋の支店にて勤務。その後、ファーストパートナーズの創業に携わり、IFAとして活動を開始。長期的な資産の最大化を目指すべく、保険商品も扱う。MDRT成績資格会員。「より長期的で再現性のある資産運用」を意識して様々な金融商品を用いてお客様に寄り添ったコンサルティングをしております。

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