※厳密には「オルカン」は特定の投資信託(eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー))の通称として広まった呼び方であり、全世界株式型の投資信託すべてを指す一般名称ではございませんが、市場では全世界株式(オール・カントリー)型の投資信託を指す略称として広く使われているため、本記事でもこの呼称を用いて解説します。

・iDeCoで全世界株式型の投資信託を選ぶと、どんな特徴があるのか知りたい
・全世界株式型1本で老後資金づくりを考えてよいのか、判断材料がほしい
・他の種類の投資信託と組み合わせるべきか迷っている
このようなお考えをお持ちの方に向けて、本記事ではiDeCo(個人型確定拠出年金)で全世界株式型のインデックスファンドを利用する場合の、制度の仕組み・メリット・注意点を整理します。
1. iDeCoと全世界株式型の投資信託の相性が良いとされる理由
iDeCoで全世界株式型の投資信託が選ばれやすい背景には、長期・分散・低コストという資産形成の基本と相性がよい点があるとされます。主な理由として、以下の3つが挙げられます。
・全世界に分散する投資信託が、長期運用・非課税という制度の特徴と合っている
・低コストの投資信託が、iDeCoの長期積立に向いている
・運用の手間を抑えられる
以下、それぞれについて整理します。
1-1. 全世界分散型の投資信託が長期運用・非課税と相性が良いとされる理由
全世界株式型の投資信託は、元本割れや価格変動のリスクが伴う点にはご留意いただく必要がありますが、世界中に分散投資できる長期・低コストの選択肢として、iDeCoの長期の資産形成制度と相性が良いとされています。
理由の一つは、世界中の株式に分散投資することで、 特定の国や企業への集中投資に比べリスクの分散が期待できるためです。金融庁もNISA制度の説明の中で、複数の資産に分散して投資することで価格変動をある程度抑え、安定的な運用を目指せるとの考え方を示しています。したがって、分散投資は長期の資産形成を検討するうえで参考になる考え方の一つと言えるでしょう。
出典:金融庁「NISA特設ウェブサイト」資産形成の基本
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/invest
例えば、「国内株式型」、「米国株式型」、「新興国株式型」など特定の地域に投資する投資信託を選ぶと、その国や地域の景気・金利・政治情勢の影響を強く受ける可能性があります。
一方、全世界株式型の投資信託であれば、1本で先進国や新興国など複数の地域の株式に投資する設計になっており、1つの国の不調だけでは資産全体が決まりにくくなります。
iDeCoは原則60歳まで引き出せず、長期保有を前提とする制度であるため、世界全体に広く投資する考え方と相性が良いと考えられます。
さらに、iDeCoでは運用期間中の運用益が非課税となるため、長期で運用するほど税制面の効果を実感しやすいでしょう。
そのため、全世界株式型の投資信託は、iDeCoの長期性と税制上の優遇を活かしやすい選択肢の一つと考えられます。
1-2. 低コストの投資信託がiDeCoの長期積立に向いている理由
iDeCoで投資信託を選ぶ際は、運用コストも重要な確認ポイントです。信託報酬などの運用コストは保有期間中継続して差し引かれるため、長期間運用するほど運用成果への影響が大きくなりやすいからです。
iDeCoは老後資金づくりに使われることが多く、10年、20年、30年といった長期運用になりやすい制度です。そのため、低コストのインデックス型投資信託(全世界株式型を含む)を候補に入れる人が多いと考えられます。
低コストの投資信託を選ぶと、運用成果から差し引かれる費用を抑えやすくなります。例えば、同じような指数への連動を目指す投資信託が複数ある場合、信託報酬が高い商品より低い商品のほうが、長期では手元に残る金額に差が生じるケースが考えられます。
短期間では小さな差に見えても、積立期間が長くなるほど影響は無視しにくくなります。
iDeCoでは運営管理機関(金融機関)によって選べる投資信託のラインアップや手数料が異なるため、商品の種類だけでなく、信託報酬や口座管理に関する手数料も確認することが重要です。
1-3. 運用の手間を抑えられる理由
全世界株式型の投資信託は、世界中のさまざまな地域や企業に分散投資できるため、投資先を自分で細かく選定・管理する手間を比較的抑えやすいとされています。 一方で、これは完全に何もしなくてよいという意味ではありません。
iDeCoは加入者自身が運用商品を選び、その配分を決める制度であり、運用状況や自分のリスク許容度は定期的に見直すことが望ましいとされます。完全に放置するのではなく、年に1回程度は点検することを心がけましょう。
例えば、20代や30代は株式型中心のリスク性の高い運用を許容しやすい人が多い一方、50代以降になると大きな下落に不安を感じるケースが考えられます。受け取り開始の時期が近づくほど、値動きの幅を抑えたいと考える人もいるでしょう。
その場合、iDeCoの仕組みの中で、全世界株式型の投資信託を保有しつつ、債券型の投資信託や元本確保型商品(定期預金・保険)への配分に見直す(スイッチングする)という選択肢もあります。
ただし、ここでいう見直しは、あくまでiDeCoの中で運用商品を預け替えることを指し、資産を現金として引き出すことではありません。iDeCoは原則60歳まで引き出せない制度であるため、短期の値動きで現金化する前提の運用には向きません。
2. iDeCoで全世界株式型の投資信託を選ぶ場合の特徴
この章では、iDeCoで全世界株式型の投資信託を選ぶ場合の主な特徴を整理します。
2-1. 1本で全世界の株式に分散できる
全世界株式型の投資信託は、1本で多くの国や企業に分散投資する設計になっているため、自分で国別・業種別に細かく配分を決めなくてもよい点が、投資の知識や時間が限られる人にも利用しやすいとされています。
例えば、iDeCoのラインアップの中から、国内株式型・先進国株式型・新興国株式型の投資信託を別々に選んで保有する場合、それぞれの配分比率を自分で考える必要があります。さらに、値動きによって配分比率が変わるため、定期的な見直しも必要になりやすいです。
一方、全世界株式型の投資信託であれば、1本の中で幅広い地域の株式市場に投資することができます。ただし、商品によって連動を目指す指数や投資先は異なるため、最新の対象国数・銘柄数は各商品の交付目論見書で確認する必要がある点には注意が必要です。
2-2. 管理が比較的シンプル
複数の投資信託を保有すると、株式型・債券型、国内・海外といった比率を自分で調整する必要がありますが、全世界株式型の投資信託を1本保有する場合は、少なくとも商品間の比率調整は不要になります。
例えば、米国株式型・国内株式型・新興国株式型・債券型といった複数の投資信託を自分で組み合わせて保有するケースでは、相場によって各投資信託の配分比率が変わることがあります。
株価が値上がりする局面では株式型の配分比率が高まり、相対的に債券型の配分比率が下がるため、その都度、配分の見直し(スイッチング)を検討する必要が生じます。
一方で、全世界株式型の投資信託1本であれば、少なくとも投資信託内の国・銘柄の分散はその商品の仕組みに任せることができます。
ただし、全世界株式型の投資信託は、ほぼ全額を株式に投資する設計です。そのため、資産全体としては値動きが大きくなりやすい点には注意が必要です。値動きの幅を抑えたい場合は、後述するように、債券型の投資信託や元本確保型商品(定期預金・保険)への配分も含めて検討すると良いでしょう。
2-3. 比較的、低コストで運用できる
iDeCoで投資信託を選ぶ際は、信託報酬の低さも重要な確認事項の一つです。
信託報酬とは、投資信託を保有している間にかかる運用管理費用です。iDeCoは長期間にわたって積み立てることが前提のため、わずかなコスト差でも将来の資産額に影響する可能性があります。
ただし、信託報酬の低さだけで判断するのは避けたほうがよいでしょう。なぜなら、同じ全世界株式型でも、連動を目指す指数、実質的なコスト、純資産総額、運用実績などが異なるケースがあるからです。
また、信託報酬が低い投資信託があっても、自分がiDeCo口座を持つ運営管理機関(銀行・証券・保険会社など)のラインアップにその商品が含まれていなければ選べません。
さらにiDeCoでは、信託報酬とは別に、加入時や口座管理に関する手数料がかかる場合もあるため、信託報酬の低さだけで判断するのではなく、商品の種類・運用実績・運営管理機関のラインアップなどを合わせて確認することが重要です。
3. iDeCoで全世界株式型の投資信託を選ぶ前に知っておきたい注意点
iDeCoで全世界株式型の投資信託を検討する際に、押さえておきたい注意点は以下の5つです。
・商品によっては「全世界株式型」でも米国市場の影響を受けやすい
・円安・円高による為替リスクがある
・短期的に大きく価格が変動することがある
・元本保証ではない
・iDeCo制度そのものの制約がある
それぞれ整理します。
3-1. 商品によっては「全世界株式型」でも米国市場の影響を受けやすい
全世界株式型の投資信託は、その名称から「世界中の国に均等に投資する」という印象を持たれがちですが、実際には完全に均等な国別配分ではありません。
代表的な全世界株式指数では、時価総額比重方式を採用しているため、時価総額の大きい国の比率が高くなりやすく、結果として米国株式の影響を強く受けることがあります。
つまり、全世界に分散していても、米国市場の動きが資産全体に大きく影響するケースが考えられます。
全世界株式型の投資信託を検討する場合は、最新の地域別構成比率を交付目論見書などで確認することが大切です。
例えば、米国株式市場が大きく上昇すれば、全世界株式型の投資信託全体にもプラスに働く可能性がありますが、米国の金利上昇、景気後退、大型IT企業の株価下落などが起きた場合は全世界株式型でもその影響を受けることがあります。
「全世界に投資しているから安全」ではなく、「世界の株式市場全体に投資しており、なかでも米国の比重が高い」と理解するほうが正確です。
3-2. 円安・円高に左右される為替リスクがある
全世界株式型のように海外資産を多く含む投資信託では、為替の影響も考える必要があります。
海外の株式に投資する場合、現地通貨建ての資産を円で評価するため、為替相場による影響を受けます。円安が進めば円換算の資産価値が押し上げられる可能性がありますが、円高が進めば逆に下がることもあります。
したがって、現地通貨ベースで株価が上がっていても、為替の影響で円ベースのリターンが伸びにくいケースも考えられます。
例えば、米株価が横ばいでも、購入時より円安が進めば円換算評価額は上がる可能性があります。反対に、米株価が上がっていても、購入時より円高が進めば円換算では思ったほど増えないケースもあります。
iDeCoは長期運用が前提のため、短期的な為替変動で一喜一憂しない姿勢が必要です。ただし、老後に円で使う資金を準備することが目的のため、円換算評価額は意識する必要があります。全世界株式型の投資信託を検討する場合は、為替リスクについても十分理解することが大切です。
3-3. 短期的に大きく価格が変動することがある
全世界株式型の投資信託は、短期的に大きく価格が変動する可能性があります。
例えば、2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大時には、3月に金融市場が大きく調整しました。全世界株式型の投資信託も、こうした世界的な株価下落局面では影響を受ける可能性が高いです。
したがって、一時的な値下がりを受け入れられるかは、自分のリスク許容度に照らし合わせて確認すべき大切なポイントです。
※日本銀行「金融システムレポート(2020年10月号)」(https://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/fsr201022.htm)を基に記述。過去のデータであり、将来の市場の動きを示すものではありません。
また、iDeCoは原則60歳まで資産を引き出せない制度です。運用開始直後に大きな下落が起きたとしても、通常の投資信託のように売却して現金化することはできません。
下落に動揺して頻繁に運用商品を預け替える(スイッチングを繰り返す)と、かえって長期投資の効果を活かしにくくなる可能性もあります。
iDeCoは長期間続ける制度であるため、一時的な下落が起こりうることを前提に、自分が受け入れられる範囲の値動きになるよう運用商品の配分を考えることが大切です。株式型中心の運用は成長を期待できる一方、相場が悪いときには大きな含み損を抱える局面もあることを理解しておきましょう。
3-4. 元本保証ではない
全世界株式型の投資信託は元本保証の商品ではありません。iDeCoの中で投資信託を選ぶ場合も、制度が元本を守ってくれるわけではありません。税制上の優遇があることと、運用で損失が出ないことは別の話なので注意しましょう。
例えば、iDeCoで毎月積み立てていても、受け取り開始の時期の直前に株価が大きく下がるケースが考えられます。その場合、長期で積み立ててきたとしても、一時的に資産額がマイナスになる可能性があります。
元本割れを避けたい気持ちが強い人は、iDeCoで投資可能な元本確保型商品(定期預金・保険)や債券型の投資信託を含めて検討すると良いでしょう。
ただし、元本確保型商品は大きなリターンを期待しにくい面もあります。どちらが正しいというより、自分のリスク許容度に照らし合わせて運用商品を選ぶことが重要です。
3-5. iDeCo制度そのものの制約がある
iDeCoには税制上の優遇がある一方で、資産を自由に引き出せないという大きな制約があります。iDeCoは老後資金づくりを目的とした制度であり、原則として60歳以降に年金または一時金として受け取る仕組みです。
また、加入時に国民年金基金連合会への手数料や、運用期間中に運営管理機関への手数料がかかります。
制度の利点だけでなく、資金が長期間拘束されることや、各種手数料を理解してから始めることが重要です。
例えば、近い将来に住宅購入や教育費などでまとまった資金が必要になる場合は、そうした資金までiDeCoに入れてしまうと、原則60歳まで引き出せないため、必要なときに使えず困るケースがあります。
iDeCoは老後の資産形成を目的とした年金制度であるため、生活防衛資金や数年以内に使う予定の資金には向きにくい制度です。毎月の家計に無理が生じるほど拠出するのは避け、余裕資金で長く続ける制度として位置づけることが大切です。
4. 全世界株式型1本でよいか|他の投資信託と組み合わせる考え方
この章では、iDeCoで全世界株式型の投資信託を1本だけで運用してよいか、それとも他の種類の投資信託や元本確保型商品と組み合わせるべきか、判断材料を以下に整理します。
4-1. 全世界株式型1本の場合
全世界株式型の投資信託1本での運用を考えている方は、管理をシンプルにしたいという意向があるのではないでしょうか。投資の知識や時間が限られる人にとって、複雑な配分は負担になる可能性があります。
iDeCoでは、途中でやめずに続けることが一つの大切な要素とされ、シンプルな設計にすることで運用を継続しやすくなる可能性があります。
例えば、毎月の掛金をすべて全世界株式型の投資信託に配分した場合、複数の投資信託の比率調整に悩む時間を抑えやすくなります。
ただし、第2章・第3章で見たとおり、全世界株式型は株式中心の運用となり、その分値動きが大きくなりやすいため、暴落局面でも積立を続けられるか、原則60歳まで引き出せない点を受け入れられるかを、事前に考えておくことが重要です。
4-2. 全世界株式型に「米国株式型」を足すと分散が広がるのか
全世界株式型に加えて、米国株式型を組み合わせることを検討する人もいます。ただし、これが「分散を広げること」になるかは慎重に考える必要があります。第3章で見たとおり、全世界株式型の投資信託にはすでに米国株式が多く含まれていることが一般的です。
そのため、米国株式型を足すと、資産全体に占める米国株式の比率がさらに高まる可能性があります。つまり、全世界への分散を広げるというより、米国への配分を上乗せする形になるケースが考えられます。
例えば、全世界株式型と米国株式型を半分ずつ配分するケースでは、見た目は2本の投資信託に分かれていても、中身は米国株式にかなり偏る可能性があります。
米国株式市場が好調なときはプラスに働きやすい一方で、不調なときは資産全体が大きく影響を受ける可能性があります。
値動きの異なる資産を加えて分散を図りたいのであれば、株式型同士を組み合わせるより、債券型の投資信託や元本確保型商品を組み合わせる考え方を検討すると良いでしょう。
米国株式型を足す場合は、「分散を広げる」というよりも「米国株式への配分を高める選択」と理解しておくことが大切です。
4-3. 債券型・バランス型の投資信託を組み合わせる場合
前述のとおり、変動幅を抑えたい方は、全世界株式型に債券型やバランス型の投資信託を組み合わせる選択肢があります。なぜなら、株式型だけに配分すると、相場下落時の資産の変動が大きくなりやすいためです。
値動きの傾向が株式と異なる債券型の投資信託や、元本確保型商品(定期預金・保険)を組み合わせることで、資産全体の値動きを抑えられる可能性があります。
ただし、リスクを抑えるほど期待できるリターンも小さくなる点には注意しておきましょう。なにより、自分が続けやすい配分を考えることが大切です。
例えば、iDeCoの掛金の70%を全世界株式型の投資信託、30%を債券型の投資信託や元本確保型商品に配分するケースだと、株式型の値動きを一部取り入れつつ、下落時の資産の変動を抑えやすくなります。
受け取り開始の時期が迫っており、よりリスクを抑えた商品に変えたい人は、iDeCoの中で運用商品の配分を見直す(スイッチングする)ことで、株式型の比率を段階的に下げる方法も検討できます。
一方、受け取り開始までまだ十分に時間がある人は、株式型の比率を高めに保つ考え方もあります。大切なのは、相場に左右されず、無理なく続けられる配分にすることです。
※上記の配分はあくまで考え方を示す例であり、特定の配分を推奨するものではありません。また、将来の運用成果を約束するものではありません。
4-4. 年齢・リスク許容度から配分を考える
iDeCoでの運用商品の配分は、年齢とリスク許容度から考えると整理しやすくなります。受け取り開始まで時間がある人ほど運用期間が長く、もし下落した場合でも、その後の回復を待つ時間を取りやすい傾向があります。
一方、受け取り開始の時期が迫っている人ほど、大きな下落から回復する時間が短くなります。長期投資とは、時間を味方につける投資手法のため、年齢によって適した配分に変えていく必要があります。
【年齢・リスク許容度から配分を考えた例】
| 年代 | 配分を考える際の整理 |
| 20〜30代 | 運用期間が長いため、株式型の投資信託を中心とした配分も選択肢になりやすい |
| 40代 | 教育費や住宅ローンとのバランスを見ながら、無理のない掛金で継続することを重視 |
| 50代以降 | 受け取り開始の時期が近づくため、スイッチングで株式型の比率を下げる選択も検討 |
| 共通 | 自分の家計と値動きへの許容度に合う配分を選び、続けやすさを重視 |
※ファーストパートナーズ作成。表中の配分の考え方は一例であり、特定の配分を推奨するものではありません。
例えば、収入が安定しており、短期の値下がりをある程度受け入れられる人は、全世界株式型の投資信託を中心とした配分を選ぶケースが考えられます。また、教育費や住宅ローンの負担が大きい時期は、無理のない掛金にすることが大切です。
受け取り開始の時期が近づいた段階では、運用商品の配分を見直し(スイッチングし)、株式型の比率を下げる選択も検討すると良いでしょう。
値動きへの許容度が低い人は、年齢にかかわらず債券型の投資信託や元本確保型商品を組み合わせたほうが続けやすい場合もあります。配分に正解はなく、自分の家計と値動きへの許容度に合わせて考えることが大切です。
5. まとめ
iDeCoは、加入者自身が掛金を拠出し、あらかじめ用意された運用商品(投資信託・元本確保型商品)の中から選んで運用し、原則60歳以降に受け取る私的年金制度です。掛金の所得控除、運用益の非課税、受取時の各種控除などの税制優遇があります。
全世界株式型の投資信託は、1本で世界中の株式に分散投資できる設計で、低コストの商品が多く、長期積立と相性が良いとされます。
一方で、「全世界」という名称でも実際には米国株式の比重が高くなりやすいこと、為替リスクがあること、短期的には大きく値下がりする局面があること、元本保証ではないことといった注意点があります。
また、iDeCoという制度自体に、原則60歳まで資産を引き出せないという大きな制約があります。値下がりが不安になっても、通常の投資信託のように売却して現金化することはできません。
運用商品を別の商品に預け替える「スイッチング」は可能ですが、これは現金として引き出すことを意味しません。この資金の拘束を受け入れられるかは、iDeCoを利用するうえで重要な前提です。
全世界株式型1本で運用するか、債券型の投資信託や元本確保型商品と組み合わせるかは、年齢・収入・家計の状況・リスク許容度によって変わります。どの運用商品をどの比率で選ぶかに正解はなく、自分のライフスタイルに合わせて考えることが大切です。
ファーストパートナーズでは、富裕層・資産形成層の方々に対して、ニーズに寄り添ったさまざまなサービスのご提案を行っております。
※ご相談は無料で承っておりますが、その内容により、個別の商品・銘柄・売買の方法・時期等に言及する場合があります。
<投資信託に関する留意事項>
投資信託は、主に国内外の株式や債券等を投資対象としています。投資信託の基準価額は、組み入れた株式や債券等の値動き、為替相場の変動等により上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
投資信託は、個別の投資信託毎にご負担いただく手数料等の費用やリスクの内容や性質が異なります。ファンド・オブ・ファンズの場合は、他のファンドを投資対象としており、投資対象ファンドにおける所定の信託報酬を含めてお客さまが実質的に負担する信託報酬を算出しております(投資対象ファンドの変更等により、変動することがあります)。
ご投資にあたっては、商品概要や目論見書(目論見書補完書面)をよくお読みください。
<iDeCoに関する留意事項>
金融商品仲介業者であるファーストパートナーズは、特定の商品への投資について指図を行うこと、または指図を行わないことを勧めるものではありません。
本コラムの内容は、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で作成したものではありません。
投資対象、投資機会の選択などの投資に係る最終決定は、お客さまご自身の判断でなさるようにお願いいたします。
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