
事業承継対策は「いずれやらなければ」と分かっていても、日々の経営に追われて後回しになりがちです。しかし、対策を先送りすると、自社株の評価額が上がって税負担が増す可能性があるほか、後継者の育成に使える時間も限られてきます。
事業承継の対策は、大きく「自社株」「後継者」「お金」の3本柱に分けて考えると整理しやすくなります。それぞれに準備の期間が必要で、着手が遅れると選べる手段が限られます。
本記事では、対策を先送りした場合に起きる問題、3本柱ごとの具体的な対策、年齢・時期別のチェックリストを整理します。なお、本記事は情報提供を目的としており、個別の税務・法務の判断は税理士などの専門家にご相談ください。
1. 事業承継対策を先送りすると起きる4つの問題
今日、70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人で、うち約半数の127万人が後継者未定と試算されています。事業承継には、後継者の育成、株式の移転、資金の準備など、時間をかけて取り組む課題があります。
経営者の年齢や健康状態にかかわらず、早めに現状を整理しておくことが大切です。後継者が決まっていない状態が続くと、次の4つの問題が起こりやすくなります。
1-1. 自社株評価が上がり続け、税負担が膨らむ
非上場株式の相続税・贈与税の評価は、原則として国税庁の定める方法で評価されます。利益を積み上げて純資産が増えるほど評価額は上がります。
経営が順調な会社ほど税負担は大きくなる構造で、評価を下げる手法(第2章)は効果が出るまで数年かかるものが多くなっています。
1-2. 後継者の育成が間に合わない
後継者が経営を担うには、実務経験、取引先や金融機関との関係づくり、社内の信頼が必要です。育成に数年かかることもあり、引退直前に着手すると十分な時間を確保できないおそれがあります。
候補者が承継を望まない場合は、別の選択肢を検討する時間も必要です。
1-3. 経営者の急な病気・死亡で事業の継続に支障が出る
対策のないまま経営者が急に不在になると、代表権や株式の帰属が定まらず、金融機関や取引先への対応が滞り、事業の継続が難しくなることもあります。
相続で株式が分散し、議決権がまとまらなくなる問題も起こります。
1-4. 承継方法を選ぶ余地が狭まる
親族内承継・従業員承継には準備期間が必要なため、準備をしないまま引退時期を迎えると、残る選択肢はM&Aか廃業になります。M&Aも整備が不十分だと条件が不利になります。
早く着手するほど、選べる選択肢は多くなります。
2. 【対策①自社株】評価額を下げる・分散させる方法
自社株対策は、「評価額を下げる」「税負担を猶予する」「議決権をまとめる」の3つに分かれます。いずれも準備に時間がかかります。
2-1. 自社株評価の仕組みと「いくらになっているか」の確認方法
非上場株式の相続税・贈与税の評価は国税庁の財産評価基本通達に基づき、会社の規模によって主に2つの方式を組み合わせて計算します。
表1:非上場株式の主な評価方式
| 方式 | 計算の考え方 | 評価額が上がる要因 |
|---|---|---|
| 類似業種比準方式 | 同業種の上場会社の株価をもとに、配当・利益・純資産の3要素で比較 | 利益や配当が多い、純資産が厚い |
| 純資産価額方式 | 資産を相続税評価額に置き換え、負債と評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いて算出 | 含み益のある不動産や有価証券を多く持つ |
※出典:国税庁「財産評価基本通達」
まず確認したいのは、現時点の自社株の評価額です。顧問税理士に依頼すれば直近の決算書をもとに試算でき、税額の概算と対策の必要性が判断できます。
2-2. 役員退職金・不動産購入などを検討する際の注意点
評価額を下げる手法は、「利益を減らす」「純資産を減らす」「純資産の評価額を下げる」のいずれかに働きかけます。役員退職金の支給や資産構成の見直しが、自社株の評価額に影響することがあります。
ただし、効果は評価方式、実行時期、会社の状況によって異なり、必ず評価額が下がるわけではありません。
表2:自社株評価を引き下げる主な手法
| 手法 | 仕組み | 注意点 |
|---|---|---|
| 役員退職金の支給 | 退職金が損金となり利益と純資産が減る | 不相当に高額な部分は損金にならない。退任の実態が必要 |
| 不動産の購入 | 購入額より相続税評価額が低くなり、純資産価額が下がる | 取得後3年以内は取得価額で評価される |
| 生命保険の活用 | 保険料の一部が損金となり利益が減る | 解約返戻金は資産として評価される。商品によって効果が異なる |
| 配当の見直し | 類似業種比準方式の配当要素が下がる | 株主との関係に配慮が必要 |
| 含み損資産の売却 | 損失計上で利益と純資産が減る | 実際の損失が発生する |
各手法には税務上の要件や会社の資金繰りへの影響があります。不自然な取引や要件を満たさない処理は、税務上認められない可能性があります。
税負担だけでなく、事業上の必要性や実際の収支も踏まえ、税理士と相談して判断してください。
2-3. 事業承継税制(納税猶予)を使える条件と注意点
法人版事業承継税制は、一定の要件を満たす後継者が非上場株式を贈与・相続等で取得した際の贈与税・相続税の納税を猶予し、一定の条件を満たし続ければ最終的に免除する制度です。特例措置では、対象株式数の上限がなく、猶予割合は100%です。
適用を受けるには、特例承継計画を都道府県に提出したうえで、2027年12月31日までに贈与・相続を実行する必要があります。特例承継計画の提出期限は、令和8年度税制改正で2027年9月30日まで延長されています。
表3:事業承継税制(特例措置)の主な条件と注意点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な条件 | 中小企業者であること。後継者が代表者で、承継後も代表者・株主であり続けること |
| 継続の要件 | 承継後5年間は、都道府県・税務署への年次報告が必要 |
| 猶予が取り消される主な場合 | 後継者が代表者を退任、株式を譲渡、会社の解散など |
| 注意点 | 取り消されると猶予税額と利子税を納付する。適用期限後の扱いは未定 |
猶予は免除ではありません。将来株式を売却する可能性がある場合や、後継者が長く経営を続ける見通しが立たない場合は、慎重な判断が必要です。
※出典:中小企業庁「法人版事業承継税制(特例措置)」
2-4. 持株会社・種類株式で議決権を集中させる
株式が複数の親族に分散すると、経営の意思決定がまとまらなくなります。後継者に議決権を集中させる仕組みとして、次の方法があります。
表4:議決権を集中させる主な方法
| 方法 | 仕組み | 選択肢になりやすい場面 |
|---|---|---|
| 持株会社の設立 | 後継者が持株会社を設立し、事業会社の株式を買い取る | 買取資金を借入で調達し、事業会社の配当で返済する |
| 種類株式(議決権制限株式) | 後継者以外の相続人には議決権のない株式を渡す | 財産は平等に分けたいが、経営権は後継者に集中させたい |
| 種類株式(拒否権付株式) | 先代が重要事項の拒否権を持つ株式を1株保有する | 承継後も先代が一定の関与を続けたい |
| 株式の買い集め | 分散している株式を会社や後継者が買い取る | すでに株式が親族や元従業員に分散している |
株式が分散してからでは、買い集めに同意を得られないこともあります。分散する前に対策しておくことが重要です。
3. 【対策②後継者】親族・従業員・第三者の3パターン別の準備
後継者の候補は親族、従業員、第三者の3パターンに分かれ、株式の渡し方、資金の手当て、準備期間が異なります。
表5:3パターンの比較
| 項目 | 親族内承継 | 従業員承継 | 第三者承継(M&A) |
|---|---|---|---|
| 株式の渡し方 | 贈与・売買・相続 | 売買が中心 | 売買(株式譲渡・事業譲渡) |
| 主な課題 | 税負担、他の相続人との公平 | 買取資金、経営者保証 | 買い手探し、企業価値の整備 |
| 準備期間の目安 | 5〜10年 | 5〜10年 | 2〜3年 |
| 先代の資金化 | 贈与なら対価なし | 売却代金を得られる | 売却代金を得られる |
3-1. 親族内承継:株の渡し方(贈与・売買・相続)の比較
親族に株式を渡す方法は3つあり、税負担と時期の確実性が異なります。
表6:株式の渡し方の比較
| 方法 | 税金 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 贈与(暦年課税) | 贈与税(基礎控除は年110万円) | 少しずつ計画的に渡せる | 株価が高いと年110万円では進まない |
| 贈与(相続時精算課税) | 贈与税(特別控除2,500万円+基礎控除年110万円、超過分は一律20%) | まとまった株式を早期に渡せる。相続時に贈与時の価額で精算 | 選択後は暦年課税に戻れない |
| 売買 | 先代に譲渡所得税 | 後継者が対価を払うため、他の相続人との公平を保ちやすい | 後継者に買取資金が必要 |
| 相続 | 相続税 | 生前の手続きが不要 | 時期を選べない。株式が分散するリスク |
贈与は株価が低いタイミングを選べることが利点で、退職金の支給で評価額が下がった直後に贈与する組み合わせがよく検討されます。
後継者以外の相続人がいる場合は、遺留分(相続人に最低限保障される取り分)への配慮も必要です。他の資産で調整する、遺言を作成するといった準備が求められます。
3-2. 従業員承継:買取資金の調達と経営者保証の引き継ぎ
役員や社員に承継する場合、最大の課題は買取資金と経営者保証の2つです。買取資金の対処法は次のとおりです。
・金融機関からの借入:後継者個人または持株会社が借り入れ、報酬や配当で返済する
・段階的な売買:数年に分けて株式を売却し、1回あたりの負担を減らす
・役員退職金の支給で株価を下げる:第2章の手法で評価額を下げてから売却する
・一部を贈与する:親族でなくても贈与は可能。事業承継税制は親族外の後継者にも適用できる
経営者保証については、先代の個人保証を後継者が引き継ぐことが、承継を断る理由になることがあります。
2020年4月から運用が始まった「経営者保証に関するガイドライン」の特則では、先代と後継者の双方から保証を求める「二重徴求」を原則禁止とし、後継者に保証を求めない対応を金融機関に求めています。
※出典:金融庁「事業承継時に焦点を当てた『経営者保証に関するガイドライン』の特則の公表について」
保証を外すには、会社と個人の資産の分離、財務基盤の強化、金融機関への情報開示が必要です。承継の数年前から条件を整えておくことが後継者の負担を減らします。
3-3. 第三者承継(M&A):準備に必要な期間と企業価値を高める整備
親族にも従業員にも後継者がいない場合、第三者への譲渡が選択肢になります。準備を含めて2〜3年を見ておくのが一つの目安です。
買い手は、財務の透明性と事業の継続性を重視します。次の整備を進めておくと、条件面の交渉がしやすくなります。
表7:M&Aに向けた企業価値の整備
| 整備項目 | 内容 |
|---|---|
| 財務の透明化 | 会社と経営者個人の資産・取引の分離。簿外債務や不明な資産の整理 |
| 株式の整理 | 分散した株式の集約。名義株(名義と実際の所有者が異なる株式)の解消 |
| 属人性の解消 | 経営者しか知らない業務や取引先との関係を、組織として引き継げる形にする |
| 契約関係の整理 | 取引先との契約書の整備。経営者交代時の解除条項(チェンジ・オブ・コントロール条項)の確認 |
| 事業の見える化 | 収益構造、主要顧客、強みを説明できる資料の作成 |
相談先には、各都道府県の事業承継・引継ぎ支援センター、M&A仲介会社、金融機関などがあります。仲介会社やFA(ファイナンシャル・アドバイザー)を使う場合は、手数料の算定基準・最低額・支払時期、業務の範囲、利益相反への対応、専任条項や契約終了後の手数料条件を確認しましょう。
仲介とFAでは支援する立場も異なるため、契約前に説明を受けることが大切です。
株式譲渡では、会社の株主が変わり、原則として会社の資産・負債や契約関係は会社に残ります。一方、事業譲渡では、対象となる事業の資産や契約等を個別に移転し、契約先の同意や許認可の再取得等が必要になる場合があります。
譲渡代金を誰が受け取るか、税負担、従業員の雇用、経営者保証の解除条件も異なるため、譲渡方式を決める段階で確認しましょう。
最終契約前には、買い手の資金調達や事業継続の方針、表明保証・補償条項、譲渡後の引き継ぎ条件を確認しましょう。特に経営者保証は、買い手との約束だけで解除されるものではありません。
保証先の金融機関と事前に協議し、解除・移行の条件や実施時期を確認することが重要です。
4. 【対策③お金】経営者自身の引退後資金と個人資産の整理
経営者自身の引退後の生活資金と、相続時の納税資金が確保できていなければ、承継は完結しません。3つ目の柱は、経営者個人のお金の整理です。
4-1. 役員退職金の設計と税務
役員退職金は、自社株の評価を下げる効果があると同時に、経営者の引退後資金の中心になります。税務上も、給与とは異なる優遇された計算方法が適用されます。
表8:退職金にかかる税金の仕組み
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 退職所得控除 | 勤続20年以下:40万円×勤続年数(最低80万円)。20年超:800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
| 課税対象 | (退職金-退職所得控除)×1/2 |
| 課税方法 | 他の所得と分けて課税(分離課税) |
※出典:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」
たとえば在任30年なら退職所得控除は1,500万円で、これを差し引いた額の半分が課税対象です。
会社側では、不相当に高額な部分は損金として認められません。実務では「最終報酬月額×在任年数×功績倍率」で目安を計算することが多くなっています。
退任後も実質的に経営に関与し続けると、退職の実態がないとして否認されることがあります。支給額と退任後の関与の仕方は、税理士と相談して決めましょう。
4-2. 生命保険を使った納税資金・代償分割の準備
相続時には自社株や不動産が資産の大半を占め、納税に使える現金が不足することがよくあります。生命保険はその準備手段として使われます。
表9:生命保険の活用場面
| 目的 | 仕組み | ポイント |
|---|---|---|
| 納税資金の確保 | 経営者を被保険者、後継者を受取人にする | 死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」まで相続税が非課税 |
| 代償分割の資金 | 後継者が保険金を受け取り、他の相続人に代償金を払う | 後継者が株式を、他の相続人が現金を受け取る形で公平を保つ |
| 会社の資金繰り | 会社を受取人にし、経営者死亡時の運転資金や退職金原資にする | 保険料の損金算入の可否は商品によって異なる |
※出典:国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
代償分割とは、特定の相続人が財産を取得する代わりに、他の相続人に金銭を支払う分け方です。自社株を後継者に集中させながら、他の相続人の取り分を現金で調整できます。
保険金は受取人固有の財産のため、代償金の原資として使いやすい特徴があります。受取人を誰にするかで税金の種類と使い道が変わるため、目的に合わせて設計してください。
4-3. 自社株に偏った個人資産の分散
経営者の個人資産は自社株が大半を占めていることが多く、業績悪化で同時に目減りする、換金しにくい、相続時に分割しにくいというリスクを抱えています。
表10:個人資産の分散の考え方
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 現預金・金融資産の比率を上げる | 役員報酬や退職金の一部を、自社株以外の資産で持つ |
| 不動産の位置づけを整理する | 事業用不動産は会社に集約するか、個人で持ち続けるかを決める |
| 換金性の高い資産を確保する | 相続時の納税と、引退後の生活費に充てられる資産を分けておく |
| 資産の一覧を作る | 自社株、不動産、金融資産、保険、借入・保証を一覧化し、家族と共有する |
まず取り組みたいのは、資産の一覧を作ることです。自社株が全体の何割を占めるかが分かれば、分散の必要性と、相続時に誰に何を渡すかが見えてきます。
資産全体の配分や承継後の資産運用については、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などの相談先もあります。ファーストパートナーズでも、お客様ご自身がご判断いただくための情報提供として、経営者の方の資産全体についてのご相談を承っています。
5. 年齢・時期別の事業承継チェックリスト
3本柱をいつ何をやるかの時系列に並べ直します。承継を70歳前後と仮定した目安で、実際の状況に合わせて前後させてください。
表11:時期別にやることの全体像
| 時期 | 自社株 | 後継者 | お金 |
|---|---|---|---|
| 10年前 | 評価額の把握 | 候補の決定と意思確認 | 個人資産の一覧化 |
| 5年前 | 評価引き下げ・議決権集中の実行 | 育成と権限移譲 | 退職金・保険の設計 |
| 1〜2年前 | 株式移転の実行 | 関係者への説明と引継ぎ | 納税資金の確認 |
5-1. 10年前:現状把握と後継者候補の決定
現状を数字で把握し、方向性を決める時期です。
・自社株の評価額を税理士に試算してもらったか
・株主構成を確認し、分散や名義株の有無を把握したか
・承継の候補を検討し、親族の場合は本人の意思を確認したか
・経営者個人の資産・負債・保証を一覧化したか
・承継の目標時期を決め、家族と共有したか
候補者の意思確認は、この段階で済ませておくことが重要です。親族が承継を望まない場合、従業員承継やM&Aに切り替えるための時間が必要になります。
5-2. 5年前:自社株対策・後継者育成の実行
第2章から第4章の対策を実行に移す段階です。効果が出るまで時間がかかる手法は、遅くともここで着手します。
・自社株の評価引き下げ策を実行に移したか
・議決権を集中させる方法を決めたか
・事業承継税制を使う場合、特例承継計画の作成に着手したか
・後継者に役員や責任者の立場を与え、経営判断を経験させているか
・経営者保証の解除に向けて、会社と個人の資産分離や財務改善を進めているか
・役員退職金の設計と、納税資金のための生命保険を検討したか
・M&Aを選ぶ場合、財務の透明化や属人性の解消に着手したか
後継者育成は、権限を段階的に移すことがポイントです。経営者が意思決定をすべて握ったままでは、後継者は経験を積めません。
5-3. 1〜2年前:株式移転・関係者への説明・引継ぎ
株式を実際に移し、社内外に承継を伝え、経営者が退く準備を整える段階です。
・株式の移転方法を確定し、実行したか
・事業承継税制を使う場合、認定手続きと年次報告の体制を整えたか
・遺言の作成など、他の相続人との関係を整理したか
・従業員、取引先、金融機関に承継の時期と後継者を説明したか
・経営者保証の解除または後継者への引継ぎ条件を金融機関と合意したか
・役員退職金の支給と、退任後に先代がどう関わるかを決めたか
・相続が発生した場合の納税資金が確保できているか確認したか
関係者への説明は、順番と時期が大切です。
6. まとめ
事業承継対策は、「自社株」「後継者」「お金」の3本柱に分けて考えると、何から始めるべきかが見えてきます。
表12:3本柱の要点
| 柱 | 最初にやること | 主な対策 |
|---|---|---|
| 自社株 | 評価額を試算する | 評価引き下げ、事業承継税制、議決権の集中 |
| 後継者 | 候補を決め、意思を確認する | 株式の渡し方の選択、育成と権限移譲、経営者保証の整理 |
| お金 | 個人資産を一覧化する | 役員退職金の設計、生命保険、資産の分散 |
後継者育成や株式・資金の整理には時間がかかるため、早めに着手することが大切です。準備に必要な期間は状況によって異なり、すでに引退時期が近い場合も、今できる対策から取り組みましょう。
最初の一歩として、次の3つに取り組んでみてください。
1. 自社株の評価額を、税理士に試算してもらう
2. 後継者の候補について、本人の意思を確認する
3. 自社株、不動産、金融資産、保険、借入・保証を一覧にする
この3つが揃えば、税負担の規模、承継のパターン、資金の過不足が見えてきます。そのうえで専門家と相談しながら、自社に合った計画を作っていくことが、事業承継を成功させる土台になります。
ファーストパートナーズでは、富裕層・資産形成層の方々に対して、ニーズに寄り添ったさまざまなサービスのご提案を行っております。
※ご相談は無料で承っておりますが、その内容により、個別の商品・銘柄・売買の方法・時期等に言及する場合があります。
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