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2026年2月と3月の米ドル建既発債 人気ランキングと今後の見通し

(画像=SBI証券)

この記事は2026年4月9日にSBI証券で公開された「2026年2月と3月の米ドル建既発債 人気ランキングと今後の見通し」を転載したものです。
掲載記事:2026年2月と3月の米ドル建既発債 人気ランキングと今後の見通し

2026年2月と3月の米ドル建債券(既発債)の人気ランキング

■いま買われている米ドル建債券

債券投資家にとって、売買ランキングの変化は投資家動向を探る手がかりになり、今後の銘柄選びを考えるうえでの参考になります。そこで、下記リンク先に掲載されている前月分の米国国債と米ドル建債券(既発債)の人気ランキングから、2026年2月と3月の変化を探ってみました。

▶ いま買われている米ドル建債券(既発債)

銘柄選びのポイントと米ドル建債券の人気ランキング

■米国国債(既発債)の人気ランキング

先月掲載されていた米国国債(既発債)の2月の人気ランキングと現在掲載されている3月のランキングを比較すると、分かりやすい違いがあります(図表1)。

2月は、2027年の短期債と、2035年債の長期債や2050年代の超長期のストリップス債(ゼロクーポン債)が並んでいます。ランキングから個別のお客様の正確な投資行動は分かりませんが、短期債と超長期債を両方購入していたとすると、短期債と長期債を保有する、いわゆるバーベル型の構成でした。

この仮定を前提とすると、2月の段階では将来的な金利低下予想を前提に、「長期債の価格上昇を取りに行く」動きが強かったことが推察されます。特に超長期のストリップス債は一般的に金利低下時の値上がりが大きくなるため、インフレ率の低下が期待される局面で選好されやすい銘柄です。

ところが3月になると、ランキングには2027年のストリップス債のような短期ゾーンも残りつつ、2036年の利付債や2056年の4.75%の利付債など、長期の利付債が増え、2040年代〜2050年代に償還する銘柄に幅広く分散される形に変わりました。これは、米国・イスラエルの対イラン戦争の結果、原油価格の急騰によってインフレ懸念が高まり、米国の政策金利の低下期待が後退したことが影響していると考えられます。「インフレ率の再上昇のリスクもある」と投資家の多くが考え始めた結果、ストリップス債一辺倒ではなく、利金収入を得ながらリスク分散を図る構成へと変化したと考えられる点が最大のポイントです。

■米ドル建社債(既発債)の人気ランキング

次に米ドル建社債(既発債)の人気ランキングを見ると、こちらも同様に投資家心理の変化が表れていると言えます(図表2)。2月は日本たばこ産業や三菱商事、中国電力などの相対的に利率が高い銘柄に加え、メタ・プラットフォームズのような2050年代償還の超長期債が上位に入っていました。これは「信用スプレッド(発行体の上乗せ金利)」と「長期金利低下による価格上昇」の両方を取りに行く、やや積極的な戦略と考えられます。このような投資行動は、インフレが落ち着き、将来の金利低下が見込めるという前提があってこそ成立する投資行動でした。

しかし3月になると、メタ・プラットフォームズのような超長期債は姿を消し、代わりに武田薬品工業などを含む中長期債(おおむね8〜18年)が中心となります。注目すべきは、共通している銘柄でみると利回り自体はむしろ上昇している点です。こういった銘柄が購入されていた背景には、「金利がすぐに下がるとは限らないが、高い利回りは確保したい」という現実的なスタンスへの変化が見て取れます。つまり、残存期間の長い銘柄は避けつつも、利金収入を重視する投資家が多かったといえそうです。

図表1 米国国債(既発債)の人気ランキング(2026年2月と3月の比較)

図表1 米国国債(既発債)の人気ランキング(2026年2月と3月の比較)

(画像=SBI証券)

図表2 米ドル建社債(既発債)の人気ランキング(2026年2月と3月の比較)

図表2 米ドル建社債(既発債)の人気ランキング(2026年2月と3月の比較)

(画像=SBI証券)

今後の見通しと投資アイデア

■4月上旬の状況から考えるなら

4月に入っても、トランプ大統領のSNSでの発言に、商品・金融市場が振り回される状況が続いています。米国・イスラエルの対イラン戦争の行方はチキンレースの様相を呈していて、どういう形で収束するかは分かりません。仮に解決しても、地政学リスクや政策動向など不確実性の高い要因は多く、相場を動かす材料には事欠きません。

こうした流れを踏まえて4月以降に有効と考えられる投資アイデアとしては、「短すぎず長すぎない中期ゾーンを中心に、利金収入を重視しつつ分散投資とする」ことが一案として考えられます。背景には、インフレが低下するという確信が崩れ、「上にも下にも振れる不安定な状態」が続いていることがあります。この環境では、超長期債に偏ると、長期金利の上昇による価格下落の影響を受けやすくなります。一方で短期債だけに偏ると、将来利下げが再開した際の値上がり益を取り逃す可能性があります。そのため、5年〜10年程度の中期債を軸に据え、1〜3年の短期債で流動性と再投資余力を確保しつつ、20年以上の長期債を一部組み入れて景気悪化時のヘッジとするバランスを意識した構成も選択肢の一つと考えられます。特に社債では5%前後の利率の投資適格債が魅力的で、金利が高止まりする局面でも外貨ベースでの安定した収益源となります。3月のランキングの変化はすでにこの方向性が表れており、債券投資家が「不確実性に対応するポートフォリオ」に移行していると考えられるでしょう。

■まとめ

・3月は超長期債を避けつつも、利金収入重視へシフト

・4月以降も不確実性が高く、バランス型投資が関心を集める可能性

・5%前後の利率の米ドル建社債は、金利が高止まりする局面でも外貨ベースでの安定した収益源となる

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