資産運用

初級- 無理をしないバーゲンハンティングの考え方

初級- 無理をしないバーゲンハンティングの考え方

(画像=SBI証券)

この記事は2026年4月2日にSBI証券で公開された「初級- 無理をしないバーゲンハンティングの考え方」を転載したものです。
掲載記事:初級- 無理をしないバーゲンハンティングの考え方

「ミスター・マーケット」は毎日やってくる

■「ミスター・マーケット」

ウォーレン・バフェット氏が投資の考え方の基本にしていたとされるベンジャミン・グレアム氏が、著書「賢明なる投資家」の中で株式市場を擬人化して説明しているのが「ミスター・マーケット」です。このミスター・マーケットは、日経平均株価が急騰して6万円に迫ろうかという時も、2026年2月28日に米・イスラエルの対イラン戦争が始まった次の取引日にも、「こちらの株は現在○○円でございます」と様々な銘柄の取引価格を私たちに提示します(図表1)。

私たちは、その価格で買うことも買わないこともできるので、「今は要らない」と言えば、ミスター・マーケットは「かしこまりました」と何事もなかったかのように帰っていきます。そして、その次の日も現れて「△△株は、今日は□□円でございます」と提示してきます。

■株価収益率と株価

株価を一株当たり純利益で割ったものが株価収益率(PER)となります。式で表すと株価=一株当たり純利益×PERなのですが、一般論で言えば、同一銘柄で一株当たり純利益の予想が同じでも、高い価格でも買いたいという方が多いときはPERが上がって株価が上がります。逆に、現在の価格で買いたいという方が減れば、PERが下がって株価が下がります。このように株価はその企業の収益見通しだけではなく、その銘柄に投資したいと思う方が多いかどうかという需給によっても大きく動きます。

■後で振り返ると「もったいない」と思うことも
江戸時代の相場師・牛田権三郎氏が「野も山も、皆いちめんに弱気なら、あほうになって米をかうべし」という趣旨の言葉を著書「三猿金泉秘録」に残しています。他の市場参加者が弱気になっている時に投資するのは、自らも同じように不安を抱えている状況にあるので、心理的なハードルは低くありません。しかしながら、ここ数年を振り返っても、市場が平時に戻ってから「もったいなかった」と考えてしまうのも自然なことです。

そこで、「ちょっと勇気を出してみようかな」という時に利用できる、無理をしないバーゲンハンティングの実践法を考えてみましょう。

図表1 ミスター・マーケットは毎日やって来る

図表1 ミスター・マーケットは毎日やって来る

(画像=SBI証券)

無理をしないバーゲンハンティングの考え方

■バーゲンハンティング

超大国の指導者が「大きな島が欲しい」「石油が欲しい」と収奪者のように見える現状は、従来の常識が音を立てて壊れ、帝国主義の時代に100年近く逆戻りしたような状況といえます。このため「以前より安くなったから買う」という発想で株式投資を行うと、想定外のイベントが連続して大きな損失を被る可能性が高くなってしまいます。この時に役立つのが、「無理をしないバーゲンハンティング」という考え方です。

バーゲンハンティングとは、本来の価値より割安になった資産を見つけて投資する手法ですが、「なぜ安くなっているのか」という原因を確認する作業が不可欠です。一時的な市場の過剰反応による下落なのか、成長性や収益力に問題が生じているのかで、その後のリターンは大きく変わってきます。

■資金管理

「無理をしない」という点において、資金管理が最も重要な要素となります。まず、急落の原因となっている事態が落ち着くまでの期間の生活資金と大きな臨時出費を確保したうえで、あくまで余裕資金の範囲内で投資を行うことが基本です。ただし、過去の相場ショックが数カ月から半年程度で底を打っていたケースがあったとしても、現在進行中の市場の混乱が同様の期間で沈静化するとは限りません。

例えば、イラン戦争の場合には、米国とイスラエルの地上侵攻が現実のものとなり、イランが全土で徹底抗戦し、湾岸諸国のインフラを可能な限り破壊すれば最悪シナリオとなりえます。この場合、原油、天然ガス、アルミニウム、肥料など中東諸国での生産が多い物資の供給が回復するまでに、数年単位の時間がかかる可能性があります(大規模プラントの再設計、資材調達、工期などを想定すれば長期にわたる復興となります)。

■投資タイミングの分散

投資タイミングを分ける工夫も無理をしないために重要です。このところ、トランプ大統領の気分次第の発言に振り回されて、金融・商品市場は急騰・急落を繰り返しています。このため、通常でも困難な相場の底を見極める難易度がさらに高まっています。そこで、「二度に買うべし」という投資格言をさらに工夫し、投資予定金額を三回に分けて購入する、「三度に買うべし」を実践するといった方法で、投資タイミングを分散することで、価格変動の影響を和らげるとともに、投資に伴う心理的なストレスの軽減にもつながります。

■長い時間軸で投資

相場の急落時には短期リバウンドを狙って下落率の大きい銘柄に投資する手法もありますが、無理をしないバーゲンハンティングでは、短期的な値動きに振り回されない姿勢が効果的です。市場は常に変動しますが、株価は長期的には企業の成長に連動する傾向があります。割安と判断して購入した銘柄については、数カ月から数年といった長期の時間軸で保有する前提を持つことで、短期の値動きを気に病むことなく投資を継続することができるでしょう。

長期シナリオで投資する

■市場そのものはなくならない?

もっとも変わらないと考えられるものは、長期的な世界各国の経済活動です。過去に、エネルギー不足やコモディティ価格の高騰があって一時的に経済活動がスローダウンしたとしても、結局は過去の石油危機を克服してきたように、世界経済は動き続けるものと思われます。この観点で考えるなら、株価指数(インデックス)に連動する商品に投資することは、無理をしないバーゲンハンティングに適した投資対象の一つと考えられます。

国内株であれば日経平均株価やTOPIX、米国株であればS&P 500やNASDAQ100、全世界の株式であればMSCIオール・カントリー・ワールド指数といった株価指数は、倒産リスクが幅広い銘柄に分散されているので、個別銘柄に投資するよりも手間をかけることなく、相場全体の戻りをじっくり構えて待つストレスが少ないといえます。ただし、個別銘柄に比べて投資対象が分散されているために下落の程度が一般に少なくなり、結果としてバーゲンの程度も少なくなります。

■人口動態で期待できそうな国のETFに投資する

世界的に株価が下落しているなら、この機会に長期的に有望と思われる国への投資を増やすことも効果的なバーゲンハンティングといえます。

米国は産油国でもあり、市場規模も大きいので世界情勢が落ち着けば相対的に回復するスピードが早い可能性があります。また、米国以外の投資対象を検討するのであれば、上記レポートで人口動態が追い風になっているイギリス、オーストラリア、サウジアラビア、インド、メキシコ、インドネシアなどへの投資が考えられます。SBI証券で取引可能な銘柄の例が図表2で、株価指数に連動するETFと該当するETFが無い場合は主要なADRを例示しています。

■個別銘柄を長期シナリオで探す

今回の米・イスラエルの対イラン戦争でも業績への影響が少ない、あるいは逆に、重要性が一層高まったものがあります。これらは、不可避の環境変化に起因していたり、国の重点政策として多額の予算が付く方針が示されていたりして、市況の影響を受けにくい分野と考えられます。具体的には下記のようなテーマに関係する銘柄の中から投資対象を選べば、長期的に成功するバーゲンハンティングとなる可能性が増すと思われます。

注目したい長期シナリオと関連企業の例

地球温暖化と風水害対策:空調、治水・土木、下水道・橋梁補修

防衛:造船、航空宇宙、サイバーセキュリティ、レーダー、ミサイル、軍事ドローン

国産太陽電池:ペロブスカイト太陽電池、ヨウ素

レアアース:都市鉱山、省資源化、南鳥島

アラスカ原油パイプライン:アラスカに油田を保有する米国石油メジャー、総合商社

原油依存減:HV・EV、パワー半導体、大容量全固体電池、アンモニア、小型モジュール炉(原子力)

世界的な人口爆発:種苗、肥料、農薬、穀物メジャー

なお、個別銘柄のスクリーニングに当たっては、関連分野の売上や営業利益の構成比、国内外の同業他社に比べた競争優位、次期以降の企業全体の業績見通し、時価総額、割高・割安の判断、企業固有のリスク、直近の値動き(需給)、大株主の動向(アクティビストを含む)などを精査する必要があります。

■まとめ

無理をしないバーゲンハンティングとは、「安さ」に飛びつくのではなく、「自分の許容範囲」で「長期シナリオが納得できる投資対象」への投資です。実行する際には、以下のポイントを念頭に置くとよいと考えられます。

・やらなくても良い ⇔ 無理をしない

・資金管理、投資タイミングの分散と長い時間軸

・人口動態で期待できそうな国へのETF投資も一案

・長期テーマでの個別株投資は、スクリーニングが重要

図表2 人口動態から見たバーゲンハンティング投資候補(例)

図表2 人口動態から見たバーゲンハンティング投資候補(例)

(画像=SBI証券)

図表3 ドイマサの投資レシピ 無理をしないバーゲンハンティングの考え方

図表3 ドイマサの投資レシピ 無理をしないバーゲンハンティングの考え方

(画像=SBI証券)

⚠免責事項・注意事項
・レポートおよびコラムの配信は、状況により遅延や中止、または中断させていただくことがございます。あらかじめご了承ください。

・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても株式会社ファーストパートナーズ及び株式会社SBI証券(情報発信元を含む)は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
重要な開示事項(利益相反関係等)について
投資情報の免責事項

【手数料等及びリスク情報について】
SBI証券で取り扱っている商品等へのご投資には、商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります(信用取引、先物・オプション取引、商品先物取引、外国為替保証金取引、取引所CFD(くりっく株365)では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります)。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。
SBI証券

2024年7月時点でグループ全体の口座開設数1300万を突破した、国内口座開設数NO.1の国内最大手ネット証券会社。「ゼロ革命」と銘打った格安の手数料、お得なポイント制度、豊富な商品ラインナップを武器に2025年のオリコン顧客満足度ネット証券1位を獲得。

資産・不動産・M&Aまで対応

無料個別相談

最新トレンド情報を会員限定で発信

無料メルマガ登録