
(画像=SBI証券)
| この記事は2026年6月22日にSBI証券で公開された「オルカンだけじゃない 金利1%時代 10年で評価された5ツ星ファンドの特徴」を転載したものです。 掲載記事:オルカンだけじゃない 金利1%時代 10年で評価された5ツ星ファンドの特徴 |
10年実績で見るファンドの評価軸
6月の日銀金融政策決定会合では、政策金利が0.25%ポイント引き上げられ、約30年ぶりとなる1%程度の水準となりました。政策金利が1%となることで、預金金利の引き上げなどを背景に、預金や個人向け国債など元本の安定性を重視した資産でも、これまでと比べて一定のリターンが期待できる環境となりつつあります。
一方で、株式や投資信託などのリスク資産においても、投資対象や運用スタイルによるパフォーマンスの差がこれまで以上に意識される局面となっています。
こうした環境下では、投資判断の参考となる客観的な指標がより重要になります。その一つが、リターンやリスクなどの運用実績をもとに評価されるファンドレーティング(格付け)です。
前回は、4ツ星から5ツ星へ格上げされたファンドに注目しました。
NISAではオルカン(全世界株式)やS&P500連動ファンドが人気を集めていますが、10年実績で評価された5ツ星ファンドを見ると、それ以外にもさまざまな投資スタイルが存在します。
そこで今回は、2026年5月末時点で10年実績を有する5ツ星ファンドの中から、リターン上位およびシャープレシオ上位のファンドを取り上げ、その特徴を見ていきます。
なお、前回のコラムや動画でもファンドレーティングについて解説していますので、あわせてご参照ください。
オルカンは4ツ星、5ツ星へ格上げされたファンドの共通点とは?(6/15)
【投資信託 Q&A】1年・3年・5年・10年どの成績を信じるべき?【ファンドアナリスト川上が伝える これからの投資信託との付き合い方】 (6/16)
(YouTubeチャンネルに遷移します)
図表1 NISAで買える 5ツ星 10年リターン上位ファンド

※ウエルスアドバイザーのデータをもとにSBI証券作成(2026年5月末基準)
※SBI証券で購入可能なNISA・成長投資枠対象で運用期間10年以上のファンドを10年リターン順に表示
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
(画像=SBI証券)
図表2 NISAで買える 5ツ星 10年シャープレシオ上位ファンド

※ウエルスアドバイザーのデータをもとにSBI証券作成(2026年5月末基準)
※SBI証券で購入可能なNISA・成長投資枠対象で運用期間10年以上のファンドを10年シャープレシオ順に表示
※網掛けは10年リターン上位の重複ファンド
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
(画像=SBI証券)
10年で評価された5ツ星ファンドの特徴
10年リターン1位の野村 世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)は、各国・地域のマクロ投資環境見通しを考慮しつつ、技術力、価格決定力、利益構造、財務内容などの観点からファンダメンタルズ分析を行い、半導体関連企業の組入銘柄を決定しているファンドです。組入上位銘柄は、エヌビディア、ブロードコム、台湾セミコンダクター(TSMC)、ASMLホールディング、マイクロン・テクノロジーなどで、組入銘柄数は26銘柄です(※)。エヌビディア、ブロードコム、TSMCの組入比率が高いのが特徴で、値動きの振れ幅を示す標準偏差(リスク)は大きいものの、1年・3年・5年・10年の各期間で高いリターンを獲得しています。その結果、10年シャープレシオ(運用効率)でも1位となっています。
2位の情報エレクトロニクスファンドは、電気機器や精密機器などのエレクトロニクス関連企業に加え、情報サービスや通信などの情報通信関連企業の株式を主要投資対象とするファンドです。組入上位銘柄は、村田製作所、東京エレクトロン、住友電気工業、フジクラ、ソフトバンクグループなどで、組入銘柄数は50銘柄となっています(※)。テクノロジー株を中心としたポートフォリオのため、国内株式ファンドの中では価格変動が大きくなる傾向がありますが、高いリターンを背景に、10年シャープレシオでも4位にランクインしています。
3位の野村クラウド関連株式投信Aコース(為替ヘッジあり)は、世界のクラウド関連企業の株式に投資するファンドです。クラウドとは、インターネットを通じてさまざまなITサービスを提供する仕組みを指します。組入上位銘柄は、サンディスク、マイクロンテクノロジー、エヌビディア、サムスン電子、SKハイニクスなどで、組入銘柄数は52銘柄です(※)。10年リターンでは、為替ヘッジなしのBコース(野村クラウド関連株式投信Bコース(為替ヘッジなし))がAコースを上回っていますが、レーティングはBコースが4ツ星にとどまっています。これは、為替ヘッジの有無によってカテゴリーが異なるため、単純な比較では評価が一致しない点を示しています。
4位の小型ブルーチップオープンは、中小型株を投資対象として、中長期的視点に立った成長性に焦点を当て、バリュエーションを勘案して銘柄を選択しているファンドです。組入上位銘柄は、太陽誘電、古河電気工業、NGK、大成建設、住友不動産などで、組入銘柄数は89銘柄です(※)。小型ブルーチップ(優良株)という名称ですが、実際には中型株を中心に、成長株と割安株の双方をバランスよく組み入れている点が特徴的なファンドといえます。
5位の三菱UFJ 日本株オープン「35」は、企業の成長性に着目して厳選した35銘柄程度に投資しているファンドです。組入上位銘柄は、イビデン、宇宙ごみの除去事業を手掛けるアストロスケールホールディングス、三菱UFJフィナンシャル・グループ、小型衛星開発のSynspective、古河電気工業などで、組入銘柄数は42銘柄です(※)。比較的集中投資を行いながら、ユニークな中小型株にも投資している点が特徴です。
6位のiシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンドは、S&P500指数(配当込み、円換算ベース)に連動する運用成果を目指すファンドです。NISAでも人気の代表的なインデックスファンドでありながら、分散投資と低コストによる運用効率の高さを背景に、長期で安定したパフォーマンスを示し、5ツ星の好成績ファンドとなっています。また、10年シャープレシオでも6位にランクインしており、リターンだけでなく運用効率の面でも評価されているのが特徴です。なお、S&P500インデックスファンドで10年実績があるファンドはこのファンドに限られています。
7位のファンド“メガ・テック”は、今後の高い成長が期待できる産業を選定し、その中から技術力に優れ、競争優位を有する企業に投資するファンドです。組入上位銘柄は、ソニーグループ、東京エレクトロン、日立製作所、三菱電機、スカパーJSATなどで、組入銘柄数は60銘柄です(※)。AIやデジタル化の進展による恩恵が期待される企業を中心に組み入れており、国内テクノロジー株への積極的な投資スタイルが特徴です。
続いてシャープレシオ2位のニュー配当利回り株オープン(愛称:配当物語)は、予想配当利回りが市場平均と比較して高いと判断される銘柄を中心に投資しているファンドです。組入上位銘柄は、三菱UFJフィナンシャル・グループ、村田製作所、三井住友フィナンシャルグループ、トヨタ自動車、東京エレクトロンなどで、組入銘柄数は67銘柄、予想配当利回りは2.63%となっています(※)。高配当株を中心としたポートフォリオにより比較的安定した収益を確保しつつ、価格変動を抑えた運用が行われており、その結果としてリスクを抑えながら相対的に高いリターンを実現している点が特徴といえます。
3位のiシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)は、金現物市場を代表する指標に連動する運用成果を目指す、いわゆる金(ゴールド)ファンドです。金ファンドでは5ツ星で10年実績を有するファンドは本ファンドに限られます。株式とは異なる値動きをする資産として分散投資の役割を担うほか、近年はインフレや地政学リスクへの備えとしても注目を集めています。その結果、リターンとリスクのバランスが評価され、10年シャープレシオでも上位にランクインしています。
5位の三井住友・配当フォーカスオープンは、配当に着目し、中長期的な株価の上昇と配当収入による成長を目指すファンドです。組入上位銘柄は、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ジェイテクト、三井住友トラストグループ、住友電気工業などで、組入銘柄数は100銘柄、予想配当利回りは3.7%です(※)。高配当株を中心とした分散投資により、安定したインカム収益の確保とリスク抑制が図られている点が特徴です。
7位のOne割安日本株ファンド(年1回決算型)は、日本の割安株へ投資し、株価のバリュエーションに着目しつつ、それぞれの企業のファンダメンタルズ等も勘案して運用を行うファンドです。組入上位銘柄は、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、豊田通商、住友電気工業、日本特殊陶業などで、組入銘柄数は72銘柄です(※)。割安な水準にある企業へ分散投資することで、下値リスクを抑えながら企業価値の見直しによる株価上昇を狙う運用スタイルが特徴です。
シャープレシオ上位では、高配当株や割安株など、相対的に安定性が重視される投資スタイルのファンドが含まれています。
なお、以上取り上げた11ファンドのうち6本は、SBI証券が長期的な資産形成に適したファンドとして選定している「SBIセレクト」に含まれています。
この11ファンドを整理すると、大きく3つの投資スタイルに分類できます。
①成長テーマ型(世界株式)
・半導体関連株
・テクノロジー株
②国内株式アクティブ
・テクノロジー株(成長)
・高配当株(インカム)
・割安株(バリュー)
③王道インデックス・分散資産
・米国株式(S&P500)
・金(ゴールド)
今回取り上げた10年実績で5ツ星評価を獲得しているファンドを見ると、半導体やクラウドといった成長テーマ、高配当株や割安株を中心とした国内株アクティブ運用、さらにはS&P500やゴールドなど、その投資スタイルは実に多様です。
金利1%時代を迎え、市場環境が変化する中では、投資スタイルごとの違いがこれまで以上に運用成果へ反映される可能性があります。
だからこそ、短期的な人気や話題性だけでなく、10年という長期実績に裏付けられた評価も参考にしながら、ご自身が納得して保有し続けられるファンドを選ぶことが重要ではないでしょうか。
※組入銘柄の情報は2026年5月末基準。個別銘柄の取引を推奨するものではありません。
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