
「後悔しないように、その時にできることをやり切ろうと考えています」
4度目の挑戦でプロテストに合格し、毎年シード権争いの瀬戸際で戦い続ける女子プロゴルファー・宮田成華選手。ゴルフとの意外な出会いから、心と体の整え方、そして将来を見据えたお金との向き合い方までを聞いた。
小学校で配られた一枚のチラシをきっかけにゴルフを始め、中学時代はバスケットボール部と掛け持ちしながら腕を磨いた宮田選手。年に一度しかチャンスのないプロテストに3度跳ね返されながらも、2019年、ついにプロへの扉を開いた。
年間37週にも及ぶ長いシーズンを戦い抜くため、「うまく休むこと」を覚えたという今。重圧との付き合い方や、金融関係の仕事をする兄に学びながら始めた資産運用、そして「やっぱり優勝したい」と語るこれからの目標について、率直な言葉で語ってくれた。
【ゴルフとの出会い、プロを目指した原点】
━━ゴルフを始めたきっかけを教えてください。ご両親もゴルフをされていたのでしょうか
当時住んでいた地域で、ジュニア向けのゴルフ体験教室があり、小学校で配られたチラシを見て参加したのがきっかけです。少し珍しい始め方かもしれません。
━━ゴルフが盛んな地域だったのでしょうか
いえ、特にそういうわけではないんです。だから、今こうして私がプロゴルファーになったことには、両親が一番驚いていると思います。

━━「成華(なるは)」というお名前も印象的ですよね。名前にはどのような由来があるのでしょうか
名前の通り「華に成る」という意味だそうです。
━━初めて会った方には、なかなか一度で読んでもらえないのでは?
そうですね。1回目で読んでもらえたことはないです。大体「せいか」さんと読まれます(笑)。
でも、自分の名前は大好きなんです。
━━ゴルフを本格的に始めた頃、特に意識して取り組んでいた練習はありましたか
特になかったです。当時はドライバーが一番好きで、ボールがまっすぐ飛ぶのが嬉しくて、とりあえずドライバーばかり振っていました(笑)。
━━高校は、ゴルフ部があることを前提に選ばれたのでしょうか
そうですね。ゴルフ部があることに加えて、勉強もしたかったですし、自宅から通えることも考えて、共立女子第二高等学校を選びました。
━━プロゴルファーとして生きていきたい!と考えるようになったのはいつ頃ですか
やんわり意識し始めたのは、中学生の頃です。高校はゴルフ部がある学校に進学して、本格的にゴルフに取り組むようになりました。その中で、プロテストを受けたいと思うようになりました。
【4度目の挑戦でつかんだプロへの道】
━━これまでで最も困難だった挑戦は何ですか
やっぱりプロテストですね。合格するまでに4回挑戦しました。年に1回しかチャンスがないので、今振り返っても一番大変だったなと思います。
━━2019年、4度目の挑戦でプロテストに合格されました。途中でくじけそうになったことはありましたか
当時は、「単年登録制度」がありました。プロテストとは違うQTという次年度のツアー出場権をかけたトーナメントがあり、4ステージあるうちのサードステージまで進出することができれば、日本女子プロゴルフ協会の措置で、1年間限定でプロとして登録でき、ランキングも付与されるんです。
今はプロテストに合格しないと、基本的に試合に出ることができないので、それを考えると、当時は恵まれていた部分もあったと思います。
それでも、プロテストは本当に嫌でしたね。特に3回目に不合格になった直後は、精神的にかなり苦しかったです。

【バスケと両立したジュニア時代】
━━中学生の頃は、ゴルフと並行して部活動もしていたそうですね
中学ではバスケットボール部でした。体力をつけるために、バスケか陸上をやろうと考えていたんですが、バスケが楽しくて、そのまま3年間続けました。
ゴルフの練習は平日の部活が終わってから通っていました。土日もバスケの練習試合が終わったあとに、午後からゴルフの試合に参加することもありました。両方やっていましたね。
━━逆に、今振り返って「もっとやっておけばよかった」と思う練習はありますか
中学生の頃は、都内に住んでいたので、頻繁にコースに出ることが難しくて、経験値が少なかったんです。コースに出て練習できる環境があったら、傾斜地やアプローチで苦労せずに済んだのかなと思います。
九州にはジュニアが比較的安い料金でコースに出て練習できる環境があるので、そこは少し羨ましいですね。まぁ、こればかりは仕方のないことですけどね。
【走り続けるためには、休むことも必要】
━━モチベーションを維持したり、日々過ごしたりする中で、意識していることはありますか
20代前半は、どれだけ練習しても疲れなかったんです。当時は安定して試合に出場できていたわけではなかったので、誰よりも早く練習場に行って、ずっと練習していました。
ただ、年齢を重ねると年々しんどくなってきて、体力的に続けるのが難しくなりました。そこで、うまく休むことを覚えました。
月曜日は移動せずにトレーニングだけにするとか、試合から帰ってきた日はゴルフとは関係のない友人と食事をするとか、少しゴルフから離れる時間を作るようにしています。

━━長いシーズンを戦ううえで、日々の生活ではどんなことに気をつけていますか
コースにいる間は集中しているので、あまり疲れを感じないんです。でも、終わった途端にドッと疲れが出ます。だから、オンとオフを切り替えるためにも、リラックスしたり、リフレッシュする時間が必要だと思っています。
年間37週も試合があるので、メリハリをつけて過ごすことを覚えました。ベテランの選手は、そういう切り替えが上手だなと思います。
あとは、睡眠時間は最低でも7時間確保するようにしています。食事については、もともと暴飲暴食するタイプではないので、特別に気を付けているわけではありません。
━━これまで、ケガなどで苦労したことはありますか
ケガ自体が全くないんです。本当に恵まれていると思います。
宮田成華インタビュー 後編「不安なときこそ自分を鼓舞する」重圧と向き合うためのメンタル術は10月19日公開
〈プロフィール〉

宮田 成華(みやた なるは)
1997年11月7日生まれ。日本の女子プロゴルファー。東京都町田市出身。
共立女子第二高校卒業。幼少期は水泳やクラシックバレエなど多彩な競技を経験し、10歳でゴルフを始める。2017年から単年登録でプロトーナメントに出場して経験を積み、2019年に4度目の挑戦でJLPGAプロテストに合格。
平均飛距離240ヤードのドライバーと、攻めの姿勢を貫くプレースタイルを武器にツアーで活躍。2023年の「資生堂レディス」で4位、2025年の「ヨネックスレディス」で自己最高位の3位タイに入るなど幾度も上位進出を果たしている。2023年からは日立建機日本に所属し、レギュラーツアー初優勝へ向けて第一線で躍動し続けている。
